四つの福音書による一つのイエス物語50
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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050
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「訴える人と仲直りしなさい」
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
5;25〜26 12;57〜59
第五章二五〜二六節 第一二章五七〜五九節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第五章
二五 爾を訴ふると偕に途間にある時はやく和げよ恐くは訴ふるなんぢを審官に付し審官また爾を下吏に付し遂に爾は獄に入られん
二六 我まことに爾にん分釐までも償はざれば必ず其所を出ること能ざる也
路加傳iケ書第一二章
五七 また何ぞ自ら公義を審ざる乎
五八 なんぢ訟ると共に有司に往とき途中にて心を盡して彼より釋されんことを求めよ恐くは 訟るなんぢを裁判人にひき裁判人なんぢを下吏に付し下吏なんぢを獄に入ん
五九 我なんぢにん一錢も殘ず償ふまでは爾そこを出ことを得ざる也
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第五章
二五 なんぢを訴ふるとともに途に在るうちに、早く和解せよ。恐くは、訴ふるなんぢを審判人にわたし、審判人は下役にわたし、遂になんぢは獄に入れられん。
二六 誠に、なんぢにぐ、一厘も殘りなく償はずば、其處をいづること能はじ。
ルカ傳iケ書第一二章
五七 また何故みづから正しき事を定めぬか。
五八 なんぢ訴ふるとともに司に往くとき、途にて和解せんことを力めよ、恐くは訴ふる、なんぢを審判人に引きゆき、審判人なんぢを下役にわたし、下役なんぢを獄に投げ入れん。
五九 われ汝にぐ、一レプタも殘りなく償はずば、其處を出づること能はじ』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第五章
二五 あなたを訴える者と一緒に道を行く時には、その途中で早く仲直りをしなさい。そうしないと、その訴える者はあなたを裁判官にわたし、裁判官は下役にわたし、そして、あなたは獄に入れられるであろう。
二六 よくあなたに言っておく。最後の一コドラントを支払ってしまうまでは、決してそこから出てくることはできない。
ルカによる福音書第一二章
五七 また、あなたがたは、なぜ正しいことを自分で判断しないのか。
五八 たとえば、あなたを訴える人と一緒に役人のところへ行くときには、途中でその人と和解するように努めるがよい。そうしないと、その人はあなたを裁判官のところへひっぱって行き、裁判官はあなたを獄吏に引き渡し、獄吏はあなたを獄に投げ込むであろう。
五九 わたしは言って置く、最後の一レプタまでも支払ってしまうまでは、決してそこから出て来ることはできない」。
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