四つの福音書による一つのイエス物語98
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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098
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全てを譬で語る
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
4;33〜34 13;34〜35
第四章三三〜三四節 第一三章三四〜三五節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第四章
三三 イエス彼等の聽得ところに循ひ多かかる譬をもてを彼等に語れり
三四 譬に非ざれば彼等に語らずイエスその弟子と共に居るとき彼等に悉く之を解聽せり
馬太傳iケ書第一三章
三四 イエス譬をもて凡て此等の事を衆人に語たまへり譬にあらざれば語り給はず
三五 これ預言に託て我譬を設て口を啓き世の始より隱たる事を言出さんと云れたるに應せん爲なり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第四章
三三 斯のごとき數多の譬をもて、人の聽きうる力に隨ひて、御言を語り、
三四 譬ならでは語り給はず、弟子たちには、人なき時に凡ての事を釋き給へり。
マタイ傳iケ書第一三章
三四 イエスすべて此等のことを、譬にて群衆に語りたまふ、譬ならでは何事も語り給はず。
三五 これ預言によりて云はれたる言の成就せん爲なり。曰く、『われ譬を設けて口を開き、世の創より隱れたる事を言ひ出さん』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第四章
三三 イエスはこのような多くの譬で、人々の聞く力にしたがって、御言を語られた。
三四 譬によらないでは語られなかったが、自分の弟子たちには、ひそかにすべてのことを解き明かされた。
マタイによる福音書第一三章
三四 イエスはこれらのことをすべて、譬で群衆に語られた。譬によらないでは何事も彼らに語られなかった。
三五 これは預言者によって言われたことが、成就するためである、「わたしは口を開いて譬を語り、世の初めから隠されていることを語り出そう」。
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