四つの福音書による一つのイエス物語122
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
*
122
*
マルタとマリヤ姉妹に迎えられる
*
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
10;38〜42
第一〇章三八〜四二節
*
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第一〇章
三八 かれら路を行る時イエス一クに入ければマルタと云る婦これを迎て自己の家に入ぬ
三九 その姉妹にマリアと去るありイエスの足下に坐りて其道を聽り
四十 マルタ供給のこと多して心いりみだれイエスに近よりて曰けるは主よ我が妹われを一人遺て勞動しむるを何とも意ざるか彼に命じて我を助しめよ
四一 イエス答て曰けるはマルタよマルタよ爾多端により思慮ひて心勞せり
四二 然ど無てふまじきは一なりマリアはに善業を撰たり此は彼より奪べからざるなり
*
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第一〇章
三八 斯て彼ら進みゆく間に、イエス或村に入り給へば、マルタと名づくる女おのが家に迎へ入る。
三九 その妹にマリヤといふありて、イエスの足下に坐し、御言を聽きをりしが、
 マルタ饗應のこと多くして心いりみだれ、御許に進みよりて言ふ『主よ、わが妹われを一人のこしてかするを、何とも思ひ給はぬか、彼に命じて我を助けしめ給へ』
四一 主、答へて言ひ給ふ『マルタよ、マルタよ、汝さまざまの事により、思ひ煩ひて心勞す。
四二 されど無くてならぬものは多からず、唯一つのみ、マリヤは善きかたを選びたり。此は彼より奪ふべからざるものなり』
*
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第一〇章
三八 一同が旅を続けているうちに、イエスがある村へはいられた。するとマルタという名の女がイエスを家に迎え入れた。
三九 この女にマリヤという妹がいたが、主の足もとにすわって、御言に聞き入っていた。
四〇 ところが、マルタは接待のことで忙がしくて心をとりみだし、イエスのところにきて言った、「主よ、妹がわたしだけに接待をさせているのを、なんともお思いになりませんか。わたしの手伝いをするように妹におっしゃってください」。
四一 主は答えて言われた、「マルタよ、マルタよ、あなたは多くのことに心を配って思いわずらっている。
四二 しかし、無くてならぬものは多くはない。いや、一つだけである。マリヤはその良い方を選んだのだ。そしてそれは、彼女から取り去ってはならないものである」。
Office Murakami