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トーラ1-12部(創世記1-50章)を資料説に従って色分けしてみました |
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ヘブライ語聖典トーラ(律法)が旧約聖書の「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」(モーセ5書)になりました |
トーラ54部のうち1-12部が旧約聖書の創世記1-50章になりました |
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トーラ(モーセ五書)は「ヤㇵウェスト資料」「エロヒスト資料」「申命記作家資料」「祭司資料」など複数の資料から成っているとう説があります |
ヘブライ語原典で神の名יהוה(ヤㇵウェㇵ)を用いる「ヤㇵウェスト資料」 |
ヘブライ語原典で神の名אלהים(エロヒーム)を用いる「エロヒスト資料」 |
申命記を中心とした「申命記作家資料」と申命記作家による加筆 |
祭司たちが書き記した「祭司資料」と祭司たちによる加筆 |
この四つの資料の成り立ち順は「ヤㇵウェスト資料」→「エロヒスト資料」→「申命記作家資料」→「祭司資料」 |
四つの資料を組み合わせて更に資料の間をつなぐため筆を加えてトーラ(モーセ五書)はできたと言われています |
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ここではトーラ1-12部、つまり創世記1-50章の日本語訳を資料説に従って上記の色に色分けしてみました |
日本語訳は英国聖書會社「舊約全書」(明治三十九年発行)と日本聖書協會「舊約聖書」(大正六年)によりました(文語訳) |
二つとも本文は同じです(書名は「出埃及記→出エジプト記」「利未記→レビ記」と変わります) |
日本語訳本文は漢字・送り仮名とも明治・大正時代そのままの形を復刻できるように努めました |
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トーラ(律法) |
旧約聖書 |
日本語訳本文(明治・大正訳ではיהוהをエホバと訳しאלהיםを~と訳しています) |
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トーラ1部 |
創世記 |
第一章 |
一 元始に~天地を創造たまへり |
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二 地は定形なく曠空くしてK暗淵の面にあり~の靈水の面を覆たりき |
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三 ~光あれと言たまひければ光ありき |
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四 ~光を善と觀たまへり~光と暗を分ちたまへり |
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五 ~光を晝と名け暗を夜と名けたまへり夕あり朝ありき是首の日なり |
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六 ~言たまひけるは水の中に穹蒼ありて水と水とを分つべし |
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七 ~穹蒼を作りて穹蒼の下の水と穹蒼の上の水とを判ちたまへり即ち斯なりぬ |
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八 ~穹蒼を天と名けたまへり夕あり朝ありき是二日なり |
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九 ~言たまひけるは天の下の水は一處に集りて乾ける土顯べしと即ち斯なりぬ |
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一〇 ~乾ける土を地と名け水の集合るを海と名けたまへり~之を善と觀たまへり |
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一一 ~言たまひけるは地は草と實蓏を生ずる草蔬と其類に從ひ果を結びみづから核をもつ所の果を結ぶ樹を地に發出すべしと即ち斯なりぬ |
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一二 地草と其類に從ひ實蓏を生ずる草蔬と其類に從ひ果を結てみづから核をもつ所の樹を發出せり~これを善と觀たまへり |
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一三 夕あり朝ありき是三日なり |
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一四 ~言たまひけるは天の穹蒼に光明ありて晝と夜とを分ち又天象のため時節のため日のため年のために成べし |
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一五 又天の穹蒼にありて地を照す光となるべしと即ち斯なりぬ |
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一六 ~二の巨なる光を造り大なる光に晝を司どらしめ小き光に夜を司どらしめたまふまた星を造りたまへり |
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一七 ~これを天の穹蒼に置て地を照さしめ |
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一八 晝と夜を司どらしめ光と暗を分たしめたまふ~これを善と觀たまへり |
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一九 夕あり朝ありき是四日なり |
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二〇 ~云たまひけるは水には生物饒に生じ鳥は天の穹蒼の面に地の上に飛べしと |
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二一 ~巨なる魚と水に饒に生じて動くゥの生物を其類に從ひて創造り又翼あるゥの鳥を其類に從ひて創造りたまへり~之を善と觀たまへり |
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二二 ~之を祝して曰く生よ繁息よ海の水に充牣よ又禽鳥は地に蕃息よと |
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二三 夕あり朝ありき是五日なり |
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二四 ~言給けるは地は生物を其類に從て出し家畜と昆蟲と地の獸を其類に從て出すべしと即ち斯なりぬ |
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二五 ~地の獸を其類に從て造り家畜を其類に從て造り地のゥの昆蟲を其類に從て造り給へり~之を善と觀給へり |
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二六 ~言給けるは我儕に象て我儕の像の如くに我儕人を造り之に海の魚と天空の鳥と家畜と全地と地に匍ふ所のゥの昆蟲を治めんと |
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二七 ~其像の如くに人を創造たまへり即ち~の像の如くに之を創造之を男と女に創造たまへり |
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二八 ~彼等を祝し~彼等に言たまひけるは生よ繁殖よ地に滿盈よ之を服從せよ又海の魚と天空の鳥と地に動く所のゥの生物を治めよ |
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二九 ~言たまひけるは視よ我全地の面にある實蓏のなるゥの草蔬と核ある木果の結るゥの樹とを汝等に與ふこれは汝らの糧となるべし |
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三〇 又地のゥの獸と天空のゥの鳥および地に匍ふゥの物等凡そ生命ある者には我食物としてゥのき草を與ふと即ち斯なりぬ |
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三一 ~其造りたるゥの物を視たまひけるに甚だ善りき夕あり朝ありき是六日なり |
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創世記 |
第二章 |
一 斯天地および其衆群悉く成ぬ |
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二 第七日に~其造りたる工を竣たまへり即ち其造りたる工を竣て七日に安息たまへり |
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三 ~七日を祝して之を~聖めたまへり其は~其創造爲たまへる工を盡く竣て是日に安息みたまひたればなり |
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四 ヱホバ~地と天を造りたまへる日に天地の創造られたる其由來は是なり |
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五 野のゥの灌木は未だ地にあらず野のゥの草蔬は未生ぜざりき其はヱホバ~雨を地に降せたまはず亦土地を耕す人なかりければなり |
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六 霧地より上りて土地の面を遍く潤したり |
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七 ヱホバ~土の塵を以て人を造り生氣を其鼻に噓入たまへり人即ち生靈となりぬ |
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八 ヱホバ~エデンの東の方に園を設て其造りし人を其處に置たまへり |
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九 ヱホバ~觀に美麗く食ふに善き各種の樹を土地より生ぜしめ又園の中に生命の樹および善悪を知の樹を生ぜしめ給へり |
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一〇 河エデンより出て園を潤し彼處より分れて四の源となれり |
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一一 其第一の名はピソンといふ是は金あるハビラの全地を繞る者なり |
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一二 其地の金は善し又ブドラクと碧玉彼處にあり |
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一三 第二の河の名はギホンといふ是はクシの全地を繞る者なり |
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一四 第三の河の名はヒデケルといふ是はアッスリヤの東に流るゝものなり第四の河はユフラテなり |
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一五 ヱホバ~其人を挈て彼をエデンの園に置き之を理め之を守らしめ給へり |
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一六 ヱホバ~其人に命じて言たまひけるは園の各種の樹の果は汝意のまゝに食ふことを得 |
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一七 然ど善惡を知の樹は汝その果を食ふべからず汝之を食ふ日には必ず死べければなり |
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一八 ヱホバ~言たまひけるは人獨なるは善らず我彼に適ふ助者を彼のために造らんと |
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一九 ヱホバ~土を以て野のゥの獸と天空のゥの鳥を造りたまひてアダムの之を何と名るかを見んとて之を彼の所に率ゐいたりたまへりアダムが生物に名けたる所は皆其名となりぬ |
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二〇 アダムゥの家畜と天空の鳥と野のゥの獸に名を與へたり然どアダムには之に適ふ助者みえざりき |
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二一 是に於てヱホバ~アダムを熟く睡らしめ睡りし時其肋骨の一を取り肉をもて其處を塡塞たまへり |
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二二 ヱホバ~アダムより取たる肋骨を以て女を成り之をアダムの所に携きたりたまへり |
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二三 アダム言けるは此こそわが骨の骨わが肉の肉なれ此は男より取たる者なれば之を女と名くべしと |
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二四 是故に人は其父母を離れて其妻に好合ひ二人一體となるべし |
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二五 アダムと其妻は二人俱に裸體にして愧ざりき |
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創世記 |
第三章 |
一 ヱホバ~の造りたまひし野の生物の中に蛇最も狡猾し蛇婦に言ひけるは~眞に汝等園のゥの樹の果は食ふべからずと言たまひしや |
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二 婦蛇に言けるは我等園の樹の果を食ふことを得 |
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三 然ど園の中央に在樹の果實をば~汝等之を食べからず又之に捫るべからず恐は汝等死んと言給へり |
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四 蛇婦に言けるは汝等必らず死る事あらじ |
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五 ~汝等が之を食ふ日には汝等の目開け汝等~の如くなりて善惡を知に至るを知りたまふなりと |
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六 婦樹を見ば食に善く目に美麗しく且智慧からんが爲に慕はしき樹なるによりて遂に其果實を取て食ひ亦之を己と偕なる夫に與へければ彼食へり |
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七 是において彼等の目俱に開て彼等其裸體なるを知り乃ち無花果樹の葉を綴て裳を作れり |
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八 彼等園の中に日のC凉き時分歩みたまふヱホバ~の聲を聞しかばアダムと其妻即ちヱホバ~の面を避て園の樹の間に身を匿せり |
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九 ヱホバ~アダムを召て之に言たまひけるは汝は何處にをるや |
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一〇 彼いひけるは我園の中に汝の聲を聞き裸體なるにより懼れて身を匿せりと |
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一一 ヱホバ言たまひけるは誰が汝の裸なるを汝に吿しや汝は我が汝に食ふなかれと命じたる樹の果を食ひたりしや |
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一二 アダム言けるは汝が與て我と偕ならしめたまひし婦彼其樹の果實を我にあたへたれば我食へりと |
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一三 ヱホバ~婦に言たまひけるは汝がなしたる此事は何ぞや婦言けるに蛇我を誘惑して我食へりと |
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一四 ヱホバ~蛇に言たまひけるは汝是を爲たるに因て汝はゥの家畜と野のゥの獸よりも勝りて詛はる汝は腹行て一生の間塵を食ふべし |
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一五 又我汝と婦の間および汝の苗裔と婦の苗裔の間に怨恨を置ん彼は汝の頭を碎き汝は彼の踵を碎かん |
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一六 又婦に言たまひけるは我大に汝の懷妊の劬勞を揩キべし汝は苦みて子を產ん又汝は夫をしたひ彼は汝を治めん |
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一七 又アダムに言たまひけるは汝その妻の言を聽て我が汝に命じて食ふべからずと言たる樹の果を食ひしに緣て土は汝のために詛はる汝は一生のあひだ勞苦て其より食を得ん |
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一八 土は荊棘と薊とを汝のために生ずべしまた汝は野の草蔬を食ふべし |
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一九 汝は面に汗して食物を食ひ終に土に歸らん其は其中より汝は取れたればなり汝は塵なれば塵に皈るべきなりと |
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二〇 アダム其妻の名をエバと名けたり其は彼は群の生物の母なればなり |
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二一 ヱホバ~アダムと其妻のために皮衣を作りて彼等に衣せたまへり |
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二二 ヱホバ~曰たまひけるは視よ夫人我等の一の如くなりて善惡を知る然ば恐くは彼其手を舒べ生命の樹の果實をも取りて食ひ無限生んと |
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二三 ヱホバ~彼をエデンの園よりいだし其取て造られたるところの土を耕さしめたまへり |
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二四 斯~其人を逐出しエデンの園の東にケルビムと自から旋轉る焰の劍を置て生命の樹の途を保守りたまふ |
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創世記 |
第四章 |
一 アダム其妻エバを知る彼孕みてカインを生みて言けるは我ヱホバによりて一個の人を得たりと |
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二 彼また其弟アベルを生りアベルは羊を牧ふ者力インは土を耕す者なりき |
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三 日を經て後カイン土より出る果を携來りてヱホバに供物となせり |
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四 アベルもまた其羊の初生と其肥たるものを携來れりヱホバ、アベルと其供物を眷顧みたまひしかども |
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五 カインと其供物をば眷み給はざりしかば力イン甚怒り且其面をふせたり |
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六 ヱホバ、カインに言たまひけるは汝何ぞ怒るや何ぞ面をふするや |
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七 汝若善を行はゞ擧ることをえざらんや若善を行はずば罪門戸に伏す彼は汝を慕ひ汝は彼を治めん |
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八 カイン其弟アベルに語りぬ彼等野にをりける時カイン其弟アベルに起かゝりて之を殺せり |
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九 ヱホバ、力インに言たまひけるは汝の弟アべルは何處にをるや彼言ふ我しらず我あに我弟の守者ならんやと |
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一〇 ヱホバ言たまひけるは汝何をなしたるや汝の弟の血の聲地より我に叫べり |
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一一 されば汝は詛れて此地を離るべし此地其口を啓きて汝の弟の血を汝の手より受たればなり |
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一二 汝地を耕すとも地は再其カを汝に效さじ汝は地に吟行ふ流離子となるべしと |
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一三 カイン、エホバに言けるは我が罪は大にして負ふこと能はず |
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一四 視よ汝今日斯地の面より我を逐出したまふ我汝の面を覿ることなきにいたらん我地に吟行ふ流離子とならん凡そ我に遇ふ者我を殺さん |
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一五 ヱホバ彼に言たまひけるは然らず凡そカインを殺す者は七倍の罰を受んとヱホバ、カインに遇ふ者の彼を擊ざるため印誌を彼に與へたまへり |
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一六 カイン、ヱホバの前を離て出でエデンの東なるノドの地に住り |
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一七 カイン其妻を知る彼孕みエノクを生りカイン邑を建て其邑の名を其子の名に循ひてエノクと名けたり |
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一八 エノクにイラデ生れたりイラデ、メホヤエルを生みメホヤエル、メトサエルを生みメトサエル、レメクを生り |
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一九 レメク二人の妻を娶れり一の名はアダと曰ひ一の名はチラと曰り |
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二〇 アダ、ヤバルを生めり彼は天幕に住て家畜を牧ふ所の者の先祖なり |
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二一 其弟の名はユバルと云ふ彼は琴と笛とをとる凡ての者の先祖なり |
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二二 亦チラ、トバルカインを生り彼は銅と鐡のゥの刃物を鍛ふ者なりトバルカインの妹をナアマといふ |
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二三 レメク其妻等に言けるはアダとチラよ我聲を聽けレメクの妻等よわが言を容よ我わが創傷のために人を殺すわが痍のために少年を殺す |
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二四 カインのために七倍の罰あればレメクのためには七十七倍の罰あらん |
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二五 アダム復其妻を知て彼男子を生み其名をセツと名けたり其は彼~我にカインの殺したるアベルのかはりに他の子を與へたまへりといひたればなり |
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二六 セツにもまた男子生れたりかれ其名をエノスと名けたり此時人々エホバの名を呼ことをはじめたり |
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創世記 |
第五章 |
一 アダムの傳の書は是なり~人を創造りたまひし日に~に象て之を造りたまひ |
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二 彼等を男女に造りたまへり彼等の創造られし日に~彼等を祝してかれらの名をアダムと名けたまへり |
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三 アダム百三十歲に及びて其像に循ひ己に象て子を生み其名をセツと名けたり |
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四 アダムのセツを生し後の齡は八百歲にして男子女子を生り |
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五 アダムの生存へたる齡はキ合九百三十歲なりき而して死り |
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六 セツ百五歲に及びてエノスを生り |
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七 セツ、エノスを生し後八百七年生存へて男子女子を生り |
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八 セツの齡はキ合九百十二歲なりき而して死り |
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九 エノス九十歲におよびてカイナンを生り |
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一〇 エノス、カイナンを生し後八百十五年生存へて男子女子を生り |
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一一 エノスの齡はキ合九百五歲なりき而して死り |
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一二 カイナン七十歲におよびてマハラレルを生り |
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一三 カイナン、マハラレルを生し後八百四十年生存へて男子女子を生り |
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一四 カイナンの齡はキ合九百十歲なりきしかして死り |
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一五 マハラレル六十五歲に及びてヤレドを生り |
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一六 マハラレル、ヤレドを生し後八百三十年生存へて男子女子を生り |
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一七 マハラレルの齡はキ合八百九十五歲なりき而して死り |
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一八 ヤレド百六十二歲に及びてエノクを生り |
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一九 ヤレド、エノクを生し後八百年生存へて男子女子を生り |
