四つの福音書による一つのイエス物語34
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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034
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寡婦の息子を甦らせる
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
7;11〜17
第七章一一〜一七節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第七章
十一 翌日イエス ナインと云る邑に往けるに許多の弟子および許多の人も共に往り
十二 邑の門に近づきしとき出さる死人あり其母はにて此は獨の子なり邑の人多これに伴ふ
十三 主を見て憫み哭なかれと曰て
十四 近より其?に手を按ければども止れりイエス曰けるは少よ我なんぢに命おきよ
十五 死たる起て且言ひ始むイエス之を其母に予せり
十六 衆人みな懼て~を崇いひけるは大なる預言われらの中に興る~その民を眷顧たまへり
十七 イエスの此聲名ユダヤの全國またく四方に揚りぬ
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第七章
一一 その後イエス、ナインといふ町にゆき給ひしに弟子たち及び大なる群衆も共に往く。
一二 町の門に近づき給ふとき、よ、き出さるる死人あり。これは獨息子にて母は寡婦なり、町の多くの人これに件ふ。
一三 主、寡婦を見て、憫み『泣くな』と言ひて、
一四 近より柩に手をつけ給へば、くもの立ち止る。イエス言ひたまふ『若よ、我なんぢに言ふ、起きよ』
一五 死人、起きかへりて物言ひ始む。イエス之を母に付したまふ。
一六 人みな懼をいだき、~を崇めて言ふ『大なる預言、われらの中に興れり』また言ふ『~その民を顧み給へり』
一七 この事ユダヤ全國および最寄の地にくひろまりぬ。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第七章
一一 そののち、間もなく、ナインという町へおいでになったが、弟子たちや大ぜいの群衆も一緒に行った。
一二 町の門に近づかれると、ちょうど、あるやもめにとってひとりむすこであった者が死んだので、葬りに出すところであった。大ぜいの町の人たちが、その母につきそっていた。
一三 主はこの婦人を見て深い同情を寄せられ、「泣かないでいなさい」と言われた。
一四 そして近寄って棺に手をかけられると、かついでいる者たちが立ち止まったので、「若者よ、さあ、起きなさい」と言われた。
一五 すると、死人が起き上がって物を言い出した。イエスは彼をその母にお渡しになった。
一六 人々はみな恐れをいだき、「大預言者がわたしたちの間に現れた」、また、「神はその民を顧みてくださった」と言って、神をほめたたえた。
一七 イエスについてのこの話は、ユダヤ全土およびその附近のいたる所にひろまった。
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