四つの福音書による一つのイエス物語18
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
*
018
*
イエス強く賢く育つ
*
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
2;40〜52
第二章四〇〜五二節
*
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第二章
四十 其子や成長して精~强健に知慧みち~の恩寵その上に臨り
四一 その兩親每年に逾越の筵にエルサレムに往しが
四二 彼の十二歲の時また筵の例に循ひエルサレムに上れり
四三 筵の日卒て返往けるに其子イエス エルサレムに留りぬ然るにヨセフと母これを知ず
四四 同行人の中に在ならんと意ひ一日程を行て親戚知音のに尋しが
四五 遇ざりければ彼を尋てエルサレムに返り
四六 三日ののち殿にて遇かれ師の中に坐し且聽かつ問ゐたり
四七 聞みな其知慧と其應對とを奇とせり
四八 兩親これを見て駭き母かれに曰けるは子よ何ぞ我に如此行たるや爾の父と我と憂て爾を尋たり
四九 イエス答けるは何故われを尋るや我は我父の事を務べきを知ざる乎
五十 然ど兩親は其語る事を曉ず
五一 イエスこれと共に下りナザレに歸て彼等に順ひ居り其母これらの凡の事を心に藏ぬ
五二 イエス知慧も齡も彌揩~と人とにu愛せられたり
*
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第二章
 幼兒は漸に成長して健かになり、智慧みち、かつ~の惠その上にありき。
四一 斯てその兩親、過越の祭には年每にエルサレムに往きぬ。
四二 イエスの十二歲のとき、祭の慣例に遵ひて上りゆき、
四三 祭の日終りて歸る時、その子イエスはエルサレムに止りたまふ。兩親は之を知らずして、
四四 道伴のうちに居るならんと思ひ、一日路ゆきて、親族知邊のうちを尋ぬれど、
四五 遇はぬに因りて復たづねつつエルサレムに歸り、
四六 三日ののち、宮にてヘ師のなかに坐し、かつ聽き、かつ問ひゐ給ふに遇ふ。
四七 聞くは皆その聰と答とを怪しむ。
四八 兩親イエスを見て、いたく驚き、母は言ふ『兒よ、何故かかる事を我らに爲しぞ、よ、汝の父と我と憂ひて尋ねたり』
四九 イエス言ひたまふ『何故われを尋ねたるか、我はわが父の家に居るべきを知らぬか』
 兩親はその語りたまふ事を悟らず。
五一 斯てイエス彼等とともに下り、ナザレに往きて順ひ事へたまふ。其の母これらの事をことごとく心に藏む。
五二 イエス智慧も身のたけも彌揩~と人とにますます愛せられ給ふ。
*
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第二章
四〇 幼な子は、ますます成長して強くなり、知恵に満ち、そして神の恵みがその上にあった。
四一 さて、イエスの両親は、過越の祭には毎年エルサレムへ上っていた。
四二 イエスが十二歳になった時も、慣例に従って祭のために上京した。
四三 ところが、祭が終って帰るとき、少年イエスはエルサレムに居残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。
四四 そして道連れの中にいることと思いこんで、一日路を行ってしまい、それから、親族や知人の中を捜しはじめたが、
四五 見つからないので、捜しまわりながらエルサレムへ引返した。
四六 そして三日の後に、イエスが宮の中で教師たちのまん中にすわって、彼らの話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。
四七 聞く人々はみな、イエスの賢さやその答に驚嘆していた。
四八 両親はこれを見て驚き、そして母が彼に言った、「どうしてこんな事をしてくれたのです。ごらんなさい、おとう様もわたしも心配して、あなたを捜していたのです」。
四九 するとイエスは言われた、「どうしてお捜しになったのですか。わたしが自分の父の家にいるはずのことを、ご存じなかったのですか」。
五〇 しかし、両親はその語られた言葉を悟ることができなかった。
五一 それからイエスは両親と一緒にナザレに下って行き、彼らにお仕えになった。母はこれらの事をみな心に留めていた。
五二 イエスはますます知恵が加わり、背たけも伸び、そして神と人から愛された。
Office Murakami