四つの福音書による一つのイエス物語46
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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幸いな人とは誰かを教える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
5;3〜12 6;20〜23
第五章三〜一二節 第六章二〇〜二三節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第五章
三 心の貧きなり天は卽ち其人の有なれば也
四 哀むなり其人は安慰を得べければ也
五 柔和なるなり其人は地を嗣ことを得べければ也
六 饑渴ごとく義を慕なり其人は飽ことを得べければ也
七 矜恤あるなり其人は矜恤を得べければ也
八 心のCきなり其人は~を見ことを得べければ也
九 和平を求るなり其人は~の子と稱らる可ればなり
十 義ことの爲にらるゝ者なり天國はち其人の有なれば也
十一 我ために人なんぢらを詬誶また迫害いつはりて各樣の惡言をいはん其時は爾曹なり
十二 喜び樂め天に於て爾曹の報賞おほければ也そは爾曹より前の預言をも如此せめたりき
路加傳iケ書第六章
二十 イエス目を擧弟子を見て曰けるは爾曹貧者はなり~の國はち爾曹の所有なれば也
二一 爾曹いま餓たるなり飽ことを得べければなり爾曹いま哭なり笑ことを得べければ也
二二 人の子の爲に人なんぢらを憎また絶けり爾曹の名を惡しとして棄なば爾曹なり
二三 其日には欣び踊れ爾曹天に於て賞賜大なれば也その先が預言に行たりしも是の如し
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第五章
三 『幸なるかな、心の貪しき。天國はその人のものなり。
四 幸なるかな、悲しむ。その人は慰められん。
五 幸なるかな、柔和なる。その人は地を嗣がん。
六 幸なるかな、義に飢ゑ渴く。その人は飽くことを得ん。
七 幸なるかな、憐憫ある。その人は憐憫を得ん。
八 幸なるかな、心のCき。その人は~を見ん。
九 幸なるかな、平和ならしむる。その人は~の子と稱へられん。
 幸なるかな、義のために責められたる。天國はその人のものなり。
一一 我がために、人なんぢらを罵り、また責め、詐りて各樣の惡しきことを言ふときは、汝ら幸なり。
一二 喜び喜べ、天にて汝らの報は大なり。汝等より前にありし預言等をも、斯く責めたりき。
ルカ傳iケ書第六章
 イエス目をあげ弟子たちを見て言ひたまふ『幸なるかな、貧しきよ、~の國は汝らの有なり。
二一 幸なる哉、いま飢うるよ、汝ら飽くことを得ん。幸なる哉、いま泣くよ、汝ら笑ふことを得ん。
二二 人なんぢらを憎み、人の子のために遠ざけ謗り汝らの名を惡しとして棄てなば、汝ら幸なり。
二三 その日には、喜び躍れ。よ、天にて汝らの報は大なり、彼らの先が預言たちに爲ししも、斯くありき。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第五章
三 「こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。
四 悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう。
五 柔和な人たちは、さいわいである、彼らは地を受けつぐであろう。
六 義に飢えかわいている人たちは、さいわいである、彼らは飽き足りるようになるであろう。
七 あわれみ深い人たちは、さいわいである、彼らはあわれみを受けるであろう。
八 心の清い人たちは、さいわいである、彼らは神を見るであろう。
九 平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう。
一〇 義のために迫害されてきた人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。
一一 わたしのために人々があなたがたをののしり、また迫害し、あなたがたに対し偽って様々の悪口を言う時には、あなたがたは、さいわいである。
一二 喜び、よろこべ、天においてあなたがたの受ける報いは大きい。あなたがたより前の預言者たちも、同じように迫害されたのである。
ルカによる福音書第六章
二〇 そのとき、イエスは目をあげ、弟子たちを見て言われた、「あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである。
二一 あなたがたいま飢えている人たちは、さいわいだ。飽き足りるようになるからである。あなたがたいま泣いている人たちは、さいわいだ。笑うようになるからである。
二二 人々があなたがたを憎むとき、また人の子のためにあなたがたを排斥し、ののしり、汚名を着せるときは、あなたがたはさいわいだ。
二三 その日には喜びおどれ。見よ、天においてあなたがたの受ける報いは大きいのだから。彼らの祖先も、預言者たちに対して同じことをしたのである。
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