四つの福音書による一つのイエス物語162
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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芥子種一粒の信仰があればできると教える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
17;19〜21 17;5〜6
第一七章一九〜二一節 第一七章五〜六節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第一七章
十九 其とき弟子ひそかにイエスに來り曰けるは我これを逐出すこと能はざりしは何故ぞ
二十 イエス彼等に曰けるは爾曹信なきが故なり我まことに爾曹にんもし芥種の如き信あらば此山に此處より彼處に移れと命とも必ず移らん又なんぢらに能ざること無るべし
二一 然ど此類は禱と斷食に非ざれば出ることなし
路加傳iケ書第一七章
五 使徒主に曰けるは我に信をuせよ
六 主いひけるは爾曹もし芥種一粒ほどの信あらば此桑樹にに植れと曰とも爾曹に從ふべし
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第一七章
一九 爰に弟子たちにイエスに來りて言ふ『われらは何故に逐ひ出し得ざりしか』
 彼らに言ひ給ふ『なんぢら信仰うすき故なり。誠に汝らにぐ、もし芥種一粒ほどの信仰あらば、この山に「此處より彼處に移れ」と言ふとも移らん、斯て汝ら能はぬこと無かるべし』
二一 
ルカ傳iケ書第一七章
五 使徒たち主に言ふ『われらの信仰を揩オたまへ』
六 主いひ給ふ『もし芥種一粒ほどの信仰あらば、此の桑の樹に「拔けて、に植れ」と言ふとも汝らに從ふべし。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第一七章
一九 それから、弟子たちがひそかにイエスのもとにきて言った、「わたしたちは、どうして霊を追い出せなかったのですか」。
二〇 するとイエスは言われた、「あなたがたの信仰が足りないからである。よく言い聞かせておくが、もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、この山にむかって『ここからあそこに移れ』と言えば、移るであろう。このように、あなたがたにできない事は、何もないであろう。
二一 〔しかし、このたぐいは、祈と断食とによらなければ、追い出すことはできない〕」。
ルカによる福音書第一七章
五 使徒たちは主に「わたしたちの信仰を増してください」と言った。
六 そこで主が言われた、「もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、この桑の木に、『抜け出して海に植われ』と言ったとしても、その言葉どおりになるであろう。
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