四つの福音書による一つのイエス物語137
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
*
137
*
湖を渡った先に人々寄って来る
*
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
6;53〜56 14;34〜36 6;22〜25
第六章五三〜五六節 第一四章三四〜三六節 第六章二二〜二五節
*
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第六章
五三 に濟ゲネサレといふ地に到て舟泊せり
五四 彼等舟より出しに頓て人イエスを知て
五五 く其四方の地へ馳ゆき病るを床のにてひイエスの在す處を聞出して之に就り
五六 凡そィエスの至るとこる或はクあるひは邑あるひは村その街市に病るを置て彼に其衣のにだにらせ給へと求り乃ちるほどのはみな愈たり
馬太傳iケ書第一四章
三四 遂に渡てゲネサレの地に到しかば
三五 其處の人イエスを識て遍く四方に人を遣L凡て病のを携へ來らしむ
三六 只其衣のらんことをイエスに願へりちみな愈されたり
約翰傳iケ書第六章
二二 明日かなたの岸に立し人昨日弟子の登し舟の外には舟なく且イエスは弟子と偕に舟に登ず弟子のみ往るを知
二三 此時テベリアより外の舟きたり主のりて人にパンを食し所の近に着り
二四 人イエスの此に在ず弟子も亦在ざるを見て彼等も舟に登イエスを尋ん爲にカペナウンに至れり
二五 湖の前岸にて彼に遇曰けるはラビ何時こに來り給ひし乎
*
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第六章
五三 遂に渡りてゲネサレの地にき、舟がかりす。
五四 舟より上りしに、人ただちにイエスを認めて、
五五 くあたりを馳せまはり、その在すと聞く處に、患ふを床のままつれ來る。
五六 その到りたまふ處には、村にても、町にても、里にても、病めるを市場におきて、御衣の總にだに觸らしめ給はんことを願ふ。觸りしは、みな醫されたり.
マタイ傳iケ書第一四章
三四 遂に渡りてゲネサレの地にきしに、
三五 その處の人イエスを認めて、く四方に人をつかはし、又すべての病めるを連れきたり、
三六 ただ御衣の總にだに觸らしめ給はんことを願ふ、觸りしは、みな醫されたり。
ヨハネ傳iケ書第六章
二二 明くる日、のかなたに立てる群衆は、一のほかに舶なく、又イエスは弟子たちと共に乘りたまはず、弟子等のみ出でゆきしを見たり。
二三 (時にテべリヤより數の船、主の謝して人にパンを食せ給ひし處の近くに來る)
二四 ここに群衆はイエスも居給はず、弟子たちも居らぬを見てその船に乘り、イエスを尋ねてカペナウムに往けり。
二五 遂にの彼方にてイエスに遇ひて言ふ『ラビ、何時ここに來り給ひしか』
*
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第六章
五三 彼らは海を渡り、ゲネサレの地に着いて舟をつないだ。
五四 そして舟からあがると、人々はすぐイエスと知って、
五五 その地方をあまねく駆けめぐり、イエスがおられると聞けば、どこへでも病人を床にのせて運びはじめた。
五六 そして、村でも町でも部落でも、イエスがはいって行かれる所では、病人たちをその広場におき、せめてその上着のふさにでも、さわらせてやっていただきたいと、お願いした。そしてさわった者は皆いやされた。
マタイによる福音書第一四章
三四 それから、彼らは海を渡ってゲネサレの地に着いた。
三五 するとその土地の人々はイエスと知って、その附近全体に人をつかわし、イエスのところに病人をみな連れてこさせた。
三六 そして彼らにイエスの上着のふさにでも、さわらせてやっていただきたいとお願いした。そしてさわった者は皆いやされた。
ヨハネによる福音書第六章
二二 その翌日、海の向こう岸に立っていた群衆は、そこに小舟が一そうしかなく、またイエスは弟子たちと一緒に小舟にお乗りにならず、ただ弟子たちだけが船出したのを見た。
二三 しかし、数そうの小舟がテベリヤからきて、主が感謝されたのちパンを人々に食べさせた場所に近づいた。
二四 群衆は、イエスも弟子たちもそこにいないと知って、それらの小舟に乗り、イエスをたずねてカペナウムに行った。
二五 そして、海の向こう岸でイエスに出会ったので言った、「先生、いつ、ここにおいでになったのですか」。
Office Murakami