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二〇 ヤレドの齡はキ合九百六十二歲なりき而して死り |
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二一 エノク六十五歲に及びてメトセラを生り |
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二二 エノク、メトセラを生し後三百年~とともに歩み男子女子を生り |
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二三 エノクの齡はキ合三百六十五歲なりき |
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二四 エノク~と偕に歩みしが~かれを取りたまひければをらずなりき |
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二五 メトセラ百八十七歲におよびてレメクを生り |
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二六 メトセラ、レメクを生しのち七百八十二年生存へて男子女子を生り |
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二七 メトセラの齡はキ合九百六十九歲なりき而して死り |
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二八 レメク百八十二歲に及びて男子を生み |
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二九 其名をノアと名けて言けるは此子はヱホバの詛ひたまひし地に由れる我操作と我勞苦とに就て我らを慰めん |
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三〇 レメク、ノアを生し後五百九十五年生存へて男子女子を生り |
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三一 レメクの齡はキ合七百七十七歲なりき而して死り |
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三二 ノア五百歲なりきノア、セム、ハム、ヤペテを生り |
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創世記 |
第六章 |
一 人地の面に繁衍はじまりて女子之に生るゝに及べる時 |
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二 ~の子等人の女子の美しきを見て其好む所の者を取て妻となせり |
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三 ヱホバいひたまひけるは我靈永く人と爭はじ其は彼も肉なればなり然ど彼の日は百二十年なるべし |
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四 當時地にネピリムありき亦其後~の子輩人の女の所に入りて子女を生しめたりしが其等も勇士にして古昔の名聲ある人なりき |
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五 ヱホバ人の惡の地に大なると其心の思念のキて圖維る所の恒に惟惡きのみなるを見たまへり |
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六 是に於てヱホバ地の上に人を造りしことを悔いて心こ憂へたまへり |
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七 ヱホバ言たまひけるは我が創造りし人を我地の面より拭去ん人より獸昆蟲天空の鳥にいたるまでほろぼさん其は我之を造りしことを悔ればなりと |
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八 されどノアはヱホバの目のまへに恩を得たり |
トーラ2部 |
九 ノアの傳は是なりノアは義人にして其世の完全き者なりきノア~と偕に歩めり |
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一〇 ノアはセム、ハム、ヤペテの三人の子を生り |
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一一 時に世~のまへに亂れて暴虐世に滿盈ちたりき |
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一二 ~世を視たまひけるに視よ亂れたり其は世の人皆其道をみだしたればなり |
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一三 ~ノアに言たまひけるはゥの人の末期わが前に近づけり其は彼等のために暴虐世にみつればなり視よ我彼等を世とともに剪滅さん |
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一四 汝松木をもて汝のために方舟を造り方舟の中に房を作り瀝をもて其內外を塗るべし |
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一五 汝かく之を作るべし即ち其方舟の長は三百キユビト其濶は五十キユビト其高は三十キユビト |
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一六 又方舟に導光牖を作り上一キユビトに之を作り終べし又方舟の戸は其傍に設くべし下牀と二階と三階とに之を作るべし |
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一七 視よ我洪水を地に起して凡て生命の氣息ある肉なる者を天下より剪滅し絕ん地にをる者は皆死ぬべし |
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一八 然ど汝とは我わが契約をたてん汝は汝の子等と汝の妻および汝の子等の妻とともに其方舟に入るべし |
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一九 又ゥの生物總て肉なる者をば汝各其二を方舟に挈へいりて汝とともに其生命を保たしむべし其等は牝牡なるべし |
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二〇 鳥其類に從ひ獸其類に從ひ地のゥの昆蟲其類に從ひて各二汝の所に至りて其生命を保つべし |
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二一 汝食はるゝゥの食品を汝の許に取て之を汝の所に集むべし是即ち汝と是等の物の食品となるべし |
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二二 ノア是爲しキて~の己に命じたまひしごとく然爲せり |
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創世記 |
第七章 |
一 エホバ、ノアに言たまひけるは汝と汝の家皆方舟に入べし我汝がこの世の人の中にてわが前に義を視たればなり |
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二 ゥの潔き獸を牝牡七宛汝の許に取り潔らぬ獸を牝牡二 |
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三 亦天空の鳥を雌雄七宛取て種を全地の面に生のこらしむべし |
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四 今七日ありて我四十日四十夜地に雨ふらしめ我造りたる萬有を地の面より拭去ん |
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五 ノア、ヱホバの凡て己に命じたまひし如くなせり |
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六 地に洪水ありける時にノア六百歲なりき |
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七 ノア其子等と其妻および其子等の妻と俱に洪水を避て方舟にいりぬ |
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八 潔き獸と潔らざる獸と鳥および地に匍ふゥの物 |
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九 牝牡二宛ノアに來りて方舟にいりぬ~のノアに命じたまへるが如し |
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一〇 かくて七日の後洪水地に臨めり |
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一一 ノアの齡の六百歲の二月即ち其月の十七日に當り此日に大淵の源皆潰れ天の戸開けて |
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一二 雨四十日四十夜地に注げり |
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一三 此日にノアとノアの子セム、ハム、ヤペテおよびノアの妻と其子等の三人の妻ゥ俱に方舟にいりぬ |
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一四 彼等およびゥの獸其類に從ひゥの家畜其類に從ひキて地に匍ふ昆蟲其類に從ひゥの禽即ち各樣の類の鳥皆其類に從ひて入りぬ |
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一五 即ち生命の氣息あるゥの肉なる者二宛ノアに來りて方舟にいりぬ |
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一六 入たる者はゥの肉なる者の牝牡にして皆いりぬ~の彼に命じたまへるが如しヱホバ乃ち彼を閉置たまへり |
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一七 洪水四十日地にありき是において水揩オ方舟を浮めて方舟地の上に高くあがれり |
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一八 而して水瀰漫りて大に地に揩オぬ方舟は水の面に漂へり |
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一九 水甚大に地に瀰漫りければ天下の高山皆おほはれたり |
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二〇 水はびこりて十五キユビトに上りければ山々おほはれたり |
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二一 凡そ地に動く肉なる者鳥家畜獸地に匍ふゥの昆蟲および人皆死り |
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二二 即ち凡そ其鼻に生命の氣息のかよふ者郡て乾土にある者は死り |
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二三 斯地の表面にある萬有を人より家畜昆蟲天空の鳥にいたるまで盡く拭去たまへり是等は地より拭去れたり唯ノアおよび彼とともに方舟にありし者のみ存れり |
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二四 水百五十日のあひだ地にはびこりぬ |
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創世記 |
第八章 |
一 ~ノアおよび彼とともに方舟にあるゥの生物とゥの家畜を眷念ひたまひて~乃ち風を地の上に吹しめたまひければ水减りたり |
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二 亦淵の源と天の戸閉塞りて天よりの雨止ぬ |
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三 是に於て水次第に地より退き百五十日を經てのち水减り |
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四 方舟は七月に至り其月の十七日にアララテの山に止りぬ |
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五 水次第に减て十月に至りしが十月の月朔に山々の巓現れたり |
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六 四十日を經てのちノア其方舟に作りし窓を啓て |
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七 鴉を放出ちけるが水の地に涸るまで往來しをれり |
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八 彼地の面より水の减少しかを見んとて亦鴿を放出いだしけるが |
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九 鴿其足の跖を止べき處を得ずして彼に還りて方舟に至れり其は水全地の面にありたればなり彼乃ち其手を舒て之を執へ方舟の中におのれの所に接入たり |
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一〇 尙又七日待て再び鴿を方舟より放出ちけるが |
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一一 鴿暮におよびて彼に還れり視よ其口に橄欖の新葉ありき是に於てノア地より水の减少しをしれり |
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一二 尙又七日まちて鴿を放出ちけるが再び彼の所に歸らざりき |
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一三 六百一年の一月の月朔に水地に涸たりノア乃ち方舟の葢を撤きて視しに視よ土の面は燥てありぬ |
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一四 二月の二十七日に至りて地乾きたり |
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一五 爰に~ノアに語りて言給はく |
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一六 汝および汝の妻と汝の子等と汝の子等の妻ともに方舟を出べし |
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一七 汝とともにあるゥの肉なるゥの生物ゥの肉なる者即ち鳥家畜および地に匍ふゥの昆蟲を率いでよ此等は地に饒く生育地の上に生且殖揩キべし |
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一八 ノアと其子等と共妻および其子等の妻ともに出たり |
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一九 ゥの獸ゥの昆蟲およびゥの鳥等凡そ地に動く者種類に從ひて方舟より出たり |
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二〇 ノア、ヱホバのために壇を築きゥの潔き獸とゥの潔き鳥を取て燔祭を壇の上に献げたり |
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二一 エホバ其馨き香を聞ぎたまひてヱホバ其意に謂たまひけるは我再び人の故に因て地を詛ふことをせじ其は人の心の圖維るところ其幼少時よりして惡かればなり又我曾て爲たる如く再びゥの生る物を擊ち滅さじ |
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二二 地のあらん限りは播種時、収穫時、寒熱夏冬および日と夜息ことあらじ |
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創世記 |
第九章 |
一 ~ノアと其子等を祝して之に曰たまひけるは生よ攝Bよ地に滿よ |
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二 地のゥの獸畜天空のゥの鳥地に匍ふゥの物海のゥの魚汝等を畏れ汝等に懾かん是等は汝等の手に與へらる |
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三 凡そ生る動物は汝等の食となるべし菜蔬のごとく我之を皆汝等に與ふ |
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四 然ど肉を其生命なる其血のまゝに食ふべからず |
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五 汝等の生命の血を流すをば我必ず討さん獸之をなすも人これを爲すも我討さん凡そ人の兄弟人の生命を取ば我討すべし |
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六 凡そ人の血を流す者は人其血を流さん其は~の像のごとくに人を造りたまひたればなり |
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七 汝等生よ攝Bよ地に饒くなりて其中に攝Bよ |
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八 ~ノアおよび彼と偕にある其子等に吿て言たまひけるは |
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九 見よ我汝等と汝等の後の子孫 |
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一〇 および汝等と偕なるゥの生物即ち汝等とともなる鳥家畜および地のゥの獸と契約を立んキて方舟より出たる者より地のゥの獸にまで至らん |
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一一 我汝等と契約を立ん總て肉なる者は再び洪水に絕るゝ事あらじ又地を滅す洪水再びあらざるべし |
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一二 ~言たまひけるは我が我と汝等および汝等と偕なるゥの生物の間に世々限りなく爲す所の契約の徵は是なり |
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一三 我わが虹を雲の中に起さん是我と世との間の契約の徵なるべし |
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一四 即ち我雲を地の上に起す時虹雲の中に現るべし |
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一五 我乃ち我と汝等および總て肉なるゥの生物の間のわが契約を記念はん水再びゥの肉なる者を滅す洪水とならじ |
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一六 虹雲の中にあらん我之を觀て~と地にあるキて內なるゥの生物との間なる永遠の契約を記念えん |
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一七 ~ノアに言たまひけるは是は我が我と地にあるゥの肉なる者との間に立たる契約の徵なり |
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一八 ノアの子等の方舟より出たる者はセム、ハム、ヤペテなりきハムはカナンの父なり |
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一九 是等はノアの三人の子なり全地の民は是等より出て蔓延れり |
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二〇 爰にノア農夫となりて葡萄園を植ることを始しが |
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二一 葡萄酒を飮て醉天幕の中にありて裸になれり |
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二二 カナンの父ハム其父のかくし所を見て外にありし二人の兄弟に吿たり |
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二三 セムとヤペテ乃ち衣を取て俱に其肩に負け後向に歩みゆきて其父の裸體を覆へり彼等面を背にして其父の裸體を見ざりき |
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二四 ノア酒さめて其若き子の己に爲たる事を知れり |
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二五 是に於て彼言けるはカナン詛はれよ彼は僕輩の僕となりて其兄弟に事へん |
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二六 又いひけるはセムの~ヱホバは讃べきかなカナン彼の僕となるべし |
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二七 ~ヤペテを大ならしめたまはん彼はセムの天幕に居住はんカナン其僕となるべし |
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二八 ノア洪水の後三百五十年生存へたりノアの齡はキて九百五十年なりき而して死り |
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二九 (*明治・大正訳では二九節なし。現在の訳では二八節を前半と後半に分け後半を二九節にしています) |
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創世記 |
第一〇章 |
一 ノアの子セム、ハム、ヤペテの傳は是なり洪水の後彼等に子等生れたり |
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二 ヤペテの子はゴメル、マゴグ、マデア、ヤワン、トバル、メセク、テラスなり |
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三 ゴメルの子はアシケナズ、リパテ、トガルマなり |
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四 ヤワンの子はヱリンヤ、タルシシ、キツテムおよびドダニムなり |
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五 是等よりゥ國の洲島の民は派分れ出て各其方言と其宗族と其邦國とに循ひて其地に住り |
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六 ハムの子はクシ、ミツライム、フテおよびカナンなり |
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七 クシの子はセバ、ハビラ、サブタ、ラアマ、サブテカなりラアマの子はシバおよびデダンなり |
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八 クシ、ニムロデを生り彼始めて世の權力ある者となれり |
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九 彼はヱホバの前にありて權力ある獵夫なりき是故にヱホバの前にある夫權力ある獵夫ニムロデの如しといふ諺あり |
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一〇 彼の國の起初はシナルの地のバベル、ヱレク、アツカデ、及びカルネなりき |
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一一 其地より彼アツスリヤに出でニネベ、レホポテイリ、カラ |
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一二 およびニネベとカラの間なるレセンを建たり是は大なる城邑なり |
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一三 ミツライム、ルデ族アナミ族レハビ族ナフト族 |
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一四 パテロス族カスル族およびカフトリ族を生りカスル族よりペリシテ族出たり |
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一五 カナン其冡子シドンおよびへテ |
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一六 エブス族アモリ族ギルガシ族 |
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一七 ヒビ族アルキ族セニ族 |
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一八 アルワデ族ゼマリ族ハマテ族を生り後に至りてカナン人の宗族蔓延りぬ |
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一九 カナン人の境はシドンよりゲラルを經てガザに至りソドム、ゴモラ、アデマ、ゼボイムに沿てレシヤにまで及べり |
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二〇 是等はハムの子孫にして其宗族と其方言と其土地と其邦國に随ひて居りぬ |
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二一 セムはエベルの全の子孫の先祖にしてヤペテの兄なり彼にも子女生れたり |
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二二 セムの子はエラム、アシユル、アルパクサデ、ルデ、アラムなり |
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二三 アラムの子はウヅ、ホル、ゲテル、マシなり |
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二四 アルパクサデ、シラを生みシラ、エベルを生り |
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二五 エベルに二人の子生れたり一人の名をペレグ(分れ)といふ其は彼の代に邦國分れたればなり其弟の名をヨクタンと曰ふ |
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二六 ヨクタン、アルモダデ、シヤレフ、ハザルマウテ、ヱラ |
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二七 ハドラム、ウザル、デクラ |
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二八 オバル、アビマエル、シバ |
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二九 オフル、ハビラおよびヨバブを生り是等は皆ヨクタンの子なり |
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三〇 彼等の居住所はメシヤよりして東方の山セパルにまで至れり |
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三一 是等はセムの子孫にして其宗族と其方言と其土地と其邦國とに随ひて居りぬ |
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三二 是等はノアの子の宗族にして其血統と其邦國に随ひて居りぬ洪水の後是等より地の邦國の民は派分れ出たり |
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創世記 |
