四つの福音書による一つのイエス物語105
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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105
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弟子の心構えを教える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
8;18〜22 9;57〜62
第八章一八〜二二節 第九章五七〜六二節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第八章
十八 イエス多の人の己を環るを見て弟子に命じ向の岸に往んとし給しに
十九 ある學きたりて曰けるは師よ何處へ行給ふとも我從はん
二十 イエス之に曰けるは狐は穴あり天空の鳥は巢あり然ど人の子は枕する所なし
二一 また弟子の一人いひけるは主よ先ゆきて父を葬ることを我に容せ
二二 イエス曰けるは我に從へ死たるに其死しを葬らせよ
路加傳iケ書第九章
五七 路を行とき或人イエスに曰けるは主よ何處に往たまふとも我從はん
五八 イエス彼に曰けるは狐は穴あり天空の鳥は巢あり然ども人の子は枕する所なし
五九 又ある一人に曰けるは我に從へ彼いひけるは主よ先ゆきて父を葬る事を我に容せ
六十 イエス曰けるは死たるに其死しを葬らせ爾は往て~の國を宣よ
六一 又ある一人曰けるは主よ爾に從はん先ゆきて家人に別をることを容せ
六二 イエス曰けるは手をに着て後を顧る~の國に當ざる者也
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第八章
一八 さてイエス群衆の己を環れるを見て、ともに彼方の岸に往かんことを弟子たちに命じ給ふ。
一九 一人の學きたりて言ふ『師よ何處にゆき給ふとも、我は從はん』
 イエス言ひたまふ『狐は穴あり、空の鳥はあり、然れど人の子は枕する所なし』
二一 また弟子の一人いふ『主よ、先づ往きて我が父を葬ることを許したまへ』
二二 イエス言ひたまふ『我に從へ、死にたるにその死にたるを葬らせよ』
ルカ傳iケ書第九章
五七 途を往くとき、或人イエスに言ふ『何處に往き給ふとも我は從はん』
五八 イエス言ひたまふ『狐は穴あり、空の鳥はあり、されど人の子は枕する所なし』
五九 また或人に言ひたまふ『我に從へ』かれ言ふ『まづ往きて我が父を葬ることを許し給へ』
 イエス言ひたまふ『死にたるに、その死にたるを葬らせ、汝は往きて~の國を言ひ弘めよ』
六一 また或人いふ『主よ、我なんぢに從はん、然れど先づ家のに別をぐることを許し給へ』
六二 イエス言ひたまふ『手を鋤につけてのち、後を顧みるは、~の國に適ふにあらず』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第八章
一八 イエスは、群衆が自分のまわりに群がっているのを見て、向こう岸に行くようにと弟子たちにお命じになった。
一九 するとひとりの律法学者が近づいてきて言った、「先生、あなたがおいでになる所なら、どこへでも従ってまいります」。
二〇 イエスはその人に言われた、「きつねには穴があり、空の鳥には巣がある。しかし、人の子にはまくらする所がない」。
二一 また弟子のひとりが言った、「主よ、まず、父を葬りに行かせて下さい」。
二二 イエスは彼に言われた、「わたしに従ってきなさい。そして、その死人を葬ることは、死人に任せておくがよい」。
ルカによる福音書第九章
五七 道を進んで行くと、ある人がイエスに言った、「あなたがおいでになる所ならどこへでも従ってまいります」。
五八 イエスはその人に言われた、「きつねには穴があり、空の鳥には巣がある。しかし、人の子にはまくらする所がない」。
五九 またほかの人に、「わたしに従ってきなさい」と言われた。するとその人が言った、「まず、父を葬りに行かせてください」。
六〇 彼に言われた、「その死人を葬ることは、死人に任せておくがよい。あなたは、出て行って神の国を告げひろめなさい」。
六一 またほかの人が言った、「主よ、従ってまいりますが、まず家の者に別れを言いに行かせてください」。
六二 イエスは言われた、「手をすきにかけてから、うしろを見る者は、神の国にふさわしくないものである」。
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