四つの福音書による一つのイエス物語54
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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054
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「敵を愛せよ」
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
5;43〜45 6;27〜28
第五章四三〜四五節 第六章二七〜二八節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第五章
四三 爾の隣を愛みて其敵を憾べしと言ること有は爾曹が聞し所なり
四四 然も我なんぢらにん爾曹の敵を愛み爾曹を詛ふし爾曹を憎を善し虐遇迫害もの爲に禱せよ
四五 如此するは天に在す爾曹の父の子とならん爲なり夫天の父は其日を善にも惡にも照し雨を義きにも義からざるにも降せ給へり
路加傳iケ書第六章
二七 我に聽ところの爾曹にん其仇を愛し爾曹を憎を善し
二八 詛し虐遇の爲に禱せよ
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第五章
四三 「なんぢの隣を愛し、なんぢの仇を憎むべし」と云へることあるを汝等きけり。
四四 されど我は汝らにぐ、汝らの仇を愛し、汝らを責むるのためにれ。
四五 これ天にいます汝らの父の子とならん爲なり。天の父はその日を惡しきのうへにも、善きのうヘにも昇らせ、雨を正しきにも、正しからぬにも降らせ給ふなり。
ルカ傳iケ書第六章
二七 われ更に汝ら聽くものにぐ、なんぢらの仇を愛し汝らを憎を善くし、
二八 汝らを詛ふし、汝らを辱しむるのためにれ。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第五章
四三 『隣り人を愛し、敵を憎め』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。
四四 しかし、わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。
四五 こうして、天にいますあなたがたの父の子となるためである。天の父は、悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせ、正しい者にも正しくない者にも、雨を降らして下さるからである。
ルカによる福音書第六章
二七 しかし、聞いているあなたがたに言う。敵を愛し、憎む者に親切にせよ。
二八 のろう者を祝福し、はずかしめる者のために祈れ。
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