第一一章 |
一 全地は一の言語一の音のみなりき |
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二 茲に人衆東に移りてシナルの地に平野を得て其處に居住り |
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三 彼等互に言けるは去來甎石を作り之を善く爇んと遂に石の代に甎石を獲灰沙の代に石漆を獲たり |
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四 又曰けるは去來邑と塔とを建て其塔の頂を天にいたらしめん斯して我等名を揚て全地の表面に散ることを免れんと |
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五 ヱホバ降臨りて彼人衆の建る邑と塔とを觀たまへり |
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六 ヱホバ言たまひけるは視よ民は一にして皆一の言語を用ふ今旣に此を爲し始めたり然ば凡て其爲んと圖維る事は禁止め得られざるべし |
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七 去來我等降り彼處にて彼等の言語を淆し互に言語を通ずることを得ざらしめんと |
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八 ヱホバ遂に彼等を彼處より全地の表面に散したまひければ彼等邑を建ることを罷たり |
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九 是故に其名はバベル(淆亂)と呼ばる是はヱホバ彼處に全地の言語を淆したまひしに由てなり彼處よりヱホバ彼等を全地の表に散したまへり |
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一〇 セムの傳は是なりセム百歲にして洪水の後の二年にアルパクサデを生り |
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一一 セム、アルパクサデを生し後五百年生存へて男子女子を生り |
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一二 アルパクサデ三十五歲に及びてシラを生り |
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一三 アルパクサデ、シラを生し後四百三年生存へて男子女子を生り |
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一四 シラ三十歲におよびてエベルを生り |
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一五 シラ、エベルを生し後四百三年生存へて男子女子を生り |
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一六 エベル三十四歲におよびてペレグを生り |
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一七 エベル、ペレグを生し後四百三十年生存へて男子女子を生り |
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一八 ペレグ三十歲におよびてリウを生り |
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一九 ペレグ、リウを生し後二百九年生存へて男子女子を生り |
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二〇 リウ三十二歲におよびてセルグを生り |
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二一 リウ、セルグを生し後二百七年生存へて男子女子を生り |
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二二 セルグ三十年におよびてナホルを生り |
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二三 セルグ、ナホルを生しのち二百年生存へて男子女子を生り |
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二四 ナホル二十九歲に及びてテラを生り |
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二五 ナホル、テラを生し後百十九年生存へて男子女子を生り |
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二六 テラ七十歲に及びてアブラム、ナホルおよびハランを生り |
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二七 テラの傳は是なりテラ、アブラム、ナホルおよびハランを生ハラン、ロトを生り |
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二八 ハランは其父テラに先ちて其生處なるカルデアのウルにて死たり |
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二九 アブラムとナホルと妻を娶れりアブラムの妻の名をサライと云ナホルの妻の名をミルカと云てハランの女なりハランはミルカの父にして亦イスカの父なりき |
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三〇 サライは石女にして子なかりき |
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三一 テラ、カナンの地に往とて其子アブラムとハランの子なる其孫ロト及其子アブラムの妻なる其媳サライをひき挈て俱にカルデアのウルを出たりしがハランに至て其處に住り |
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三二 テラの齡は二百五歲なりきテラはハランにて死り |
トーラ3部 |
創世記 |
第一二章 |
一 爰にヱホバ、アブラムに言たまひけるは汝の國を出で汝の親族に別れ汝の父の家を離れて我が汝に示さん其地に至れ |
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二 我汝を大なる國民と成し汝を祝み汝の名を大ならしめん汝は祉の基となるべし |
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三 我は汝を祝する者を祝し汝を詛ふ者を詛はん天下のゥの宗族汝によりてを獲と |
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四 アブラム乃ちヱホバの自己に言たまひし言に從て出たりロト彼と共に行りアブラムはハランを出たる時七十五歲なりき |
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五 アブラム其妻サライと其弟の子ロトおよび其集めたる總の所有とハランにて獲たる人衆を携へてカナンの地に往んとて出で遂にカナンの地に至れり |
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六 アブラム其地を經過てシケムの處に及びモレの橡樹に至れり其時にカナン人其地に住り |
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七 玆にヱホバ、アブラムに顯現れて我汝の苗裔に此地を與へんといひたまへり彼處にて彼己に顯現れたまひしヱホバに壇を築けり |
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八 彼其處よりベテルの東の山に移りて其天幕を張り西にベテル東にアイありき彼處にて彼ヱホバに壇を築きヱホバの名を龥り |
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九 アブラム尙進て南に遷れり |
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一〇 玆に饑饉其地にありければアブラム、エジプトに寄寓らんとて彼處に下れり其は饑饉其地に甚しかりければなり |
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一一 彼近く來りてエジプトに入んとする時其妻サライに言けるは視よ我汝を觀て美麗き婦人なるを知る |
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一二 是故にエジプト人汝を見る時是は彼の妻なりと言て我を殺さん然ど汝をば生存ん |
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一三 請ふ汝わが妹なりと言へ然ば我汝の故によりて安にしてわが命汝のために生存ん |
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一四 アブラム、エジプトに至りし時エジプト人此婦を見て甚だ美麗となせり |
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一五 またパロの大臣等彼を視て彼をパロの前に譽めければ婦遂にパロの家に召入れられたり |
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一六 是に於てパロ彼のために厚くアブラムを待ひてアブラム遂に羊牛僕婢牝牡の驢馬および駱駝を多く獲るに至れり |
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一七 時にヱホバ、アブラムの妻サライの故によりて大なる災を以てパロと其家を惱したまへり |
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一八 パロ、アブラムを召て言けるは汝が我になしたる此事は何ぞや汝何故に彼が汝の妻なるを我に吿ざりしや |
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一九 汝何故に彼はわが妹なりといひしや我幾彼をわが妻にめとらんとせり然ば汝の妻は此にあり挈去るベしと |
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二〇 パロ即ち彼の事を人々に命じければ彼と其妻および其有るゥの物を送りさらしめたり |
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創世記 |
第一三章 |
一 アブラム其妻および其有るゥの物と俱にエジブトを出て南の地に上れりロト彼と共にありき |
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二 アブラム甚家畜と金銀に富り |
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三 彼南の地より其旅路に進てベテルに至りベテルとアイの間なる其以前に天幕を張たる處に至れり |
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四 即ち彼が初に其處に築きたる壇のある處なり彼處にアブラム、ヱホバの名を龥り |
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五 アブラムと偕に行しロトも羊牛および天幕を有り |
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六 其地は彼等を載て俱に居しむること能はざりき彼等は其所有多かりしに緣て俱に居ることを得ざりしなり |
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七 斯有かばアブラムの家畜の牧者とロトの家畜の牧者の間に競爭ありきカナン人とペリジ人此時其地に居住り |
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八 アブラム、ロトに言けるは我等は兄弟の人なれば請ふ我と汝の間およびわが牧者と汝の牧者の間に競爭あらしむる勿れ |
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九 地は皆爾の前にあるにあらずや請ふ我を離れよ爾若左にゆかば我右にゆかん又爾右にゆかば我左にゆかんと |
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一〇 是に於てロト目を擧てヨルダンの凡ての低地を瞻望みけるにヱホバ、ソドムとゴモラとを滅し給はざりし前なりければゾアルに至るまであまねく善く潤澤ひてヱホバの園の如くエジプトの地の如くなりき |
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一一 ロト乃ちヨルダンの低地を盡く撰とりて東に徙れり斯彼等彼此に別たり |
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一二 アブラムはカナンの地に住り又ロトは低地のゥ邑に住み其天幕を遷してソドムに至れり |
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一三 ソドムの人は惡くしてヱホバの前に大なる罪人なりき |
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一四 ロトのアブラムに別れし後ヱホバ、アブラムに言たまひけるは爾の目を擧て爾の居る處より西東北南を瞻望め |
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一五 凡そ汝が觀る所の地は我之を永く爾と爾の裔に與べし |
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一六 我爾の後裔を地の塵沙の如くなさん若人地の塵沙を數ふることを得ば爾の後裔も數へらるべし |
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一七 爾起て縱に其地を行き巡るべし我之を爾に與へんと |
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一八 アブラム遂に天幕を遷して來りヘブロンのマムレの橡林に住み彼處にてヱホバに壇を築けり |
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創世記 |
第一四章 |
一 當時シナルの王アムラペル、ヱラサルの王アリオク、エラムの王ケダラオメルおよびゴイムの王テダル等 |
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二 ソドムの王ベラ、ゴモラの王ビルシヤ、アデマの王シナブ、ゼボイムの王セメベルおよびベラ(即ち今のゾアル)の王と戰ひをなせり |
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三 是等の五人の王皆結合てシデムの谷に至れり其處は今の鹽海なり |
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四 彼等は十二年ケダラオメルに事へ第十三年に叛けり |
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五 第十四年にケダラオメルおよび彼と偕なる王等來りてアシタロテカルナイムのレパイム人、ハムのズジ人、シヤベキリアタイムのエミ人 |
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六 およびセイル山のホリ人を擊て曠野の傍なるエルパランに至り |
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七 彼等歸りてエンミシパテ(即ち今のカデシ)に至りアマレク人の國を盡く擊又ハザゾンタマルに住るアモリ人を擊り |
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八 爰にソドムの王ゴモラの王アデマの王ゼボイムの王およびベラ(即ち今のゾアル)の王出てシデムの谷にて彼等と戰ひを接たり |
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九 即ち彼五人の王等エラムの王ケダラオメル、ゴイムの王テダル、シナルの王アムラペル、エラサルの王アリオクの四人と戰へり |
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一〇 シデムの谷には地瀝の坑多りしがソドムとゴモラの王等遁て其處に陷りぬ其餘の者は山に遁逃たり |
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一一 是に於て彼等ソドムとゴモラのゥの物と其ゥの食料を取て去れり |
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一二 彼等アブラムの姪ロトと其物を取て去り其は彼ソドムに |
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一三 玆に遁逃者來りてヘブル人アブラムに之を吿たり時にアブラムはアモリ人マムレの橡林に住りマムレはエシコルの兄弟又アネルの兄弟なり是等はアブラムと契約を結べる者なりき |
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一四 アブラム其兄弟の擄にせられしを聞しかば其熟練したる家の子三百十八人を率ゐてダンまで追いたり |
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一五 其家臣を分ちて夜に乘じて彼等を攻め彼等を擊破りてダマスコの左なるホバまで彼等を追ゆけり |
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一六 アブラム斯ゥの物を奪囘し亦其兄弟ロトと其物および婦女と人民を取囘せり |
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一七 アブラム、ケダラオメルおよび彼と偕なる王等を擊破りて歸れる時ソドムの王シヤベの谷(即ち今の王の谷)にて彼を迎へたり |
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一八 時にサレムの王メルキゼデク、パンと酒を携出せり彼は至高き~の祭司なりき |
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一九 彼アブラムを祝して言けるは願くは天地の主なる至高~アブラムを祝みたまへ |
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二〇 願はくは汝の敵を汝の手に付したまひし至高~に稱譽あれとアブラム乃ち彼に其ゥの物の什分の一を饋れり |
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二一 玆にソドムの王アブラムに言けるは人を我に與へ物を汝に取れと |
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二二 アブラム、ソドムの王に言けるは我天地の主なる至高き~ヱホバを指て言ふ |
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二三 一本の絲にても鞋帶にても凡て汝の所屬は我取ざるべし恐くは汝我アブラムを富しめたりと言ん |
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二四 但少者の旣に食ひたる者および我と偕に行し人アネル、エシコルおよびマムレの分を除くべし彼等には彼等の分を取しめよ |
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創世記 |
第一五章 |
一 是等の事の後ヱホバの言異象の中にアブラムに臨て曰くアブラムよ懼るなかれ我は汝の干櫓なり汝の賚は甚大なるべし |
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二 アブラム言けるは主ヱホバよ何を我に與んとしたまふや我は子なくして居り此ダマスコのエリエゼル我が家の相續人なり |
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三 アブラム又言けるは視よ爾子を我にたまはず我の家の子わが嗣子とならんとすと |
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四 ヱホバの言彼にのぞみて曰く此者は爾の嗣子となるべからず汝の身より出る者爾の嗣子となるベしと |
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五 斯てヱホバ彼を外に携ヘ出して言たまひけるは天を望みて星を數へ得るかを見よと又彼に言たまひけるは汝の子孫は是のごとくなるべしと |
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六 アブラム、ヱホバを信ずヱホバこれを彼の義となしたまへり |
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七 又彼に言たまひけるは我は此地を汝に與へて之を有たしめんとて汝をカルデアのウルより導き出せるヱホバなり |
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八 彼言けるは主ヱホバよ我いかにして我之を有つことを知るべきや |
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九 ヱホバ彼に言たまひけるは三歲の牝牛と三歲の牝山羊と三歲の牡羊と山鳩および雛き鴿を我ために取れと |
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一〇 彼乃ち是等を皆取て之を中より剖き其剖たる者を各相對はしめて置り但烏は剖ざりき |
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一一 鷙烏其死體の上に下る時はアブラム之を驅はらへり |
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一二 斯て日の沒る頃アブラム酣く睡りしが其大に暗きを覺えて懼れたり |
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一三 時にヱホバ、アブラムに言たまひけるは爾確に知るべし爾の子孫他人の國に旅人となりて其人々に服事へん彼等四百年のあひだ之を惱さん |
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一四 又其服事たる國民は我之を鞫かん其後彼等は大なる財貨を携へて出ん |
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一五 爾は安然に爾の父祖の所にゆかん爾は遐齡に達りて葬らるべし |
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一六 四代に及びて彼等此に返りきたらん其はアモリ人の惡未だ貫盈ざれば也と |
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一七 斯て日の沒てK暗となりし時烟と火焰の出る爐其切剖たる物の中を通過り |
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一八 是日にヱホバ、アブラムと契約をなして言たまひけるは我此地をエジプトの河より彼大河即ちユフラテ河まで爾の子孫に與ふ |
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一九 即ちケニ人ケナズ人カデモニ人 |
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二〇 ヘテ人ペリジ人レパイム人 |
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二一 アモリ人力ナン人ギルガシ人ヱブス人の地是なり |
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創世記 |
第一六章 |
一 アブラムの妻サライ子女を生ざりき彼に一人の侍女ありしがエジプト人にして其名をハガルと曰り |
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二 サライ、アブラムに言けるは視よヱホバわが子を生むことを禁めたまひたれば請ふ我が侍女の所に入れ我彼よりして子女を得ることあらんとアブラム、サライの言を聽いれたり |
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三 アブラムの妻サライ其侍女なるエジプト人ハガルを取て之を其夫アブラムに與へて妻となさしめたり是はアブラムがカナンの地に十年住みたる後なりき |
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四 是においてアブラム、ハガルの所に入るハガル遂に孕みければ己の孕めるを見て其女主を藐視たり |
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五 サライ、アブラムに言けるはわが蒙れる害は汝に歸すべし我わが侍女を汝の懷に與へたるに彼己の孕るを見て我を藐視ぐ願はヱホバ我と汝の間の事を鞫きたまへ |
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六 アブラム、サライに言けるは視よ汝の侍女は汝の手の中にあり汝の目に善と見ゆる所を彼に爲すべしサライ乃ち彼を苦めければ彼サライの面を避て逃たり |
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七 ヱホバの使者曠野の泉の旁即ちシユルの路にある泉の旁にて彼に遭ひて |
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八 言けるはサライの侍女ハガルよ汝何處より來れるや又何處に往や彼言けるは我は女主サライの面をさけて逃るなり |
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九 ヱホバの使者彼に言けるは汝の女主の許に返り身を其手に任すべし |
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一〇 ヱホバの使者又彼に言ひけるは我大に汝の子孫を揩オ其數を衆多して數ふることあたはざらしめん |
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一一 ヱホバの使者又彼に言けるは汝孕めり男子を生まん其名をイシマエル(~聽知)と名くべしヱホバ汝の艱難を聽知したまへばなり |
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一二 彼は野驢馬の如き人とならん其手はゥの人に敵しゥの人の手はこれに敵すべし彼は其ゥの兄弟の東に住んと |
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一三 ハガル己に諭したまへるヱホバの名をアタエルロイ(汝は見たまふ~なり)とよべり彼いふ我視たる後尙生るやと |
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一四 是をもて其井はベエルラハイロイ(我を見る活る者の井)と呼ぼる是はカデシとベレデの間にあり |
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一五 ハガル、アブラムの男子を生めりアブラム、ハガルの生める其子の名をイシマエルと名づけたり |
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一六 ハガル、イシマエルをアブラムに生める時アブラムは八十六歲なりき |
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創世記 |
第一七章 |
一 アブラム九十九歲の時ヱホバ、アブラムに顯れて之に言たまひけるは我は全能の~なり汝我前に行みて先全かれよ |
