四つの福音書による一つのイエス物語74
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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074
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「主よ、主よ」と口だけの者を戒める
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
7;21〜23 6;46
第七章二一〜二三節 第六章四六節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第七章
二一 我を召て主よ主よと曰もの盡く天に入に非ず唯にれに入は我天に在す父の旨に遵ふのみなり
二二 某日われに語て主よ主よ主の名に託てをしへ主の名に託て鬼をおひ主の名に託て多く異能を行しに非ずやと云もの多からん
二三 其時かれらに告?われて爾曹を知ず惡をなすよ我を離去と曰ん
路加傳iケ書第六章
四六 爾曹わが言ことを行はずして何ぞ我を主よ主よと稱るや
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第七章
二一 我に對ひて主よ主よといふ、ことごとくは天國に入らず、ただ天にいます我が父の御意をおこなふのみ、之に入るべし。
二二 その日おほくの、われに對ひて「主よ主よ、我らは汝の名によりて預言し、汝の名によりて惡鬼を逐ひいだし、汝の名によりて多くの能力ある業を爲ししにあらずや」と言はん。
二三 その時われ明白にげん「われ斷えて汝らを知らず、不法をなすよ、我を離れされ」と。
ルカ傳iケ書第六章
四六 なんぢら我を「主よ主よ」と呼びつつ何ぞ我が言ふことを行はぬか。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第七章
二一 わたしにむかって『主よ、主よ』と言う者が、みな天国にはいるのではなく、ただ、天にいますわが父の御旨を行う者だけが、はいるのである。
二二 その日には、多くの者が、わたしにむかって『主よ、主よ、わたしたちはあなたの名によって預言したではありませんか。また、あなたの名によって悪霊を追い出し、あなたの名によって多くの力あるわざを行ったではありませんか』と言うであろう。
二三 そのとき、わたしは彼らにはっきり、こう言おう、『あなたがたを全く知らない。不法を働く者どもよ、行ってしまえ』。
ルカによる福音書第六章
四六 わたしを主よ、主よ、と呼びながら、なぜわたしの言うことを行わないのか。
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