四つの福音書による一つのイエス物語6
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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006
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マリアがエリサベトを訪れる
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
1;39〜45
第一章三九〜四五節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第一章
三九 當時マリア起てかに山地なるユダの邑に往
四十 ザカリヤの家に入てエリサベツに問安したりしに
四一 エリサベツ マリアの問安を聞しかば其胎孕腹の內にて跳動たりエリサベツ聖靈に感され
四二 大聲に呼いひけるは女の中にて爾はなるなり亦孕る所のなり
四三 わが主の母われに來われ何に由てか此事を得し
四四 夫なんぢの問安の聲わが耳に入しとき胎孕よろこびて我腹の中に跳れり
四五 主の言を信ぜしなり蓋主の語たまひし如く必ず成べければ也
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第一章
三九 その頃マリヤ立ちて、山里に急ぎ往き、ユダの町にいたり、
 ザカリヤの家に入りてエリサベツに挨拶せしに、
四一 エリサベツ、その挨拶を聞くや、兒は胎內にて躍れり。エリサベツ聖靈にて滿され、
四二 聲高らかに呼はりて言ふ『をんなの中にて汝はせられ、その胎の實もまたせられたり。
四三 わが主の母われに來る、われ何によりてか之を得し。
四四 よ、なんぢの挨拶の聲、わが耳に入るや、我が兒、胎內にて喜びをどれり。
四五 信ぜしは幸なるかな、主の語り給ふことは必ず成就すべければなり』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第一章
三九 そのころ、マリヤは立って、大急ぎで山里へむかいユダの町に行き、
四〇 ザカリヤの家にはいってエリサベツにあいさつした。
四一 エリサベツがマリヤのあいさつを聞いたとき、その子が胎内でおどった。エリサベツは聖霊に満たされ、
四二 声高く叫んで言った、「あなたは女の中で祝福されたかた、あなたの胎の実も祝福されています。
四三 主の母上がわたしのところにきてくださるとは、なんという光栄でしょう。
四四 ごらんなさい。あなたのあいさつの声がわたしの耳にはいったとき、子供が胎内で喜びおどりました。
四五 主のお語りになったことが必ず成就すると信じた女は、なんとさいわいなことでしょう」。
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