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二 我わが契約を我と汝の間に立て大に汝の子孫を揩 |
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三 アブラム乃ち俯伏たり~又彼に吿て言たまひけるは |
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四 我汝とわが契約を立つ汝は衆多の國民の父となるべし |
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五 汝の名を此後アブラムと呼ぶべからず汝の名をアブラハム(衆多の人の父)とよぶべし其は我汝を衆多の國民の父と爲ばなり |
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六 我汝をして衆多の子孫を得せしめ國々の民を汝より起さん王等汝より出べし |
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七 我わが契約を我と汝および汝の後の世々の子孫との間に立て永久の契約となし汝および汝の後の子孫の~となるべし |
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八 我汝と汝の後の子孫に此汝が寄寓る地即ちカナンの全地を與ヘて永久の產業となさん而して我彼等の~となるべし |
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九 ~またアブラハムに言たまひけるは然ば汝と汝の後の世々の子孫わが契約を守るべし |
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一〇 汝等の中の男子は咸割禮を受べし是は我と汝等および汝の後の子孫の間の我が契約にして汝等の守るべき者なり |
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一一 汝等其陽の皮を割べし是我と汝等の間の契約の徵なり |
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一二 汝等の代々の男子は家に生れたる者も異邦人より金にて買たる汝の子孫ならざる者も皆生れて八日に至らば割禮を受べし |
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一三 汝の家に生れたる者も汝の金にて買たる者も割禮を受ざるベからず斯我契約汝等の身にありて永久の契約となるべし |
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一四 割禮を受ざる男兒即ち其陽の皮を割ざる者は我契約を破るによりて其人其民の中より絕るべし |
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一五 ~又アブラハムに言たまひけるは汝の妻サライは其名をサライと稱ぶべからず其名をサラと爲べし |
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一六 我彼を祝み彼よりして亦汝に一人の男子を授けん我彼を祝み彼をしてゥ邦の民の母とならしむべしゥの民の王等彼より出べし |
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一七 アブラハム俯伏て哂ひ其心に謂けるは百歲の人に豈で子の生るゝことあらんや又サラは九十歲なれば豈で產ことをなさんやと |
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一八 アブラハム遂に~にむかひて願くはイシマエルの汝のまへに生存へんことをと曰ふ |
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一九 ~言たまひけるは汝の妻サラ必ず子を生ん汝其名をイサクと名くべし我彼および其後の子孫と契約を立て永久の契約となさん |
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二〇 又イシマエルの事に關ては我汝の願を聽たり視よ我彼を視みて多衆の子孫を得さしめ大に彼の子孫を揩キべし彼十二の君王を生ん我彼を大なる國民となすベし |
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二一 然どわが契約は我翌年の今頃サラが汝に生ん所のイサクと之を立べし |
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二二 ~アブラハムと言ことを竟へ彼を離れて昇り給へり |
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二三 是に於てアブラハム~の己に言たまへる如く此日其子イシマエルと凡て其家に生れたる者および凡て基金にて買たる者即ちアブラハムの家の人の中なるゥの男を將きたりて其陽の皮を割たり |
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二四 アブラハムは其陽の皮を割れたる時九十九歲 |
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二五 其子イシマエルは其陽の皮を割れたる時十三歲なりき |
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二六 是日アブラハムと其子イシマエル割禮を受たり |
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二七 又其家の人家に生れたる者も金にて異邦人より買たる者も皆彼とともに割禮を受たり |
トーラ4部 |
創世記 |
第一八章 |
一 ヱホバ、マムレの橡林にてアブラハムに顯現たまへり彼は日の熱き時刻天幕の入口に坐しゐたりしが |
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二 目を擧て見たるに視よ三人の人其前に立り彼見て天幕の入口より趨り行て之を迎へ |
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三 身を地に鞠めて言けるは我が主よ我若汝の目のまへに恩を得たるならば請ふ僕を通り過すなかれ |
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四 請ふ少許の水を取きたらしめ汝等の足を濯ひて樹の下に休憩たまへ |
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五 我一口のパンを取來らん汝等心を慰めて然る後過ゆくべし汝等僕の所に來ればなり彼等言ふ汝が言るごとく爲せ |
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六 是においてアブラハム天幕に急ぎいりてサラの許に至りて言けるは速に細麵三セヤを取り揑てパンを作るべしと |
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七 而してアブラハム牛の群に趨ゆき犢の柔にして善き者を取りきたりて少者に付しければ急ぎて之を調理ふ |
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八 かくてアブラハム牛酪と牛乳および其調理へたる犢を取て彼等のまヘに供へ樹の下にて其側に立り彼等乃ち食へり |
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九 彼等アブラハムに言けるは爾の妻サラは何處にあるや彼言ふ天幕にあり |
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一〇 其一人言ふ明年の今頃我必ず爾に返るべし汝の妻サラに男子あらんサラ其後なる天幕の入口にありて聞ゐたり |
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一一 抑アブラハムとサラは年邁み老たる者にしてサラには婦人の常の經已に息たり |
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一二 是故にサラ心に哂ひて言けるは我は老衰へ吾が主も亦老たる後なれば我に樂あるべけんや |
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一三 ヱホバ、アブラハムに言たまひけるは何故にサラは哂ひて我老たれば果して子を生ことあらんやと言ふや |
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一四 ヱホバに豈爲し難き事あらんや時至らば我定めたる期に爾に歸るべしサラに男子あらんと |
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一五 サラ懼れたれば承ずして我哂はずと言へりヱホバ言たまひけるは否汝哂へるなり |
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一六 斯て其人々彼處より起てソドムの方を望みければアブラハム彼等を送らんとて俱に行り |
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一七 ヱホバ言ひ給けるは我爲んとする事をアブラハムに隱すべけんや |
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一八 アブラハムは必ず大なる强き國民となりて天下の民皆彼に由てを獲に至るべきに在ずや |
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一九 其は我彼をして其後の兒孫と家族とに命じヱホバの道を守りて公義と公道を行しめん爲に彼をしれり是ヱホバ、アブラハムに其曾て彼に就て言し事を行はん爲なり |
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二〇 ヱホバ又言給ふソドムとゴモラの號呼大なるに因り又其罪甚だ重に因て |
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二一 我今下りて其號呼の我に達れる如くかれら全く行ひたりしやを見んとす若しからずば我知るに至らんと |
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二二 其人々其處より身を旋してソドムに赴むけりアブラハムは尙ほヱホバのまヘに立り |
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二三 アブラハム近よりて言けるは爾は義者をも惡者と俱に滅ぼし給ふや |
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二四 若邑の中に五十人の義者あるも汝尙ほ其處を滅ぼし其中の五十人の義者のためにこれを恕したまはざるや |
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二五 なんぢ斯の如く爲て義者を惡者と俱に殺すが如きは是あるまじき事なり又義者と惡者を均等するが如きもあるまじき事なり天下を鞫く者は公議を行ふ可にあらずや |
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二六 ヱホバ言たまひけるは我若ソドムに於て邑の中に五十人の義者を看ば其人々のために其處を盡く恕さん |
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二七 アブラハム應へていひけるは我は塵と灰なれども敢て我主に言上す |
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二八 若五十人の義者の中五人缺たらんに爾五人の缺たるために邑を盡く滅ぼしたまふやヱホバ言たまひけるは我若彼處に四十五人を看ば滅さゞるべし |
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二九 アブラハム又重てヱホバに言上して曰けるは若彼處に四十人看えなば如何ヱホバ言たまふ我四十人のために之をなさじ |
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三〇 アブラハム曰ひけるは請ふわが主よ怒らずして言しめたまへ若彼處に三十人看えなば如何ヱホバいひたまふ我三十人を彼處に看ば之を爲じ |
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三一 アブラハム言ふ我あへてわが主に言上す若彼處に二十人看えなば如何ヱホバ言たまふ我二十人のためにほろぼさじ |
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三二 アブラハム言ふ請ふわが主怒らずして今一度言しめたまへ若かしこに十人看えなば如何ヱホバ言たまふ我十人のためにほろぼさじ |
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三三 ヱホバ、アブラハムと言ふことを終てゆきたまへりアブラハムはおのれの所にかヘりぬ |
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創世記 |
第一九章 |
一 其二個の天使黃昏にソドムに至るロト時にソドムの門に坐し居たりしがこれを視起て迎へ首を地にさげて |
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二 言けるは我主よ請ふ僕の家に臨み足を濯ひて宿りつとに起て途に遄征たまへ彼等言ふ否我等は街衢に宿らんと |
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三 然ど固く强ければ遂に彼の所に臨みて其家に入るロト乃ち彼等のために筵を設け酵いれぬパンを炊て食はしめたり |
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四 斯て未だ寢ざる前に邑の人々即ちソドムの人老たるも若きもゥ共に四方八方より來たれる民皆其家を環み |
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五 ロトを呼て之に言けるは今夕爾に就たる人は何處にをるや彼等を我等の所に携へ出せ我等之を知らん |
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六 ロト入口に出て其後の戶を閉ぢ彼等の所に至りて |
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七 言けるは請ふ兄弟よ惡き事を爲すなかれ |
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八 我に未だ男知ぬ二人の女あり請ふ我之を携へ出ん爾等の目に善と見ゆる如く之になせよ惟此人等は旣に我家の蔭に入たれば何をも之になすなかれ |
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九 彼等曰ふ爾退け又言けるは此人は來り寓れる身なるに恒に士師とならんとす然ば我等彼等に加ふるよりも多くの害を爾に加へんと遂に彼等酷しく其人ロトに逼り前よりて其戶を破んとせしに |
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一〇 彼二人其手を舒しロトを家の內に援いれて其戶を閉ぢ |
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一一 家の入口にをる人衆をして大なるも小も俱に目を眩しめければ彼等遂に入口を索ぬるに困憊たり |
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一二 斯て二人ロトに言けるは外に爾に屬する者ありや汝の婿子女および凡て邑にをりて爾に屬する者を此所より携へ出べし |
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一三 此處の號呼ヱホバの前に大になりたるに因て我等之を滅さんとすヱホバ我等を遣はして之を滅さしめたまふ |
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一四 ロト出て其女を娶る婿等に吿て言けるはヱホバ邑を滅したまふべければ爾等起て此處を出よと然ど婿等は之を戱言と視爲り |
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一五 曉に及て天使ロトを促して言けるは起て此なる爾の妻と二人の女を携へよ恐くは爾邑の惡とともに滅されん |
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一六 然るに彼遲延ひしかば二人其手と其妻の手と其二人の女の手を執て之を導き出し邑の外に置りヱホバ斯彼に仁慈を加へたまふ |
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一七 旣に之を導き出して其一人曰けるは逃遁て汝の生命を救へ後を回顧るなかれ低地の中に止るなかれ山に遁れよ否ずば爾滅されん |
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一八 ロト彼等に言けるはわが主よ請ふ斯したまふなかれ |
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一九 視よ僕爾の目のまへに恩を得たり爾大なる仁慈を吾に施してわが生命を救たまふ吾山に遁る能ず恐くは災害身に及びて死るにいたらん |
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二〇 視よ此邑は遁ゆくに近くして且小し我をして彼處に遁れしめよしからば吾生命全からん是は小き邑なるにあらずや |
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二一 天使之にいひけるは視よ我此事に關ても亦爾の願を容たれば爾が言ふところの邑を滅さじ |
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二二 急ぎて彼處に遁れよ爾が彼處に至るまでは我何事をも爲を得ずと是に因て其邑の名はゾアル(小し)と稱る |
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二三 ロト、ゾアルに至れる時日地の上に昇れり |
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二四 ヱホバ硫黃と火をヱホバの所より即ち天よりソドムとゴモラに雨しめ |
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二五 其邑と低地と其邑の居民および地に生るところの物を盡く滅したまヘり |
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二六 ロトの妻は後を回顧たれば鹽の柱となりぬ |
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二七 アブラハム其朝夙に起て其嘗てヱホバの前に立たる處に至り |
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二八 ソドム、ゴモラおよび低地の全面を望み見るに其地の烟燄窖の烟のごとくに騰上れり |
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二九 ~低地の邑を滅したまふ時即ちロトの住る邑を滅したまふ時に當り~アブラハムを眷念て斯其滅亡の中よりロトを出したまへり |
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三〇 斯てロト、ゾアルに居ることを懼れたれば其二人の女と偕にゾアルを出て上りて山に居り其二人の女子とともに巖穴に住り |
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三一 玆に長女季女にいひけるは我等の父は老いたり又此地には我等に偶て世の道を成す人あらず |
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三二 然ば我等父に酒を飮せて與に寢ね父に由て子を得んと |
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三三 遂に其夜父に酒を飮せ長女入て其父と與に寢たり然るにロトは女の起臥を知ざりき |
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三四 翌日長女季女に言けるは我昨夜わが父と寢たり我等此夜又父に酒をのません爾入て與に寢よわれらの父に由て子を得ることをえんと |
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三五 乃ち其夜も亦父に酒をのませ季女起て父と與に寢たりロトまた女の起臥を知ざりき |
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三六 斯ロトの二人の女其父によりて孕みたり |
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三七 長女子を生み其名をモアブと名く即ち今のモアブ人の先祖なり |
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三八 季女も亦子を生み其名をベニアンミと名く即ち今のアンモニ人の先祖なり |
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創世記 |
第二〇章 |
一 アブラハム彼處より徙りて南の地に至りカデシとシユルの間に居りゲラルに寄留り |
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二 アブラハム其妻サラを我妹なりと言しかばゲラルの王アビメレク人を遣してサラを召入たり |
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三 然るに~夜の夢にアビメレクに臨みて之に言たまひけるは汝は其召入たる婦人のために死るなるべし彼は夫ある者なればなり |
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四 アビメレク未だ彼に近づかざりしかば言ふ主よ汝は義き民をも殺したまふや |
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五 彼は我に是はわが妹なりと言しにあらずや又婦も自彼はわが兄なりと言たり我全き心と潔き手をもて此をなせり |
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六 ~又夢に之に言たまひけるは然り我汝が全き心をもて之をなせるを知りたれば我も汝を阻めて罪を我に犯さしめざりき彼に觸るを容ざりしは是がためなり |
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七 然ば彼の妻を歸せ彼は預言者なれば汝のために祈り汝をして生命を保しめん汝若歸ずば汝と汝に屬する者皆必死るべきを知るべし |
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八 是に於てアビメレク其朝夙に起て臣僕を悉く召し此事を皆語り聞せければ人々甚く懼れたり |
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九 斯てアビメレク、アブラハムを召て之に言けるは爾我等に何を爲すや我何の惡き事を爾になしたれば爾大なる罪を我とわが國に蒙らしめんとせしか爾爲べからざる所爲を我に爲したり |
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一〇 アビメレク又アブラハムに言けるは爾何を見て此事を爲たるや |
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一一 アブラハム言けるは我此處はかならず~を畏れざるべければ吾妻のために人我を殺さんと思ひたるなり |
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一二 又彼は誠にわが妹なり彼はわが父の子にしてわが母の子にあらざるが遂に我妻となりたるなり |
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一三 ~我をして吾父の家を離れて遊周しめたまへる時に當りて我彼に爾我等が至る處にて我を爾の兄なりと言へ是は爾が我に施す恩なりと言たり |
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一四 アビメレク乃ち羊牛僕婢を將てアブラハムに與へ其妻サラを之に歸せり |
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一五 而してアビメレク言けるは視よ我地は爾のまへにあり爾の好むところに住め |
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一六 又サラに言けるは視よ我爾の兄に銀千枚を與へたり是は爾およびゥの人にありし事等につきて爾の目を蔽ふ者なり斯爾償贖を得たり |
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一七 是に於てアブラハム~に祈りければ~アビメレクと其妻および婢を醫したまひて彼等子を產むにいたる |
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一八 ヱホバさきにはアブラハムの妻サラの故をもてアビメレクの家の者の胎をことごとく閉たまへり |
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創世記 |
第二一章 |
一 ヱホバ其言し如くサラを眷顧みたまふ即ちヱホバ其語しごとくサラに行ひたまひしかば |
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二 サラ遂に孕み~のアブラハムに語たまひし期日に及びて年老たるアブラハムに男子を生り |
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三 アブラハム其生れたる子即ちサラが己に生る子の名をイサクと名けたり |
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四 アブラハム~の命じたまひし如く八日に其子イサクに割禮を行へり |
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五 アブラハムは其子イサクの生れたる時百歲なりき |
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六 サラ言けるは~我を笑はしめたまふ聞く者皆我とともに笑はん |
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七 又曰けるは誰かアブラハムにサラ子女に乳を飮しむるにいたらんと言しものあらん然に彼が年老るに及びて男子を生たりと |
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八 偖其子長育ちて遂に乳を斷るイサクの乳を斷るゝ日にアブラハム大なる饗宴を設けたり |
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九 時にサラ、エジプト人ハガルがアブラハムに生たる子の笑ふを見て |
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一〇 アブラハムに言けるは此婢と其子を逐出せ此婢の子は吾子イサクと共に嗣子となるべからざるなりと |
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一一 アブラハム其子のために甚く此事を憂たり |
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一二 ~アブラハムに言たまひけるは童兒のため又汝の婢のために之を憂るなかれサラが汝に言ところの言は悉く之を聽け其はイサクより出る者汝の裔と稱らるべければなり |
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一三 又婢の子も汝の胤なれば我之を一の國となさん |
