四つの福音書による一つのイエス物語28
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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宴で水を葡萄酒に変える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
2;6〜12
第二章六〜一二節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
約翰傳iケ書第二章
六 ユダヤ人の潔の例に從ひて四五斗盛の石甕かしこに備有しが
七 イエス僕等に水を甕に滿せよと曰ければ彼等口まで滿せたり
八 又これを今取て持ゆき筵を司るに與せと曰ければ彼等わたせり
九 筵を司る酒に變し水をて其何處より來しを知ず然ど水をし僕は知り
十 筵を司る新カを呼て彼に曰けるは凡そ人はまづ旨酒を進し酒なるに及て魯酒を進に爾ほ旨酒を今まで留おけり
十一 此事をイエスがガリラヤのカナにて行るは休徵の始にして其榮を顯せり弟子かれを信ず
十二 此後イエスその母兄弟および弟子等カペナウンに下り其處 に居こと久からずして
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ヨハネ傳iケ書第二章
六 彼處にユダヤ人の潔の例にしたがひて四五斗入りの石甕六個ならべあり。
七 イエス僕に『水を甕に滿せ』といひ給へば、口まで滿す。
八 また言ひ給ふ『いま汲み取りて饗宴長に持ちゆけ』乃ち持ちゆけり。
九 饗宴長、葡萄酒になりたる水をめて、その何處より來りしかを知らざれば(水を汲みし僕どもは知れり)新カを呼びて言ふ、
 『おほよそ人は先よき葡萄酒を出し、醉のまはる頃ほひ劣れるものを出すに、汝はよき葡萄酒を今まで留め置きたり』
一一 イエス此の第一の徵をガリラヤのカナにて行ひ、その榮光を顯し給ひたれば、弟子たち彼を信じたり。
一二 この後イエス及びその母兄弟弟子たちカペナウムに下りて、そこに數日留りたり。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ヨハネによる福音書第二章
六 そこには、ユダヤ人のきよめのならわしに従って、それぞれ四、五斗もはいる石の水がめが、六つ置いてあった。
七 イエスは彼らに「かめに水をいっぱい入れなさい」と言われたので、彼らは口のところまでいっぱいに入れた。
八 そこで彼らに言われた、「さあ、くんで、料理がしらのところに持って行きなさい」。すると、彼らは持って行った。
九 料理がしらは、ぶどう酒になった水をなめてみたが、それがどこからきたのか知らなかったので、(水をくんだ僕たちは知っていた)花婿を呼んで
一〇 言った、「どんな人でも、初めによいぶどう酒を出して、酔いがまわったころにわるいのを出すものだ。それだのに、あなたはよいぶどう酒を今までとっておかれました」。
一一 イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行い、その栄光を現された。そして弟子たちはイエスを信じた。
一二 そののち、イエスは、その母、兄弟たち、弟子たちと一緒に、カペナウムに下って、幾日かそこにとどまられた。
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