四つの福音書による一つのイエス物語52
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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052
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「誓ってはならない」
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
5;33〜37
第五章三三〜三七節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第五章
三三 また古の人にて僞の誓を立ること勿なんぢ誓ふ所は必ず主に遂べしと言ること有は爾曹が聞し所なり
三四 然ど我なんぢらにん更に誓こと勿れ天を指て誓ふ勿れ是~の座位なれば也
三五 地を指て誓ふこと勿これ~の足��なれば也エルサレムを指て誓ふこと勿これ大王の京城なれば也
三六 爾の首を指て誓ふ勿そは一すぢの髮だに白しKすること能ざれば也
三七 爾曹たといへ此より過るは惡より出るなり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第五章
三三 また古への人に「いつはり誓ふなかれ、なんぢの誓は主に果すべし」と云へる事あるを汝ら聞けり。
三四 されど我は汝らにぐ、一切ちかふな、天を指して誓ふな、~の御座なればなり。
三五 地を指して誓ふな、~の足臺なればなり。エルサレムを指して誓ふな、大君のなればなり。
三六 己が頭を指して誓ふな、なんぢ頭一筋だに白くし、またKくし能はねばなり。
三七 ただ然り然り、否否といへ、之に過ぐるは惡より出づるなり。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第五章
三三 また昔の人々に『いつわり誓うな、誓ったことは、すべて主に対して果せ』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。
三四 しかし、わたしはあなたがたに言う。いっさい誓ってはならない。天をさして誓うな。そこは神の御座であるから。
三五 また地をさして誓うな。そこは神の足台であるから。またエルサレムをさして誓うな。それは『大王の都』であるから。
三六 また、自分の頭をさして誓うな。あなたは髪の毛一すじさえ、白くも黒くもすることができない。
三七 あなたがたの言葉は、ただ、しかり、しかり、否、否、であるべきだ。それ以上に出ることは、悪から来るのである。
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