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一四 アブラハム朝夙に起てパンと水の革囊とを取りハガルに與ヘて之を其肩に負せ其子を携ヘて去しめければ彼往てベエルシバの曠野に躑躅しが |
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一五 革囊の水遂に罄たれば子を灌木の下に置き |
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一六 我子の死るを見るに忍ずといひて遙かに行き箭達を隔てゝ之に對ひ坐しぬ斯相嚮ひて坐し聲をあげて哭く |
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一七 ~其童兒の聲を聞たまふ~の使即ち天よりハガルを呼て之に言けるはハガルよ何事ぞや懼るゝなかれ~彼處にをる童兒の聲を聞たまへり |
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一八 起て童兒を起し之を汝の手に抱くべし我之を大なる國となさんと |
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一九 ~ハガルの目を開きたまひければ水の井あるを見ゆきて革囊に水を充し童兒に飮しめたり |
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二〇 ~童兒と偕に在す彼遂に成長り曠野に居りて射者となり |
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二一 パランの曠野に住り其母彼のためにエジプトの國より妻を迎へたり |
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二二 當時アビメレクと其軍勢の長ピコル、アブラハムに語て言けるは汝何事を爲にも~汝とともに在す |
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二三 然ば汝が我とわが子とわが孫に僞をなさゞらんことを今此に~をさして我に誓へ我が厚情をもて汝をあつかふごとく汝我と此汝が寄留る地とに爲べし |
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二四 アブラハム言ふ我誓はん |
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二五 アブラハム、アビメレクの臣僕等が水の井を奪ひたる事につきてアビメレクを責ければ |
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二六 アビメレク言ふ我誰が此事を爲しを知ず汝我に吿しこと无く又我今日まで聞しことなし |
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二七 アブラハム乃ち羊と牛を取て之をアビメレクに與ふ斯て二人契約を結べり |
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二八 アブラハム牝の羔七を分ち置ければ |
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二九 アビメレク、アブラハムに言ふ汝此七の牝の羔を分ちおくは何のためなるや |
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三〇 アブラハム言けるは汝わが手より此七の牝の羔を取りて我が此井を掘たる證據とならしめよと彼等二人彼處に誓ひしによりて |
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三一 其處をベエルシバ(盟約の井)と名けたり |
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三二 斯彼等ベエルシバにて契約を結びアビメレクと其軍勢の長ピコルは起てペリシテ人の國に歸りぬ |
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三三 アブラハム、ベエルシバに柳を植ゑ永遠に在す~ヱホバの名を彼處に龥り |
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三四 斯してアブラハム久くペリシテ人の地に留寄りぬ |
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創世記 |
第二二章 |
一 是等の事の後~アブラハムを試みんとて之をアブラハムよと呼たまふ彼言ふ我此にあり |
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二 ヱホバ言給ひけるは爾の子爾の愛する獨子即ちイサクを携てモリアの地に到りわが爾に示さんとする彼所の山に於て彼を燔祭として献ぐべし |
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三 アブラハム朝夙に起て其驢馬に鞍おき二人の少者と其子イサクを携へ且燔祭の柴薪を劈りて起て~の己に示したまへる處におもむきけるが |
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四 三日におよびてアブラハム目を擧て遙に其處を見たり |
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五 是に於てアブラハム其少者に言けるは爾等は驢馬とともに此に止れ我と童子は彼處にゆきて崇拜を爲し復爾等に歸ん |
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六 アブラハム乃ち燔祭の柴薪を取て其子イサクに負せ手に火と刀を執て二人ともに往り |
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七 イサク父アブラハムに語て父よと曰ふ彼答て子よ我此にありといひければイサク即ち言ふ火と柴薪は有り然ど燔祭の羔は何處にあるや |
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八 アブラハム言けるは子よ~自ら燔祭の羔を備ヘたまはんと二人偕に進みゆきて |
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九 遂に~の彼に示したまへる處に到れり是においてアブラハム彼處に壇を築き柴薪を臚列ベ其子イサクを縛りて之を壇の柴薪の上に置せたり |
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一〇 斯してアブラハム手を舒べ刀を執りて其子を宰んとす |
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一一 時にヱホバの使者天より彼を呼てアブラハムよアブラハムよと言へり彼言ふ我此にあり |
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一二 使者言けるは汝の手を童子に按るなかれ亦何をも彼に爲べからず汝の子即ち汝の獨子をも我ために惜まざれば我今汝が~を畏るを知ると |
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一三 玆にアブラハム目を擧て視れば後に牡綿羊ありて其角林叢に繫りたりアブラハム即ち往て其牡綿羊を執へ之を其子の代に燔祭として獻げたり |
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一四 アブラハム其處をヱホバヱレ(ヱホバ預備たまはん)と名く是に緣て今日もなほ人々山にヱホバ預備たまはんといふ |
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一五 ヱホバの使者再天よりアブラハムを呼て |
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一六 言けるはヱホバ諭したまふ我己を指て誓ふ汝是事を爲し汝の子即ち汝の獨子を惜まざりしに因て |
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一七 我大に汝を祝み又大に汝の子孫を揩オて天の星の如く濱の沙の如くならしむべし汝の子孫は其敵の門を獲ん |
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一八 又汝の子孫によりて天下の民皆祉を得ベし汝わが言に遵ひたるによりてなりと |
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一九 斯てアブラハム其少者の所に歸り皆たちて偕にベエルシバにいたれりアブラハムはベエルシバに住り |
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二〇 是等の事の後アブラハムに吿る者ありて言ふミルカ亦汝の兄弟ナホルにしたがひて子を生り |
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二一 長子はウヅ其弟はブズ其次はケムエル是はアラムの父なり |
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二二 其次はケセデ、ハゾ、ピルダシ、ヱデラフ、ベトエル |
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二三 ベトエルはリベカを生り是八人はミルカがアブラハムの兄弟ナホルに生たる者なり |
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二四 ナホルの妾名はルマといふ者も亦テバ、ガハム、タハシおよびマア力を生り |
トーラ5部 |
創世記 |
第二三章 |
一 サラ百二十七歲なりき是即ちサラの齡の年なり |
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二 サラ、キリアテアルバにて死り是はカナンの地のヘブロンなりアブラハム至りてサラのために哀み且哭り |
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三 斯てアブラハム死人の前より起ち出てヘテの子孫に語りて言けるは |
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四 我は汝等の中の賓旅なり寄留者なり請ふ汝等の中にて我に墓地を與へて吾が所有となし我をして吾が死人を出し葬ることを得せしめよ |
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五 ヘテの子孫アブラハムに應て之に言ふ |
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六 我主よ我等に聽たまへ我等の中にありて汝は~の如き君なり我等の墓地の佳者を擇みて汝の死人を葬れ我等の中一人も其墓地を汝にをしみて汝をしてその死人を葬らしめざる者なかるべし |
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七 是に於てアブラハム起ち其地の民へテの子孫に對て躬を鞠む |
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八 而して彼等と語ひて言けるは若我をしてわが死人を出し葬るを得せしむる事汝等の意ならば請ふ我に聽て吾ためにゾハルの子エフロンに求め |
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九 彼をして其野の極端に有るマクペラの洞穴を我に與へしめよ彼其十分の値を取て之を我に與へ汝等の中にてわが所有なる基地となさば善し |
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一〇 時にエフロン、ヘテの子孫の中に坐しゐたりヘテ人エフロン、ヘテの子孫即ち凡て其邑の門に入る者の聽る前にてアブラハムに應へて言けるは |
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一一 吾主よ我に聽たまへ其野は我汝に與ふ又其中の洞穴も我之を汝に與ふ我吾民なる衆人の前にて之を汝にあたふ汝の死人を葬れ |
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一二 是に於てアブラハム其地の民の前に躬を鞠たり |
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一三 而して彼其地の民の聽る前にてエフロンに語りて言けるは汝若之を肯はゞ請ふ吾に聽け我其野の値を汝に償はん汝之を吾より取れ我わが死人を彼處に葬らん |
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一四 エフロン、アブラハムに答て曰けるは |
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一五 わが主よ我に聽たまへ彼地は銀四百シケルに當る是は我と汝の間に豈道に足んや然ば汝の死人を葬れ |
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一六 アブラハム、エフロンの言に從ひエフロンがヘテの子孫の聽る前にて言たる所の銀を秤り商賈の中の通用銀四百シケルを之に與へたり |
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一七 マムレの前なるマクペラに在るエフロンの野は野も其中の洞穴も野の中と其四周の堺にある樹も皆 |
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一八 ヘテの子孫の前即ち凡て其邑に入る者の前にてアブラハムの所有と定りぬ |
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一九 厥後アブラハム其妻サラをマムレの前なるマクペラの野の洞穴に葬れり是即ちカナンの地のヘブロンなり |
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二〇 斯く其野と其中の洞穴はヘテの子孫之をアブラハムの所有なる墓地と定めたり |
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創世記 |
第二四章 |
一 アブラハム年邁て老たりヱホバ萬の事に於てアブラハムを祝みたまへり |
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二 玆にアブラハム其凡の所有を宰る其家の年邁なる僕に言けるは請ふ爾の手を吾髀の下に置よ |
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三 我爾をして天の~地の~ヱホバを指て誓はしめん即ち汝わが偕に居むカナン人の女の中より吾子に妻を娶るなかれ |
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四 汝わが故國に往き吾親族に到りて吾子イサクのために妻を娶れ |
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五 僕彼に言けるは倘女我に從ひて此地に來ることを好まざる事あらん時は我爾の子を彼汝が出來りし地に導き歸るべきか |
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六 アブラハム彼に曰けるは汝愼みて吾子を彼處に携かへるなかれ |
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七 天の~ヱホバ我を導きて吾父の家とわが親族の地を離れしめ我に語り我に誓ひて汝の子孫に此地を與へんと言たまひし者其使を遣して汝に先たしめたまはん汝彼處より我子に妻を娶るべし |
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八 若女汝に從ひ來る事を好ざる時は汝吾此誓を解るべし唯我子を彼處に携へかへるなかれ |
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九 是に於て僕手を其主人アブラハムの髀の下に置て此事について彼に誓ヘり |
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一〇 斯て僕其主人の駱駝の中より十頭の駱駝を取りて出たてり即ち其主人のゥの佳物を手にとりて起てメソポタミアに往きナホルの邑に至り |
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一一 其駱駝を邑の外にて井の傍に跪伏しめたり其時は黃昏にて婦女等の水汲にいづる時なりき |
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一二 斯して彼言けるは吾主人アブラハムの~ヱホバよ願くば今日我にその者を逢しめわが主人アブラハムに恩惠を施し給へ |
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一三 我この水井の傍に立ち邑の人の女等水を汲に出づ |
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一四 我童女に向ひて請ふ汝の瓶をかたむけて我に飮しめよと言んに彼答へて飮め我また汝の駱駝にも飮しめんと言ば彼は汝が僕イサクの爲に定め給ひし者なるべし然れば我汝の吾主人に恩惠を施し給ふを知らん |
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一五 彼語ふことを終るまへに視よリベカ瓶を肩にのせて出きたる彼はアブラハムの兄弟ナホルの妻ミルカの子ベトエルに生れたる者なり |
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一六 其童女は觀に甚だ美しく且處女にして未だ人に適しことあらず彼井に下り其瓶に水を盈て上りしかば |
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一七 僕はせゆきて之にあひ請ふ我をして汝の瓶より少許の水を飮しめよといひけるに |
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一八 彼主よ飮たまへといひて乃ち急ぎ其瓶を手におろして之にのましめたりしが |
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一九 飮せをはりて言ふ汝の駱駝のためにも其飮をはるまで水を汲て飽しめん |
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二〇 急ぎて其瓶を水鉢にあけ又汲んとて井にはせゆき其ゥの駱駝のために汲みたり |
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二一 其人之を見つめヱホバが其途に幸をくだしたまふや否をしらんとして默し居たり |
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二二 玆に駱駝飮をはりしかば其人重半シケルの金の鼻環一箇と重十シケルの金の手釧二箇をとりて |
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二三 言けるは汝は誰の女なるや請ふ我に吿よ汝の父の家に我等が宿る隙地ありや |
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二四 女彼に曰けるは我はミルカがナホルに生みたる子ベトエルの女なり |
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二五 又彼にいひけるは家には藁も飼草も多くあり且宿る隙地もあり |
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二六 是に於て其人伏てヱホバを拜み |
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二七 言けるは吾主人アブラハムの~ヱホバは讃美べきかなわが主人に慈惠と眞實とを缺きたまはず我途にありしにヱホバ我を吾主人の兄弟の家にみちびきたまへり |
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二八 玆に童女走行て其母の家に此等の事を吿たり |
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二九 リベカに一人の兄あり其名をラバンといふラバンはせいで井にゆきて其人の許につく |
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三〇 すなはち彼鼻環および其妹の手の手釧を見又其妹リベカが共人斯我に語りといふを聞て異人の所に到り見るに井の側らにて駱駝の傍にたちゐたれば |
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三一 之に言けるは汝ヱホバに祝るゝ者よ請ふ入れ奚ぞ外にたつや我家を備へ且駱駝のために所をそなへたり |
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三二 是に於て其人家にいりぬラバン乃ち其駱駝の負を釋き藁と飼草を駱駝にあたへ又水をあたへて其人の足と其從者の足をあらはしめ |
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三三 斯して彼の前に食をそなヘたるに彼言ふ我はわが事をのぶるまでは食はじとラバン語れといひければ |
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三四 彼言ふわれはアブラハムの僕なり |
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三五 ヱホバ大にわが主人をめぐみたまひて大なる者とならしめ又羊牛金銀僕婢駱駝驢馬をこれにたまへり |
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三六 わが主人の妻サラ年老てのちわが主人に男子をうみければ主人其所有を悉く之に與ふ |
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三七 わが主人我を誓せて言ふ吾すめるカナンの地の人の女子の中よりわが子に妻を娶るなかれ |
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三八 汝わが父の家にゆきわが親族にいたりわが子のために妻をめとれと |
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三九 我わが主人にいひけるは倘女我にしたがひて來ずば如何 |
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四〇 彼我にいひけるは吾事ふるところのヱホバ其使者を汝とともに遣はして汝の途に幸を降したまはん爾わが親族わが父の家より吾子に妻をめとるべし |
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四一 汝わが親族に到れる時はわが誓を解さるべし若彼等汝にあたへずば汝はわが誓をゆるさるべしと |
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四二 我今日井に至りて謂けらくわが主人アブラハムの~ヱホバねがはくはわがゆく途に幸を降したまへ |
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四三 我はこの井水の傍に立つ水を汲にいづる處女あらん時我彼にむかひて請ふ汝の瓶より少許の水を我にのましめよと言んに |
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四四 若我に答へて汝飮め我亦汝の駱駝のためにも汲んと言ば是ヱホバがわが主人の子のために定たまひし女なるべし |
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四五 我心の中に語ふことを終るまへにリベカ其瓶を肩にのせて出來り井にくだりて水を汲みたるにより我彼に請ふ我にのましめよと言ければ |
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四六 彼急ぎ其瓶を肩よりおろしていひけるは飮めまた汝の駱駝にものましめんと是に於て我飮しが彼また駱駝にものましめたり |
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四七 我彼に問て汝は誰の女なるやといひければミルカがナホルに生たる子ベトエルの女なりといふ是に於て我其鼻に環をつけ其手に手釧をつけたり |
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四八 而して我伏てヱホバを拜み吾主人アブラハムの~ヱホバを頌美たりヱホバ我を正き途に導きてわが主人の兄弟の女を其子のために娶しめんとしたまへばなり |
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四九 されば汝等若わが主人にむかひて慈惠と眞誠をもて事をなさんと思はば我に吿よ然ざるも亦我に吿よ然ば我右か左におもむくをえん |
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五〇 ラバンとベトエル答て言けるは此事はヱホバより出づ我等汝に善惡を言ふあたはず |
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五一 視よリベカ汝の前にをる携へてゆき彼をしてヱホバの言たまひし如く汝の主人の子の妻とならしめよ |
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五二 アブラハムの僕彼等の言を聞て地に伏てヱホバを拜めり |
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五三 是に於て僕銀の飾品金の飾品および衣服をとりいだしてリベカに與へ亦其兄と母に寳物をあたへたり |
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五四 是に於て彼および其從者等食飮して宿りしが朝起たる時彼言我をして吾主人に還らしめよ |
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五五 リベカの兄と母言けるは童女を數日の間少くも十日我等と偕にをらしめよしかるのち彼ゆくべし |
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五六 彼人之に言ヱホバ吾途に祉をくだしたまひたるなれば我を阻むるなかれ我を歸してわが主人に往しめよ |
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五七 彼等いひけるは童女をよびて其言を問んと |
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五八 即ちリベカを呼て之に言けるは汝此人と共に往や彼言ふ往ん |
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五九 是に於て彼等妹リベカと其乳媼およびアブラハムの僕と其從者を遣り去しめたり |
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六〇 即ち彼等リベカを祝して之にいひけるはわれらの妹よ汝千萬の人の母となれ汝の子孫をして其仇の門を獲しめよ |
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六一 是に於てリベカ起て其童女等とともに駱駝にのりて其人にしたがひ往く僕乃ちリベカを導きてさりぬ |
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六二 玆にイサク、ラハイロイの井の路より來れり南の國に住居たればなり |
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六三 しかしてイサク黃昏に野に出て默想をなしたりしが目を擧て見しに駱駝の來るあり |
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六四 リベカ目をあげてイサクを見駱駝をおりて |
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六五 僕にいひけるは野をあゆみて我等にむかひ來る者は何人なるぞ僕わが主人なりといひければリベカ覆衣をとりて身をおほへり |
