四つの福音書による一つのイエス物語96
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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芥子粒の譬を語る
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
4;30〜32 13;31〜32 13;18〜19
第四章三〇〜三二節 第一三章三一〜三二節 第一三章一八〜一九節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第四章
三十 また曰けるは~の國は何に比へ何の譬を以て之を喩ん
三一 一粒の芥種のごとし之を地に播ときは百樣の種より微けれど
三二 に播て萌出れば百樣の野菜よりは大くかつ巨たる枝を出して空の鳥その蔭に棲ほどに及なり
馬太傳iケ書第一三章
三一 また譬を彼等に示し曰けるは天國は芥種の如し人これを取て畑に播ば
三二 萬の種よりは小けれども長ては他の草より大にして天空の鳥きたり其枝に宿ほどの樹となる也
路加傳iケ書第一三章
十八 イエスまた曰けるは~の國は何に比へ又なに譬んや
十九 一粒の芥種の如し人これを取て其園に播ば長生て大なる樹となり天空の鳥その枝に捿なり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第四章
 また言ひ給ふ『われら~の國を何になずらへ、如何なる譬をもて示さん。
三一 一粒の芥種のごとし、地に播く時は、世にある萬の種よりも小けれど、
三二 旣に播きて生え出づれば、萬の野菜よりは大く、かつ大なる枝を出して、空の鳥その蔭に棲み得るほどになるなり』
マタイ傳iケ書第一三章
三一 また他の譬を示して言ひたまふ『天國は一粒の芥種のごとし、人これを取りてその畑に播くときは、
三二 萬の種よりも小けれど、育ちては、他の野菜よりも大く、樹となりて空の鳥きたり、其の枝に宿るほどなり』
ルカ傳iケ書第一三章
一八 斯てイエス言ひたまふ『~の國は何に似たるか、我これを何に擬へん、
一九 一粒の芥種のごとし。人これを取りて己の園に播きたれば、育ちて樹となり、空の鳥その枝に宿れり』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第四章
三〇 また言われた、「神の国を何に比べようか。また、どんな譬で言いあらわそうか。
三一 それは一粒のからし種のようなものである。地にまかれる時には、地上のどんな種よりも小さいが、
三二 まかれると、成長してどんな野菜よりも大きくなり、大きな枝を張り、その陰に空の鳥が宿るほどになる」。
マタイによる福音書第一三章
三一 また、ほかの譬を彼らに示して言われた、「天国は、一粒のからし種のようなものである。ある人がそれをとって畑にまくと、
三二 それはどんな種よりも小さいが、成長すると、野菜の中でいちばん大きくなり、空の鳥がきて、その枝に宿るほどの木になる」。
ルカによる福音書第一三章
一八 そこで言われた、「神の国は何に似ているか。またそれを何にたとえようか。
一九 一粒のからし種のようなものである。ある人がそれを取って庭にまくと、育って木となり、空の鳥もその枝に宿るようになる」。
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