四つの福音書による一つのイエス物語16
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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016
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ヘロデ幼児を皆殺しにする
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
2;16〜18
第二章一六〜一八節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第二章
十六 是に於てヘロデ博士に欺かれたるをしり大にいかり人を遣して博士に詳く問たる時を度りベテレヘムと其境のなる二歲以下の兒を盡く殺せり
十七 ち預言ヱレミヤの言に
十八 歎き悲み甚く憂る聲ラマに聞ゆラケル其兒子を歎き其兒子の無によりて慰を得ずと云しにし應へり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第二章
一六 爰にヘロデ、博士たちにされたりと悟りて、甚だしく憤ほり、人を遣し、博士たちに由りて詳細にせし時を計り、ベツレヘム及び凡てそり邊の地方なる二歲以下の男の兒をことごとく殺せり。
一七 ここに預言エレミヤによりて言はれたる言は成就したり。曰く、
一八 『聲ラマにありて聞ゆ、慟哭なり、いとどしき悲哀なり。ラケル己が子らを歎き、子等のなき故に慰めらるるを厭ふ』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第二章
一六 さて、ヘロデは博士たちにだまされたと知って、非常に立腹した。そして人々をつかわし、博士たちから確かめた時に基いて、ベツレヘムとその附近の地方とにいる二歳以下の男の子を、ことごとく殺した。
一七 こうして、預言者エレミヤによって言われたことが、成就したのである。
一八 「叫び泣く大いなる悲しみの声が/ラマで聞えた。ラケルはその子らのためになげいた。子らがもはやいないので、慰められることさえ願わなかった」。
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