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六六 玆に僕其凡てなしたる事をイサクに吿ぐ |
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六七 イサク、リベカを其母サラの天幕に携至りリベカを娶りて其妻となして之を愛したりイサクは母にわかれて後玆に慰藉を得たり |
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創世記 |
第二五章 |
一 アブラハム再妻を娶る其名をケトラといふ |
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二 彼ジムラン、ヨクシヤン、メダン、ミデアン、イシバク、シユアを生り |
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三 ヨクシヤン、シバとデダンを生むデダンの子はアツシユリ族レトシ族リウミ族なり |
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四 ミデアンの子はエパ、エベル、ヘノク、アビダ、エルダアなり是等ば皆ケトラの子孫なり |
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五 アブラハム其所有を盡くイサクに與へたり |
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六 アブラハムの妾等の子にはアブラハム其生る間に物をあたへて之をして其子イサクを離れて東にさりて東の國に至らしむ |
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七 アブラハムの生存へたる齡の日は即ち百七十五年なりき |
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八 アブラハム遐齡に及び老人となり年滿て氣たえ死て其民に加る |
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九 其子イサクとイシマエル之をへテ人ゾハルの子エフロンの野なるマクペラの洞穴に葬れり是はマムレの前にあり |
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一〇 即ちアブラハムがヘテの子孫より買たる野なり彼處にアブラハムと其妻サラ葬らる |
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一一 アブラハムの死たる後~其子イサクを祝みたまふイサクはベエルラハイロイの邊に住り |
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一二 サラの侍婢なるエジプト人ハガルがアブラハムに生たる子イシマエルの傳は左のごとし |
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一三 イシマエルの子の名は其名氏と其世代に循ひて言ば是のごとしイシマエルの長子はネバヨテなり其次はケダル、アデビエル、ミブサム |
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一四 ミシマ、ドマ、マツサ |
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一五 ハダデ、テマ、ヱトル、ネフシ、ケデマ |
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一六 是等はイシマエルの子なり是等は其ク黨と其營にしたがひて言る者にして其國に循ひていへば十二の牧伯なり |
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一七 イシマエルの齡は百三十七歲なりき彼いきたえ死て其民にくははる |
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一八 イシマエルの子等はハビラよりエジプトの前なるシユルまでの間に居住てアツスリヤまでにおよべりイシマエルは其すべての兄弟等のまヘにすめり |
トーラ6部 |
一九 アブラハムの子イサクの傳は左のごとしアブラハム、イサクを生り |
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二〇 イサク四十歲にしてリベカを妻に娶れりリベカはパダンアラムのスリア人ベトエルの女にしてスリア人ラバンの妹なり |
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二一 イサク其妻の子なきに因て之がためにヱホバに祈願をたてければヱホバ其ねがひを聽たまへり遂に其妻リベカ孕みしが |
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二二 其子胎の內に爭そひければ然らば我いかで斯てあるべきと言て往てヱホバに問に |
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二三 ヱホバ彼に言たまひけるは二の國民汝の胎にあり二の民汝の腹より出て別れん一の民は一の民よりも强かるべし大は小に事へんと |
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二四 かくて臨月みちて見しに胎には孿ありき |
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二五 先に出たる者は赤くして躰中裘の如し其名をエサウと名けたり |
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二六 其後に弟出たるが其手にエサウの踵を持り其名をヤコブとなづけたりリベカが彼等を生し時イサクは六十歲なりき |
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二七 玆に童子人となりしがエサウは巧なる獵人にして野の人となりヤコブは質樸なる人にして天幕に居ものとなれり |
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二八 イサクは麆を嗜によりてエサウを愛したりしがリベカはヤコブを愛したり |
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二九 玆にヤコブ羮を煑たり時にエサウ野より來りて憊れ居り |
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三〇 エサウ、ヤコブにむかひ我憊れたれば請ふ其紅羮其處にある紅羮を我にのませよといふ是をもて彼の名はエドム(紅)と稱らる |
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三一 ヤコブ言けるは今日汝の家督の權を我に鬻れ |
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三二 エサウいふ我は死んとして居る此家督の權我に何のuをなさんや |
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三三 ヤコブまた言けるは今日我に誓へと彼すなはち誓て其家督の權をヤコブに鬻ぬ |
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三四 是に於てヤコブ、パンと扁豆の羮とをエサウに與へければ食且飮て起て去り斯エサウ家督の權を藐視じたり |
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創世記 |
第二六章 |
一 アブラハムの時にありし最初の饑饉の外に又其國に饑饉ありければイサク、ゲラルに往てペリシテ人の王アビメレクの許にいたれり |
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二 時にヱホバ彼にあらはれて言たまひけるはエジプトに下るなかれ吾汝に示すところの地にをれ |
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三 汝此地にとどまれ我汝と共にありて汝を祝まん我是等の國を盡く汝および汝の子孫に與へ汝の父アブラハムに誓ひたる誓言を行ふべし |
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四 我汝の子孫を揩ト天の星のごとくなし汝の子孫に凡て是等の國を與へん汝の子孫によりて天下の國民皆祉を獲べし |
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五 是はアブラハムわが言に順ひわが職守とわが誡命とわが憲法とわが律法を守りしに因てなり |
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六 イサク乃ちゲラルに居しが |
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七 處の人其妻の事をとヘば我妹なりと言ふリベカは觀に美麗かりければ其處の人リベカの故をもて我を殺さんと謂て彼をわが妻と言をおそれたるなり |
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八 イサク久く彼處にをりし後一日ペリシテ人の王アビメレク牖より望みてイサクが其妻リベカと嬉戱るを見たり |
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九 是に於てアビメレク、イサクを召て言けるは彼は必ず汝の妻なり汝なんぞ吾妹といひしやイサク彼に言けるは恐くは我彼のために死るならんと思たればなり |
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一〇 アビメレクいひけるは汝なんぞ此事を我等になすや民の一人もし輕々しく汝の妻と寢ることあらんその時は汝罪を我等に蒙らしめんと |
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一一 アビメレク乃ちすべて民に皆命じて此人と其妻にさはるものは必ず死すべしと言り |
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一二 イサク彼地に種播て其年に百倍を獲たりヱホバ彼を祝みたまふ |
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一三 其人大になりゆきて進て盛になり遂に甚だ大なる者となれり |
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一四 即ち羊と牛と僕從を多く有しかばペリシテ人彼を嫉みたり |
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一五 其父アブラハムの世に其父の僕從が掘たるゥの井はペリシテ人之をふさぎて土を之にみてたり |
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一六 玆にアビメレク、イサクに言けるは汝は大に我等よりも强大ければ我等をはなれて去れと |
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一七 イサク乃ち彼處をさりてゲラルの谷に天幕を張て其處に住り |
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一八 其父アブラハムの世に掘たる水井をイサク玆に復び鑿り其はアブラハムの死たる後ペリシテ人之を塞ぎたればなり斯してイサク其父が之に名けたる名をもて其名となせり |
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一九 イサクの僕谷に掘て其處に泉の湧出る井を得たり |
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二〇 ゲラルの牧者此水は我儕の所屬なりといひてイサクの僕と爭ひければイサク其井の名をエセク(競爭)と名けたり彼等が己と之を競爭たるによりてなり |
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二一 是に於て又他の井を鑿しが彼等是をも爭ひければ其名をシテナ(敵)となづけたり |
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二二 イサク乃ち其處より遷りて他の井を鑿けるが彼等之をあらそばざりければ其名をレホボテ(廣場)と名けて言けるは今ヱホバ我等の處所を廣くしたまへり我等斯地に繁衍ん |
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二三 斯て彼其處よりベエルシバにのぼりしが |
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二四 其夜ヱホバ彼にあらはれて言たまひけるは我は汝の父アブラハムの~なり懼るるなかれ我汝と偕にありて汝を祝み我僕アブラハムのために汝の子孫を揩と |
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二五 是に於て彼處に壇を築きてヱホバの名を龥び天幕を彼處に張り彼處にてイサクの僕井を鑿り |
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二六 玆にアビメレク其友アホザテ及び其軍勢の長ピコルと共にゲラルよりイサクの許に來りければ |
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二七 イサク彼等に言ふ汝等は我を惡み我をして汝等をはなれて去らしめたるなるに何ぞ我許に來るや |
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二八 彼等いひけるは我等確然にヱホバが汝と偕にあるを見たれば我等の間即ち我等と汝の間に誓詞を立て汝と契約を結ばんと謂へり |
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二九 汝我等に惡事をなすなかれ其は我等は汝を害せず只善事のみを汝になし且汝を安然に去しめたればなり汝はヱホバの祝みたまふ者なり |
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三〇 イサク乃ち彼等のために酒宴を設けたれば彼等食ひ且飮り |
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三一 斯て朝夙に起て互に相誓へり而してイサク彼等を去しめたれば彼等イサクをはなれて安然にかへりぬ |
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三二 其日イサクの僕來りて其ほりたる井につきて之に吿て我等水を得たりといヘり |
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三三 即ち之をシバとなづく此故に其邑の名は今日までベエルシバ(誓詞の井)といふ |
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三四 エサウ四十歲の時ヘテ人ベエリの女ユデテとヘテ人エロンの女バスマテを妻に娶り |
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三五 彼等はイサクとリベカの心の愁煩となれり |
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創世記 |
第二七章 |
一 イサク老て目くもりて見るあたはざるに及びて其長子エサウを召て之に吾子よといひければ答へて我此にありといふ |
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二 イサクいひけるは視よ我は今老て何時死るやを知ず |
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三 然ば請ふ汝の器汝の弓矢を執て野に出でわがために麆を獵て |
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四 わが好む美味を作り我にもちきたりて食はしめよ我死るまへに心に汝を祝せん |
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五 イサクが其子エサウに語る時にリベカ聞ゐたりエサウは麆を獵て携きたらんとて野に往り |
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六 是に於てリベカ其子ヤコブに語りていひけるは我聞ゐたるに汝の父汝の兄エサウに語りて言けらく |
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七 吾ために麆をとりきたり美味を製りて我にくはせよ死るまへに我ヱホバの前にて汝を祝せんと |
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八 然ば吾子よ吾言にしたがひわが汝に命ずるごとくせよ |
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九 汝群畜の所にゆきて彼處より山羊の二箇の善き羔を我にとりきたれ我之をもて汝の父のために其好む美味を製らん |
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一〇 汝之を父にもちゆきて食しめ其死る前に汝を祝せしめよ |
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一一 ヤコブ其母リベカに言けるは兄エサウは毛深き人にして我は滑澤なる人なり |
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一二 恐くは父我に捫ることあらん然らば我は欺く者と父に見えんされば祝をえずして反て呪詛をまねかん |
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一三 其母彼にいひけるは我子よ汝の詛はるゝ所は我に歸せん只わが言にしたがひ往て取來れと |
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一四 是において彼往て取り母の所にもちきたりければ母すなはち父の好むところの美味を製れり |
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一五 而してリベカ家の中に己の所にある長子エサウの美服をとりて之を季子ヤコブに衣せ |
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一六 又山羊の羔の皮をもて其手と其頸の滑澤なる處とを掩ひ |
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一七 其製りたる美味とパンを子ヤコブの手にわたせり |
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一八 彼乃ち父の許にいたりて我父よといひければ我此にありわが子よ汝は誰なると曰ふ |
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一九 ヤコブ父にいひけるは我は汝の長子エサウなり我汝が我に命じたるごとくなせり請ふ起て坐しわが麆の肉をくらひて汝の心に我を祝せよ |
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二〇 イサク其子に言けるは吾子よ汝いかにして斯速に獲たるや彼言ふ汝の~ヱホバ之を我にあはせたまひしが故なり |
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二一 イサク、ヤコブにいひけるはわが子よ請ふ近くよれ我汝に捫て汝がまことに吾子エサウなるや否やをしらん |
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二二 ヤコブ父イサクに近よりければイサク之にさはりていひけるは聲はヤコブの聲なれども手はエサウの手なりと |
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二三 彼の手其兄エサウの手のごとく毛深かりしに因て之を辨別へずして遂に之を祝したり |
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二四 即ちイサクいひけるは汝はまことに吾子エサウなるや彼然りといひければ |
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二五 イサクいひけるは我に持きたれ吾子の麆を食ひてわが心に汝を祝せんと是に於てヤコブ彼の許にもちきたりければ食へり又酒をもちきたりければ飮り |
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二六 かくて父イサク彼にいひけるは吾子よ近くよりて我に接吻せよと |
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二七 彼すなはち近よりて之に接吻しければ其衣の馨香をかぎて彼を祝していひけるは鳴呼吾子の香はヱホバの祝たまへる野の馨香のごとし |
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二八 ねがはくは~天の露と地の腴および饒多の穀と酒を汝にたまへ |
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二九 ゥの民汝につかへゥの邦汝に躬を鞠ん汝兄弟等の主となり汝の母の子等汝に身をかゞめん汝を詛ふ者はのろはれ汝を祝する者は祝せらるべし |
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三〇 イサク、ヤコブを祝することを終てヤコブ父イサクの前より出さりし時にあたりて兄エサウ獵より歸り來り |
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三一 己も亦美味をつくりて之を其父の許にもちゆき父にいひけるは父よ起て其子の麆を食ひて心に我を祝せよ |
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三二 父イサク彼にいひけるは汝は誰なるや彼いふ我は汝の子汝の長子エサウなり |
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三三 イサク甚大に戰兢ていひけるは然ば彼麆を獵て之を我にもちきたりし者は誰ぞや我汝がきたるまへにゥの物を食ひて彼を祝したれば彼まことに祝をうべし |
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三四 エサウ父の言を聞て大に哭き痛く泣て父にいひけるは父よ我を祝せよ我をも祝せよ |
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三五 イサク言けるは汝の弟僞りて來り汝の祝を奪ひたり |
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三六 エサウ曰けるは彼をヤコブ(推除者)となづくるは宜ならずや彼が我をおしのくる事此にて二次なり昔にはわが家督の權を奪ひ今はわが祝を奪ひたり又言ふ汝は祝をわがために殘しおかざりしや |
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三七 イサク對てエサウにいひけるは我彼を汝の主となし其兄弟を悉く僕として彼にあたへたり又穀と酒とを彼に授けたり然ば吾子よ我何を汝になすをえん |
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三八 エサウ父に言けるは父よ父の祝唯一ならんや父よ我を祝せよ我をも祝せよとエサウ聲をあげて哭ぬ |
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三九 父イサク答て彼にいひけるは汝の住所は地の膏腴にはなれ上よりの天の露にはなるべし |
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四〇 汝は劍をもて世をわたり汝の弟に事ん然ど汝繫を離るゝ時は其軛を汝の頸より振ひおとすを得ん |
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四一 エサウ父のヤコブを祝したる其祝の爲にヤコブを惡めり即ちエサウ心に謂けるは父の喪の日近ければ共時我弟ヤコブを殺さんと |
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四二 長子エサウの此言リベカに聞えければ季子ヤコブを呼よせて之に言けるは汝の兄エサウ汝を殺さんとおもひて自ら慰む |
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四三 されば吾子よ我言にしたがひ起てハランにゆきわが兄ラバンの許にのがれ |
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四四 汝の兄の怒の釋るまで暫く彼とともに居れ |
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四五 汝の兄の鬱憤釋て汝をはなれ汝が彼になしたる事を忘るゝにいたらば我人をやりて汝を彼處よりむかへん我何ぞ一日のうちに汝等二人を喪ふべけんや |
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四六 リベカ、イサクに言けるは我はヘテの女等のために世を厭ふにいたるヤコブ若此地の彼女等の如きへテの女の中より妻を娶らば我身生るも何の利uあらんや |
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創世記 |
第二八章 |
一 イサク、ヤコブを呼て之を祝し之に命じて言けるは汝カナンの女の中より妻を娶るなかれ |
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二 起てパダンアラムに往き汝の母の父ベトエルの家にいたり彼處にて汝の母の兄ラバンの女の中より妻を娶れ |
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三 願くは全能の~汝を祝み汝をして子女を多く得せしめ且汝の子孫を揩ト汝をして多衆の民とならしめ |
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四 又アブラハムに賜んと約束せし祝を汝および汝と共に汝の子孫に賜ひ汝をして~がアブラハムにあたへ給ひし此汝が寄寓る地を持たしめたまはんことをと |
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五 斯てイサク、ヤコブを遣しければバダンアラムにゆきてラバンの所にいたれりラバンはスリア人ベトエルの子にしてヤコブとエサウの母なるリベカの兄なり |
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六 エサウはイサクがヤコブを祝して之をパダンアラムにつかはし彼處より妻を娶しめんとしたるを見又之を祝し汝はカナンの女の中より妻をめとるなかれといひて之に命じたることを見 |
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七 又ヤコブが其父母の言に順ひてバダンアラムに往しを見たり |
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八 エサウまたカナンの女の其父イサクの心にかなはぬを見たり |
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九 是においてエサウ、イシマエルの所にゆきて其有る妻の外に又アブラハムの子イシマエルの女ネバヨテの妹マハラテを妻にめとれり |
トーラ7部 |
一〇 玆にヤコブ、ベエルシバより出たちてハランの方におもむきけるが |
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一一 一處にいたれる時日暮たれば即ち其處に宿り其處の石をとり枕となして其處に臥て寝たり |
