四つの福音書による一つのイエス物語94
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
*
094
*
無花果の木の譬を語る
*
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
13;6〜9
第一三章六〜九節
*
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第一三章
六 又この譬を云り或人その葡萄園に植おきたる無花果樹ありしが來て之に果を求れども得ざりければ
七 其園丁に曰けるは我三年きたりて此無花果樹に果を求れざも得ず之を斫され何ぞ徒らに地を塞や
八 園丁こたへけるは主よ我その周圍を堀て之に糞するまで今年も容せ
九 もし果を結ば善もし結ずば後に之を斫べし
*
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第一三章
六 又この譬を語りたまふ『或人おのが葡萄園に植ゑありし無花果の樹に來りて果を求むれども得ずして、
七 園丁に言ふ「よ、われ三年きたりて此の無花果の樹に果を求むれども得ず。これを伐り倒せ、何ぞ徒らに地を塞ぐか」
八 答へて言ふ「主よ、今年も容したまへ、我その周圍を掘りて肥料せん。
九 その後、果を結ばば善し、もし結ばずば伐り倒したまへ』
*
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第一三章
六 それから、この譬を語られた、「ある人が自分のぶどう園にいちじくの木を植えて置いたので、実を捜しにきたが見つからなかった。
七 そこで園丁に言った、『わたしは三年間も実を求めて、このいちじくの木のところにきたのだが、いまだに見あたらない。その木を切り倒してしまえ。なんのために、土地をむだにふさがせて置くのか』。
八 すると園丁は答えて言った、『ご主人様、ことしも、そのままにして置いてください。そのまわりを掘って肥料をやって見ますから。
九 それで来年実がなりましたら結構です。もしそれでもだめでしたら、切り倒してください』」。
Office Murakami