四つの福音書による一つのイエス物語79
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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「聖霊を悪く言う者は許されない」
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
3;28〜30 12;31〜32 12;10
第三章二八〜三〇節 第一二章三一〜三二節 第一二章一〇節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第三章
二八 われ誠に爾曹に告ん人の凡の罪と瀆す所の褻瀆は赦るべけれど
二九 聖靈を瀆すは限なく赦さる可らず限なき刑罰に干らん
三十 斯いへるは人イエスを惡鬼に憑たりと言しが故なり
馬太傳iケ書第一二章
三一 是故に爾曹にん人の凡て犯す所の罪と~を瀆ことは赦れん然ど人の聖靈を瀆ことは赦るべからず
三二 言を以て人の子に背くは赦るべし然ど言をもて聖靈に背くは今世に於ても亦來世に於ても赦るべからず
路加傳iケ書第一二章
十 凡そ人の子を謗るは赦さる可れど聖靈を褻すは赦さる可らず
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第三章
二八 誠に汝らにぐ、人の子らの凡ての罪と、けがす瀆とは赦されん。
二九 然れど聖靈をけがすは、永遠に赦されず、永遠の罪に定めらるべし』
 これは彼らイエスを『穢れし靈に憑かれたり』と云ヘるが故なり。
マタイ傳iケ書第一二章
三一 この故に汝らにぐ、人の凡ての罪と瀆とは赦されん、されど御靈を瀆すことは赦されじ。
三二 誰にても言をもて人の子に逆ふは赦されん、然れど言をもて聖靈に逆ふは、この世にても後の世にても赦されじ。
ルカ傳iケ書第一二章
 凡そ言をもて人の子に逆ふは赦されん。然れど聖靈を瀆すものは赦されじ。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第三章
二八 よく言い聞かせておくが、人の子らには、その犯すすべての罪も神をけがす言葉も、ゆるされる。
二九 しかし、聖霊をけがす者は、いつまでもゆるされず、永遠の罪に定められる」。
三〇 そう言われたのは、彼らが「イエスはけがれた霊につかれている」と言っていたからである。
マタイによる福音書第一二章
三一 だから、あなたがたに言っておく。人には、その犯すすべての罪も神を汚す言葉も、ゆるされる。しかし、聖霊を汚す言葉は、ゆるされることはない。
三二 また人の子に対して言い逆らう者は、ゆるされるであろう。しかし、聖霊に対して言い逆らう者は、この世でも、きたるべき世でも、ゆるされることはない。
ルカによる福音書第一二章
一〇 また、人の子に言い逆らう者はゆるされるであろうが、聖霊をけがす者は、ゆるされることはない。
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