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一二 時に彼夢て梯の地にたちゐて其巓の天に達れるを見又~の使者の其にのぼりくだりするを見たり |
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一三 ヱホバ其上に立て言たまはく我は汝の祖父アブラハムの~イサクの~ヱホバなり汝が偃臥ところの地は我之を汝と汝の子孫に與へん |
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一四 汝の子孫は地の塵沙のごとくなりて西東北南に蔓るべし又天下のゥの族汝と汝の子孫によりて祉をえん |
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一五 また我汝とともにありて凡て汝が往ところにて汝をまもり汝を此地に率返るべし我はわが汝にかたりし事を行ふまで汝をはなれざるなり |
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一六 ヤコブ目をさまして言けるは誠にヱホバ此處にいますに我しらざりきと |
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一七 乃ち惶懼ていひけるは畏るべき哉此處是即ち~の殿の外ならず是天の門なり |
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一八 かくてヤコブ朝夙に起き其枕となしたる石を取り之を立て柱となし膏を其上に沃ぎ |
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一九 其處の名をベテル(~殿)と名けたり其邑の名は初はルズといへり |
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二〇 ヤコブ乃ち誓をたてゝいひけるは若~我とともにいまし此わがゆく途にて我をまもり食ふパンと衣る衣を我にあたへ |
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二一 我をしてわが父の家に安然に歸ることを得せしめたまはゞヱホバをわが~となさん |
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二二 又わが柱にたてたる此石を~の家となさん又汝がわれにたまふ者は皆必ず其十分の一を汝にさゝげん |
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創世記 |
第二九章 |
一 斯てヤコブ其途にすゝみて東の民の地にいたりて |
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二 見るに野に井ありて羊の群三其傍に臥ゐたり此井より群に飮ヘばなり大なる石井の口にあり |
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三 羊の群皆其處に集る時に井の口より石をまろばして羊に水ひ復故のごとく井の口に石をのせおくなり |
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四 ヤコブ人々に言けるは兄弟よ奚よりきたれるや彼等いふ我等はハランより來る |
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五 ヤコブ彼等にいひけるは汝等ナホルの子ラバンをしるや彼等識といふ |
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六 ヤコブ又かれらにいひけるは彼は安きや彼等いふ安し視よ彼の女ラケル羊と偕に來ると |
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七 ヤコブ言ふ視よ日尙高し家畜を聚むべき時にあらず羊に飮ひて往て牧せよ |
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八 彼等いふ我等しかする能ず群の皆聚るに及て井の口より石をまろばして羊に飮ふべきなり |
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九 ヤコブ尙彼等と語る時にラケル父の羊とともに來る其は之を牧居たればなり |
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一〇 ヤコブ其母の兄ラバンの女ラケルおよび其母の兄ラバンの羊を見しかばヤコブ進みよりて井の口より石をまろばし母の兄ラバンの羊に飮ひたり |
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一一 而してヤコブ、ラケルに接吻し聲をあげて啼哭ぬ |
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一二 即ちヤコブ、ラケルに己はその父の兄弟にしてリベカの子なることを吿ければ彼はしりゆきて父に吿たり |
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一三 ラバン其妹の子ヤコブの事を聞しかば趨ゆきて之を迎ヘ之を抱きて接吻し之を家に導きいたれりヤコブすなはち此等の事を悉くラバンに述たり |
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一四 ラバン彼にいひけるは汝は誠にわが骨肉なりとヤコブ一月の間彼とともに居る |
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一五 玆にラバン、ヤコブにいひけるは汝はわが兄弟なればとて空く我に役事べけんや何の報酬を望むや我に吿よ |
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一六 ラバン二人の女子を有り姊の名はレアといひ妹の名はラケルといふ |
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一七 レアは目弱かりしがラケルは美くして姝し |
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一八 ヤコブ、ラケルを愛したれば言ふ我汝の季女ラケルのために七年汝に事ん |
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一九 ラバンいひけるは彼を他の人にあたふるよりも汝にあたふるは善し我と偕に居れ |
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二〇 ヤコブ七年の間ラケルのために勤たりしが彼を愛するが爲に之を數日の如く見做り |
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二一 玆にヤコブ、ラバンに言けるはわが期滿たればわが妻をあたへて我をしてかれの處にいることを得せしめよ |
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二二 是に於てラバン處の人を盡く集めて酒宴を設けたりしが |
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二三 晩に及びて其女レアを携ヘて之をヤコブにつれ來れりヤコブ即ち彼の處にいりぬ |
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二四 ラバンまた其侍婢ジルバを娘レアに與へて侍婢となさしめたり |
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二五 朝にいたりて見るにレアなりしかばヤコブ、ラバンに言けるは汝なんぞ此事を我になしたるや我ラケルのために汝に役事しにあらずや汝なんぞ我を欺くや |
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二六 ラバンいひけるは姊より先に妹を媳しむる事は我國にて爲ざるところなり |
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二七 其七日を過せ我等是をも汝に與へん然ば汝是がために尙七年我に事へて勤むべし |
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二八 ヤコブ即ち斯なして其七日をすごせしかばラバン其女ラケルをも之にあたへて妻となさしむ |
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二九 またラバン其侍婢ビルハを女ラケルにあたへて侍婢となさしむ |
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三〇 ヤコブまたラケルの所にいりぬ彼レアよりもラケルを愛し尙七年ラバンに事たり |
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三一 ヱホバ、レアの嫌るゝを見て其胎をひらきたまへり然どラケルは姙なきものなりき |
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三二 レア孕みて子を生み其名をルベンと名けていひけるはヱホバ誠にわが艱苦を顧みたまへりされば今夫我を愛せんと |
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三三 彼ふたゝび孕みて子を產みヱホバわが嫌るゝを聞たまひしによりて我に是をもたまへりと言て其名をシメオンと名けたり |
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三四 彼また孕みて子を生み我三人の子を生たれば夫今よりは我に膠漆んといヘり是によりて其名をレビと名けたり |
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三五 彼復姙みて子を生み我今ヱホバを讚美んといへり是によりて其名をユダと名けたり是にいたりて產ことやみぬ |
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創世記 |
第三〇章 |
一 ラケル己がヤコブに子を生ざるを見て其姊を妒みヤコブに言けるは我に子を與へよ然らずば我死んと |
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二 ヤコブ、ラケルにむかひて怒を發して言ふ汝の胎に子をやどらしめざる者は~なり我~に代るをえんや |
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三 ラケルいふ吾婢ビルハを視よ彼の處に入れ彼子を生てわが膝に置ん然ば我もまた彼によりて子をうるにいたらんと |
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四 其仕女ビルハを彼にあたへて妻となさしめたりヤコブ即ち彼の處にいる |
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五 ビルハ遂にはらみてヤコブに子を生ければ |
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六 ラケルいひけるは~我を監み亦わが聲を聽いれて吾に子をたまへりと是によりて其名をダンと名けたり |
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七 ラケルの仕女ビルハ再び姙みて次の子をヤコブに生ければ |
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八 ラケル我~の爭をもて姊と爭ひて勝ぬといひて其名をナフタリと名けたり |
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九 玆にレア產ことの止たるを見しかば其仕女ジルパをとりて之をヤコブにあたへて妻となさしむ |
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一〇 レアの仕女ジルパ、ヤコブに子を產ければ |
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一一 レア來れりといひて其名をガドと名けたり |
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一二 レアの仕女ジルパ次子をヤコブに生ければ |
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一三 レアいふ我は幸なり女等我を幸なる者となさんと其名をアセルとなづけたり |
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一四 玆に麥苅の日にルベン出ゆきて野にて戀茄を獲これを母レアの許にもちきたりければラケル、レアにいひけるは請ふ我に汝の子の戀茄をあたへよ |
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一五 レア彼にいひけるは汝のわが夫を奪しは微き事ならんや然るに汝またわが子の戀茄をも奪んとするやラケルいふ然ば汝の子の戀茄のために夫是夜汝と寢べし |
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一六 晩におよびてヤコブ野より來りければレア之をいでむかへて言けるは我誠にわが子の戀茄をもて汝を雇ひたれば汝我の所にいらざるべからずヤコブ即はち其夜彼といねたり |
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一七 ~レアに聽たまひければ彼妊みて第五の子をヤコブに生り |
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一八 レアいひけるは我わが仕女を夫に與へたれば~我に其値をたまへりと其名をイツサカルと名けたり |
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一九 レア復妊みて第六の子をヤコブに生り |
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二〇 レアいひけるは~我に嘉賚を貺ふ我六人の男子を生たれば夫今より我と偕にすまんと其名をゼブルンとなづけたり |
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二一 其後彼女子を生み其名をデナと名けたり |
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二二 玆に~ラケルを念ひ~彼に聽て其胎を開きたまひければ |
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二三 彼妊みて男子を生て曰ふ~わが恥辱を洒ぎたまへりと |
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二四 乃ち其名をヨセフと名けて言ふヱホバ又他の子を我に加へたまはん |
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二五 玆にラケルのヨセフを生むに及びてヤコブ、ラバンに言けるは我を歸して故クに我國に往しめよ |
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二六 わが汝に事て得たる所の妻子を我に與ヘて我を去しめよわが汝になしたる役事は汝之を知るなり |
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二七 ラバン彼にいひけるは若なんぢの意にかなはゞねがはくは留れ我ヱホバが汝のために我を祝みしを卜ひ得たり |
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二八 又言ふ汝の望む値をのべよ我之を與ふべし |
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二九 ヤコブ彼にいひけるは汝は如何にわが汝に事しか如何に汝の家畜を牧しかを知る |
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三〇 わが來れる前に汝の有たる者は鮮少なりしが揩ト遂に群をなすに至る吾來りてよりヱホバ汝を祝みたまへり然ども我は何時吾家を成にいたらんや |
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三一 彼言ふ我何を汝に與へんかヤコブいひけるは汝何物をも我に與ふるに及ばず汝若此事を我になさば我復汝の群を牧守ん |
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三二 即ち我今日徧く汝の群をゆきめぐりて其中より凡て斑なる者點なる者を移し綿羊の中の凡てKき者を移し山羊の中の點なる者と斑なる者を移さん是わが値なるべし |
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三三 後に汝來りてわが價値をしらぶる時わが義我にかはりて應をなすべし若わが所に山羊の斑ならざる者點ならざる者あり綿羊のKからざる者あらば皆盜る者となすべし |
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三四 ラパンいふ汝の言の如くなさんことを願ふ |
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三五 是に於て彼其日牡山羊の斑入なる者斑點なる者を移し凡て牝山羊の斑駁なる者斑點なる者キて身に白色ある者を移し又綿羊の中の凡てKき者を移して其子等の手に付せり |
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三六 而して彼己とヤコブの間に三日程の隔をたてたり |
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三七 玆にヤコブ楊柳と楓と桑の枝を執り皮を剝て白紋理を成り枝の白き所をあらはし |
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三八 其皮はぎたる枝を群の來りて飮むところの水槽と水鉢に立て群に向はしめ群をして水のみに來る時に孕ましむ |
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三九 群すなはち枝の前に孕みて斑入の者斑駁なる者斑點なる者を產しかば |
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四〇 ヤコブ其羔羊を區分ちラバンの群の面を其群の斑入なる者とKき者に對はしめたりしが己の群をば一所に置てラバンの群の中にいれざりき |
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四一 又家畜の壯健き者孕みたる時はヤコブ水槽の中にて其家畜の目の前に彼枝を置き枝の傍において孕ましむ |
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四二 然ど家畜の羸弱かる時は之を置ず是に困て羸弱者はラバンのとなり壯健者はヤコブのとなれり |
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四三 是に於て其人大に富饒になりて多の家畜と婢僕および駱駝驢馬を有にいたれり |
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創世記 |
第三一章 |
一 玆にヤコブ、ラバンの子等がヤコブわが父の所有を盡く奪ひ吾父の所有によりて此凡の榮光を獲たりといふを聞り |
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二 亦ヤコブ、ラバンの面を見るに己に對すること疇昔の如くならず |
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三 時にヱホバ、ヤコブに言たまひけるは汝の父の國にかへり汝の親族に至れ我汝と偕にをらんと |
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四 是に於てヤコブ人をやりてラケルとレアを野に招きて群の所に至らしめ |
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五 之にいひけるは我汝等の父の面を見るに其我に對すること疇昔の如くならず然どわが父の~は我と偕にいますなり |
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六 汝等がしるごとく我力を竭して汝らの父に事へたるに |
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七 汝等の父我を欺きて十次もわが値を易たり然ども~彼の我を害するを容したまはず |
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八 彼斑駁なる者は汝の傭値なるべしといへば群の生ところ皆斑駁なり斑入の者は汝の値なるべしといへば群の生ところ皆斑入なり |
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九 斯~汝らの父の家畜を奪て我に與へたまへり |
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一〇 群の孕む時に當りて我夢に目をあげて見しに群の上に乘る牡羊は皆斑入の者斑駁なる者白點なる者なりき |
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一一 時に~の使者夢の中に我に言ふヤコブよと我此にありと對へければ |
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一二 乃ち言ふ汝の目をあげて見よ群の上に乘る牡羊は皆斑入の者斑駁なる者白點なる者なり我ラバンが凡て汝に爲すところを鑒みる |
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一三 我はベテルの~なり汝彼處にて柱に膏を沃ぎ彼處にて我に誓を立たり今起て斯地を出て汝の親族の國に歸れと |
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一四 ラケルとレア對て彼にいひけるは我等の父の家に尙われらの分あらんや我等の產業あらんや |
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一五 我等は父に他人のごとくせらるゝにあらずや其は父我等を賣り亦我等の金を蝕减したればなり |
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一六 ~がわが父より取たまひし財寳は我等とわれらの子女の所屬なり然ばキて~の汝に言たまひし事を爲せ |
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一七 是に於てヤコブ起て子等と妻等を駱駝に乘せ |
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一八 其獲たる凡の家畜と凡の所有物即ちパダンアラムにてみづから獲たるところの家畜を携へ去てカナンの地に居所の其父イサクの所におもむけり |
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一九 時にラバンは羊の毛を剪んとて往てありラケル其父のもてるテラピムを竊めり |
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二〇 ヤコブは其去ことをスリア人ラバンに吿ずして潜に忍びいでたり |
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二一 即ち彼その凡の所有を挈へて逃去り起て河を渡りギレアデの山にむかふ |
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二二 ヤコブの逃去しこと三日におよびてラバンに聞えければ |
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二三 彼兄弟を率てその後を追ひしが七日路をへてギレアデの山にて之に追及ぬ |
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二四 ~夜の夢にスリア人ラバンに臨みて汝愼みて善も惡もヤコブに道なかれと之に吿たまへり |
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二五 ラバン遂にヤコブに追及しがヤコブは山に天幕を張ゐたればラバンもその兄弟と共にギレアデの山に天幕をはれり |
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二六 而してラバン、ヤコブに言けるは汝我に知しめずして忍びいで吾女等を劍をもて執たる者の如くにひき往り何ぞかゝる事をなすや |
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二七 何故に汝潜に逃さり我をはなれて忍いで我につげざりしや我歡喜と歌謠と鼗と琴をもて汝を送りしならんを |
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二八 何ぞ我をしてわが孫と女に接吻するを得ざらしめしや汝愚妄なる事をなせり |
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二九 汝等に害をくはふるの能わが手にあり然ど汝等の父の~昨夜我に吿て汝つゝしみて善も惡もヤコブに語べからずといへり |
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三〇 汝今父の家を甚く戀て歸んと願ふは善れども何ぞわが~を竊みたるや |
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三一 ヤコブ答へてラバンにいひけるは恐くは汝强て女を我より奪ならんと思ひて懼れたればなり |
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三二 汝の~を持を者を見ば之を生しおくなかれ我等の兄弟等の前にて汝の何物我の許にあるかをみわけて之を汝に取れと其はヤコブ、ラケルが之を竊しを知ざればなり |
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三三 是に於てラバン、ヤコブの天幕に入りレアの天幕に入りまた二人の婢の天幕にいりしが視いださゞればレアの天幕を出てラケルの天幕にいる |
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三四 ラケル已にテラピムを執て之を駱駝の鞍の下にいれて其上に坐しければラバン徧く天幕の中をさぐりたれども見いださゞりき |
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三五 時にラケル父にいひけるは婦女の經の習例の事わが身にあれば父の前に起あたはず願くは主之を怒り給ふなかれと是をもて彼さがしたれども遂にテラピムを見いださざりき |
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三六 是に於てヤコブ怒てラバンを謫即ちヤコブ應てラバンに言けるは我何の愆あり何の罪ありてか汝火急く我をおふや |
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三七 汝わが物を盡く索たるが汝の家の何物を見いだしたるや此にわが兄弟と汝の兄弟の前に其を置て我等二人の間をさばかしめよ |
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三八 我この二十年汝とともにありしが汝の牝綿羊と牝山羊其胎を殰ねしことなし又汝の群の牡綿羊は我食はざりき |
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三九 又嚙裂れたる者は我これを汝の所に持きたらずして自ら之を補へり又晝竊るるも夜竊るゝも汝わが手より之を要めたり |
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四〇 我は是ありつ晝は暑に夜は寒に犯されて目も寐るの遑なく |
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四一 此二十年汝の家にありたり汝の二人の女の爲に十四年汝の群のために六年汝に事たり然に汝は十次もわが値を易たり |
