四つの福音書による一つのイエス物語149
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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唖を癒したことで悪魔の頭と言われる
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
9;32〜34 11;14〜16
第九章三二〜三四節 第一一章一四〜一六節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第九章
三二 瞽者の出るとき人鬼に憑れたる暗啞をイエスに携來りしに
三三 鬼おひ出されて暗啞ものいへり衆人あやしみ曰けるはイスラエルの中にも未だ斯る事は見ざりき
三四 パリサイの人曰けるは彼鬼の王に籍て鬼を逐出せる也
路加傳iケ書第一一章
十四 イエス啞なる惡鬼を逐出しけるに惡鬼いでゝ瘖啞ものいひしかば人駭けり
十五 其中なるの曰けるは彼は惡鬼の王ベルゼブルに籍て惡鬼を逐出せる也
十六 又ある人イエスを試んとて天よりの休徵を求たり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第九章
三二 盲人どもの出づるとき、よ、人、惡鬼に憑かれたる啞を御許につれきたる。
三三 惡鬼おひ出されて啞ものいひたれば、群衆あやしみて言ふ『かかる事は未だイスラエルの中に顯れざりき』
三四 然るにパリサイ人いふ『かれは惡鬼の首によりて惡鬼を逐ひ出すなり』
ルカ傳iケ書第一一章
一四 さてイエス啞の惡鬼を逐ひいだし給へば、惡鬼いでて啞、物言ひしにより、群衆あやしめり。
一五 其の中の或ども言ふ『かれは惡鬼の首ベルゼブルによりて惡鬼を逐ひ出すなり』
一六 また或どもは、イエスを試みんとて天よりの徵を求む。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第九章
三二 彼らが出て行くと、人々は悪霊につかれて口のきけない人をイエスのところに連れてきた。
三三 すると、悪霊は追い出されて、口のきけない人が物を言うようになった。群衆は驚いて、「このようなことがイスラエルの中で見られたことは、これまで一度もなかった」と言った。
三四 しかし、パリサイ人たちは言った、「彼は、悪霊どものかしらによって悪霊どもを追い出しているのだ」。
ルカによる福音書第一一章
一四 さて、イエスが悪霊を追い出しておられた。それは、物を言えなくする霊であった。悪霊が出て行くと、口のきけない人が物を言うようになったので、群衆は不思議に思った。
一五 その中のある人々が、「彼は悪霊のかしらベルゼブルによって、悪霊どもを追い出しているのだ」と言い、
一六 またほかの人々は、イエスを試みようとして、天からのしるしを求めた。
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