四つの福音書による一つのイエス物語7
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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007
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マリア神を讃える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
1;46〜56
第一章四六〜五六節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第一章
四六 マリァ曰けるは我心主を崇め
四七 我靈はわが救主なる~を喜ぶ
四八 是その使女の卑微をも眷顧たまふが故なり今よりのち萬世までも我をなると稱べし
四九 それ權能を有たまへるわれに大なる事を成り其名は聖
五十 その矜恤は世かれを畏るゝ者に及ばん
五一 其臂の力を發して心の驕るを散し
五二 權柄あるを位より下し卑賤を擧
五三 飢たるを美食に胞せ富るを徒く返らせ給ふ
五四 アブラハムと其子孫を窮なく憐むことを忘ずして
五五 其僕イスラエルを扶持たまへり是われらの先に言たまひしが如なり
五六 マリア エリサベツと居しこと三ケ月ばかりにて己が家に歸たりき
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第一章
四六 マリヤ言ふ『わが心、主を崇め、
四七 わが靈は、わが救主なる~を喜び奉る。
四八 その婢女の卑しきをも顧み給へばなり。よ、今よりのち萬世の人、われを幸とせん。
四九 全能、われに大なる事を爲し給へばなり。その御名は聖なり、
 その憐憫は代、畏み恐るるに臨むなり。
五一 ~は御腕にて、權力をあらはし、心の念に高ぶるを散らし、
五二 權勢あるを座位より下し、卑しきを高うし、
五三 飢ゑたるを善きものに飽かせ、富めるを空しく去らせ給ふ。
五四 また我らの先げ給ひし如く、
五五 アブラハムと、その裔とに對する憐憫を、永遠に忘れじとて、僕イスラエルを助け給へり』
五六 斯てマリヤは、三月ばかりエリサベツと偕に居りて、己が家に歸れり。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第一章
四六 するとマリヤは言った、「わたしの魂は主をあがめ、
四七 わたしの霊は救主なる神をたたえます。
四八 この卑しい女をさえ、心にかけてくださいました。今からのち代々の人々は、わたしをさいわいな女と言うでしょう、
四九 力あるかたが、わたしに大きな事をしてくださったからです。そのみ名はきよく、
五〇 そのあわれみは、代々限りなく/主をかしこみ恐れる者に及びます。
五一 主はみ腕をもって力をふるい、心の思いのおごり高ぶる者を追い散らし、
五二 権力ある者を王座から引きおろし、卑しい者を引き上げ、
五三 飢えている者を良いもので飽かせ、富んでいる者を空腹のまま帰らせなさいます。
五四 主は、あわれみをお忘れにならず、その僕イスラエルを助けてくださいました、
五五 わたしたちの父祖アブラハムとその子孫とを/とこしえにあわれむと約束なさったとおりに」。
五六 マリヤは、エリサベツのところに三か月ほど滞在してから、家に帰った。
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