四つの福音書による一つのイエス物語17
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
*
017
*
ナザレに帰る
*
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
2;19〜23 2;39
第二章一九〜二三節 第二章三九節
*
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第二章
十九 斯てヘロデ死しかば主の使ヨセフの夢にエジプトにて現れ曰けるは
二十 起て兒とその母とをへイスラエルの地にゆけ兒の生命を索るは已に死り
二一 彼おきて兒と其母とをへてイスラエルの地に至しが
二二 アケラヲ父ヘロデに代てユダヤの王たりと聞ければ彼處に往ことを懼る又夢にを蒙りてガリラヤのに避
二三 ナザレと云る邑に至りて居り彼はナザレ人と稱れんと預言に託て云れたる言に應せん爲なり
路加傳iケ書第二章
三九 主の律法に循ひて悉く竟ければガリラヤの己が邑ナザレに歸たり
*
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第二章
一九 ヘロデ死にてのち、よ、主の使、夢にてエジプトなるヨセフに現れて言ふ、
 『起きて、幼兒とその母とを携へ、イスラエルの地にゆけ。幼兒の生命を索めしどもは死にたり』
二一 ヨセフ起きて、幼兒とその母とを携へ、イスラエルの地に到りしに、
二二 アケラオその父ヘロデに代りて、ユダヤを治むと聞き、彼處に往くことを恐る。また夢にて御を蒙り、ガリラヤの地方に退き、
二三 ナザレといふ町に到りて住みたり。これは預言たちに由りて、彼はナザレ人と呼れん、と云はれたる言の成就せん爲なり。
ルカ傳iケ書第二章
三九 さて主の律法に遵ひて、凡ての事を果したれば、ガリラヤに歸り、己が町ナザレに到れり。
*
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第二章
一九 さて、ヘロデが死んだのち、見よ、主の使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて言った、
二〇 「立って、幼な子とその母を連れて、イスラエルの地に行け。幼な子の命をねらっていた人々は、死んでしまった」。
二一 そこでヨセフは立って、幼な子とその母とを連れて、イスラエルの地に帰った。
二二 しかし、アケラオがその父ヘロデに代ってユダヤを治めていると聞いたので、そこへ行くことを恐れた。そして夢でみ告げを受けたので、ガリラヤの地方に退き、
二三 ナザレという町に行って住んだ。これは預言者たちによって、「彼はナザレ人と呼ばれるであろう」と言われたことが、成就するためである。
ルカによる福音書第二章
三九 両親は主の律法どおりすべての事をすませたので、ガリラヤへむかい、自分の町ナザレに帰った。
Office Murakami