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四二 若わが父の~アブラハムの~イサクの畏む者我とともにいますにあらざれば汝今必ず我を空手にて去しめしならん~わが苦難とわが手の勞苦をかへりみて昨夜汝を責たまへるなり |
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四三 ラバン應てヤコブに言けるは女等はわが女子等はわが子群はわが群汝が見る者は皆わが所屬なり我今日此わが女等とその生たる子等に何をなすをえんや |
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四四 然ば來れ我と汝二人契約をむすび之を我と汝の間の證憑となすべし |
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四五 是に於てヤコブ石を執りこれを建て柱となせり |
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四六 ヤコブ又その兄弟等に石をあつめよといひければ即ち石をとりて垤を成れり斯て彼等彼處にて垤の上に食す |
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四七 ラパン之をヱガルサハドタ(證憑の垤)と名けヤコブ之をギレアデ(證憑の垤)と名けたり |
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四八 ラバン此垤今日われとなんぢの間の證憑たりといひしによりて其名はギレアデと稱らる |
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四九 又ミヅパ(觀望樓)と稱らる其は彼我等が互にわかるゝに及べる時ねがはくはヱホバ我と汝の間を監みたまへといひたればなり |
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五〇 彼又いふ汝もしわが女をなやまし或はわが女のほかに妻をめとらば人の我らと偕なる者なきも~我と汝のあひだにいまして證をなしたまふ |
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五一 ラバン又ヤコブにいふ我われとなんぢの間にたてたる此垤を視よ柱をみよ |
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五二 此垤證とならん柱證とならん我この垤を越て汝を害せじ汝この垤この柱を越て我を害せざれ |
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五三 アブラハムの~ナホルの~彼等の父の~われらの間を鞫きたまへとヤコブ乃ちその父イサクの畏む者をさして誓ヘり |
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五四 斯てヤコブ山にて犧牲をさゝげその兄弟を招きてパンを食しむ彼等パンを食て山に宿れり |
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五五 ラバン朝蚤に起き其孫と女に接吻して之を祝せりしかしてラバンゆきて某所にかへりぬ(*現在の訳ではここから三二章一節となり後は一節ずつずれていき三二章は三三節で終わります) |
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創世記 |
第三二章 |
一 玆にヤコブその途に進みしが~の使者これにあふ |
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二 ヤコブこれを見て是は~の陣營なりといひてその處の名をマハナイム(二營)となづけたり |
トーラ8部 |
三 かくてヤコブ己より前に使者をつかはしてセイルの地エドムの野にをる其兄エサウの所にいたらしむ |
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四 即ち之に命じて言ふ汝等かくわが主エサウにいふべし汝の僕ヤコブ斯いふ我ラバンの所に寄寓て今までとゞまれり |
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五 我牛驢馬羊僕婢あり人をつかはしてわが主に吿ぐ汝の前に恩をえんことを願ふなりと |
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六 使者ヤコブにかへりて言けるは我等汝の兄エサウの許に至れり彼四百人をしたがへて汝をむかへんとて來ると |
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七 是によりヤコブ大におそれ且くるしみ己とともにある人衆および羊と牛と駱駝を二隊にわかちて |
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八 言けるはエサウもし一の隊に來りて之をうたば遺れるところの一隊逃るべし |
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九 ヤコブまた言けるはわが父アブラハムの~わが父イサクの~ヱホバよ汝甞て我につげて汝の國にかへり汝の親族に到れ我なんぢを善せんといひたまへり |
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一〇 我はなんぢが僕にほどこしたまひし恩惠と眞實を一も受るにたらざるなり我わが杖のみを持てこのヨルダンを濟りしが今は二隊とも成にいたれり |
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一一 願くはわが兄の手よりエサウの手より我をすくひいだしたまへ我彼をおそる恐くは彼きたりて我をうち母と子とに及ばん |
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一二 汝は甞て我かならず汝を惠み汝の子孫を濱の沙の多して數ふべからざるが如くなさんといひたまへりと |
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一三 彼その夜彼處に宿りその手にいりし物の中より兄エサウへの禮物をえらべり |
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一四 即ち牝山羊二百牡山羊二十牝羊二百牡羊二十 |
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一五 乳駱駝と其子三十牝牛四十牡牛十牝の驢馬二十驢馬の子十 |
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一六 而して其群と群とをわかちて之を僕の手に授し僕にいひけるは吾に先ちて進み群と群との間を隔おくべし |
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一七 又その前者に命じて言けるはわが兄エサウ汝にあひ汝に問て汝は誰の人にして何處にゆくや是汝のまへなる者は誰の所有なるやといはば |
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一八 汝の僕ヤコブの所有にしてわが主エサウにたてまつる禮物なり視よ彼もわれらの後にをるといふべしと |
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一九 彼かく第二の者第三の者および凡て群々にしたがひゆく者に命じていふ汝等エサウにあふ時はかくの如く之にいふべし |
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二〇 且汝等いへ視よなんぢの僕ヤコブわれらの後にをるとヤコブおもへらく我わが前におくる禮物をもて彼を和めて然るのち其面を覿ん然ば彼われを接遇ることあらんと |
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二一 是によりて禮物かれに先ちて行く彼は其夜陣營の中に宿りしが |
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二二 其夜おきいでて二人の妻と二人の仕女および十一人の子を導きてヤボクの渡をわたれり |
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二三 即ち彼等をみちびきて川を渉らしめ又その有る物を渡せり |
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二四 而してヤコブ一人遺りしが人ありて夜の明るまで之と角力す |
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二五 其人己のヤコブに勝ざるを見てヤコブの髀の樞骨に觸しかばヤコブの髀の樞骨其人と角力する時挫離たり |
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二六 其人夜明んとすれば我をさらしめよといひければヤコブいふ汝われを祝せずばさらしめずと |
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二七 是に於て其人かれにいふ汝の名は何なるや彼いふヤコブなり |
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二八 其人いひけるは汝の名は重てヤコブととなふべからずイスラエルととなふべし共は汝~と人とに力をあらそひて勝たればなりと |
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二九 ヤコブ問て請ふ汝の名を吿よといひければ其人何故にわが名をとふやといひて乃ち其處にて之を祝せり |
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三〇 是を以てヤコブその處の名をペニエル(~の面)となづけて曰ふ我面と面をあはせて~とあひ見てわが生命なほ存るなりと |
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三一 斯て彼日のいづる時にペニエルを過たりしが其髀のために歩行はかどらざりき |
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三二 是故にイスラエルの子孫は今日にいたるまで髀の樞の巨筋を食はず是彼人がヤコブの髀の巨筋に觸たるによりてなり |
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創世記 |
第三三章 |
一 爰にヤコブ目をあげて視にエサウ四百人をひきゐて來しかば即ち子等を分ちてレアとラケルと二人の仕女とに付し |
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二 仕女とその子等を前におきレアとその子等を次におきラケルとヨセフを後におきて |
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三 自彼等の前に進み七度身を地にかゞめて遂に兄に近づきけるに |
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四 エサウ趨てこれを迎へ抱きてその頸をかゝへて之に接吻すしかして二人ともに啼泣り |
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五 エサウ目をあげて婦人と子等を見ていひけるは是等の汝とともなる者は誰なるやヤコブいひけるは~が僕に授たまひし子なりと |
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六 時に仕女等その子とともに近よりて拜し |
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七 レアも亦その子とともに近よりて拜す其後にヨセフとラケルちかよりて拜す |
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八 エサウ又いひけるは我あへる此ゥの群は何のためなるやヤコブいふ主の目の前に恩を獲んがためなり |
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九 エサウいひけるは弟よわが有ところの者は足り汝の所有は汝自ら之を有てよ |
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一〇 ヤコブいひけるは否我もし汝の目の前に恩をえたらんには請ふわが手よりこの禮物を受よ我汝の面をみるに~の面をみるがごとくなり汝また我をよろこぶ |
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一一 ~我をめぐみたまひて我が有ところの者足りされば請ふわが汝にたてまつる禮物を受よと彼に强ければ終に受たり |
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一二 エサウいひけるは我等いでたちてゆかん我汝にさきだつべし |
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一三 ヤコブ彼にいひけるは主のしりたまふごとく子等は幼弱し又子を持る羊と牛と我にしたがふ若一日これを驅すごさば群みな死ん |
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一四 請ふわが主僕にさきだちて進みたまへ我はわが前にゆくところの家畜と子女の足にまかせて徐に導きすゝみセイルにてわが主に詣らん |
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一五 エサウいひけるは然ば我わがひきゐる人數人を汝の所にのこさんヤコブいひけるは何ぞ此を須んや我をして主の目のまへに恩を得せしめよ |
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一六 是に於てエサウは此日その途にしたがひてセイルに還りぬ |
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一七 斯てヤコブ、スコテに進みて己のために家を建て又家畜のために廬を作れり是によりて其處の名をスコテ(廬)といふ |
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一八 ヤコブ、パダンアラムより來りて恙なくカナンの地にあるシケムの邑に至り邑の前にその天幕を張り |
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一九 遂に其天幕をはりしところの野をシケムの父ハモルの子等の手より金百枚にて購とり |
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二〇 彼處に壇をきづきて之をエル、エロヘ、イスラエル(イスラエルの~なる~)となづけたり |
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創世記 |
第三四章 |
一 レアのヤコブに生たる女デナその國の婦女を見んとていでゆきしが |
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二 その國の君主なるヒビ人ハモルの子シケムこれを見て之をひきいれこれと寢てこれを辱しむ |
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三 而してその心ふかくヤコブの女デナを戀ひて彼此女を愛しこの女の心をいひなだむ |
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四 斯てシケムその父ハモルに語り此少き女をわが妻に獲よといへり |
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五 ヤコブ彼がその女子デナを汚したることを聞しかどもその子等家畜を牧て野にをりしによりて其かへるまでヤコブ默しゐたり |
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六 シケムの父ハモル、ヤコブの許にいできたりて之と語らふ |
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七 玆にヤコブの子等野より來りしが之を聞しかば其人々憂へかつ甚く怒れり是はシケムがヤコブの女と寢てイスラエルに愚なる事をなしたるに困り是のごとき事はなすべからざる者なればなり |
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八 ハモル彼等に語りていひけるはわが子シケム心になんぢの女を戀ふねがはくは彼をシケムにあたへて妻となさしめよ |
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九 汝ら我らと婚姻をなし汝らの女を我らにあたへ我らの女を汝らに娶れ |
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一〇 かくして汝等われらとともに居るべし地は汝等の前にあり此に住て貿易をなし此にて產業を獲よ |
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一一 シケム又デナの父と兄弟等にいひけるは我をして汝等の目のまへに恩を獲せしめよ汝らが我にいふところの者は我あたへん |
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一二 いかに大なる聘物と禮物を要るも汝らがわれに言ふごとくあたへん唯この女を我にあたへて妻となさしめよ |
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一三 ヤコブの子等シケムとその父ハモルに詭りて答へたり即ちシケムがその妹デナを汚したるによりて |
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一四 彼等これに語りていひけるは我等この事を爲あたはず割禮をうけざる者にわれらの妹をあたふるあたはず是われらの恥辱なればなり |
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一五 然ど斯せば我等汝らに允さん若し汝らの中の男子みな割禮をうけてわれらの如くならば |
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一六 我等の女子を汝等にあたへ汝らの女子をわれらに娶り汝らと偕にをりて一の民とならん |
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一七 汝等もし我等に聽ずして割禮をうけずば我等女子をとりて去べしと |
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一八 彼等の言ハモルとハモルの子シケムの心にかなへり |
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一九 此若き人ヤコブの女を愛するによりて其事をなすを遲せざりき彼はその父の家の中にて最貴れたる者なり |
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二〇 ハモルとその子シケム乃ちその邑の門にいたり邑の人々に語りていひけるは |
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二一 是人々は我等と睦し彼等をして此地に住て此に貿易をなさしめよ地は廣くして彼らを容るにたるなり我ら彼らの女を妻にめとり我らの女をかれらに與へん |
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二二 若唯われらの中の男子みな彼らが割禮をうくるごとく割禮を受なば此人々われらに聽てわれらと偕にをり一の民となるべし |
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二三 然ばかれらの家畜と財產と其ゥの畜は我等が所有となるにあらずや只かれらに聽んしからば彼らわれらとともにをるべしと |
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二四 邑の門に出入する者みなハモルとその子シケムに聽したがひ邑の門に出入する男子皆割禮を受たり |
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二五 斯て三日におよび彼等その痛をおぼゆる時ヤコブの子二人即ちデナの兄弟なるシメオンとレビ各劍をとり往て思よらざる時に邑を襲ひ男子を悉く殺し |
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二六 利刃をもてハモルとその子シケムをころしシケムの家よりデナを携へいでたり |
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二七 而してヤコブの子等ゆきて其殺されし者を剝ぎ其邑をかすめたり是彼等がその妹を汚したるによりてなり |
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二八 またその羊と牛と驢馬およびその邑にある者と野にある者 |
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二九 並にそのゥの貨財を奪ひその子女と妻等を悉く擄にし家の中の物を悉く掠めたり |
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三〇 ヤコブ、シメオンとレビに言けるは汝等我を累はし我をして此國の人即ちカナン人とペリジ人の中に避嫌れしむ我は數すくなければ彼ら集りて我をせめ我をころさん然ば我とわが家滅さるべし |
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三一 彼等いふ彼豈われらの妹を娼妓のごとくしてよからんや |
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創世記 |
第三五章 |
一 玆に~ヤコブに言たまひけるは起てベテルにのぼりて彼處に居り汝が昔に兄エサウの面をさけて逃る時に汝にあらはれし~に彼處にて壇をきづけと |
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二 ヤコブ乃ちその家人および凡て己とともなる者にいふ汝等の中にある異~を棄て身をCめて衣服を易よ |
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三 我等起てベテルにのぼらん彼處にて我わが苦患の日に我に應へわが往ところの途にて我とともに在せし~に壇をきづくべし |
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四 是に於て彼等その手にある異~およびその耳にある耳環を盡くヤコブに與しかばヤコブこれをシケムの邊なる橡樹の下に埋たり |
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五 斯て彼等いでたちしが~其四周の邑々をして懼れしめたまひければヤコブの子の後を追ふ者なかりき |
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六 ヤコブ及び之と共なるゥの人遂にカナンの地にあるルズに至る是即ちベテルなり |
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七 彼かしこに壇をきづき其處をエルベテルと名けたり是は兄の面をさけて逃る時に~此にて己にあらはれ給しによりてなり |
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八 時にリベカの乳媼デボラ死たれば之をベテルの下にて橡樹の下に葬れり是によりてその樹の名をアロンバクテ(哀哭の橡)といふ |
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九 ヤコブ、パダンアラムより歸りし時~復これにあらはれて之を祝したまふ |
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一〇 ~かれに言たまはく汝の名はヤコブといふ汝の名は重てヤコブとよぶべからずイスラエルを汝の名とすべしとその名をイスラエルと稱たまふ |
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一一 ~また彼にいひたまふ我は全能の~なり生よ殖よ國民および多の國民汝よりいで又王等なんぢの腰よりいでん |
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一二 わがアブラハムおよびイサクに與し地は我これを汝にあたへん我なんぢの後の子孫にその地をあたふべしと |
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一三 ~かれと言たまひし處より彼をはなれて昇りたまふ |
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一四 是に於てヤコブ~の己と言いひたまひし處に柱すなはち石の柱を立て其上に酒を灌ぎまたその上に膏を沃げり |
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一五 而してヤコブ~の己とものいひたまひし處の名をベテルとなづけたり |
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一六 かくてヤコブ等ベテルよりいでたちしがエフラタに至るまでは尙路の隔ある處にてラケル產にのぞみその產おもかりき |
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一七 彼難產にのぞめる時產婆之にいひけるは懼るなかれ汝また此男の子を得たり |
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一八 彼死にのぞみてその魂さらんとする時その子の名をベノニ(吾苦痛の子)と呼たり然ど其父これをベニヤミン(右手の子)となづけたり |
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一九 ラケル死てエフラタの途に葬らる是即ちベテレヘムなり |
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二〇 ヤコブその墓に柱を立たり是はラケルの墓の柱といひて今日まで在り |
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二一 イスラエル復いでたちてエダルの塔の外にその天幕を張り |
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二二 イスラエルかの地に住る時にルベン往て父の妾ビルハと寢たりイスラエルこれを聞く夫ヤコブの子は十二人なり |
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二三 即ちレアの子はヤコブの長子ルベンおよびシメオン、レビ、ユダ、イツサカル、ゼブルンなり |
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二四 ラケルの子はヨセフとベニヤミンなり |
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二五 ラケルの仕女ビルハの子はダンとナフタリなり |
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二六 レアの仕女ジルパの子はガドとアセルなり是等はヤコブの子にしてパダンアラムにて彼に生れたる者なり |
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二七 ヤコブ、キリアテアルバのマムレにゆきてその父イサクに至れり是すなはちヘブロンなり彼處はアブラハムとイサクの寄寓しところなり |
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二八 イサクの齡は百八十歲なりき |
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二九 イサク老て年滿ち氣息たえ死にて其民にくはゝれりその子エサウとヤコブ之をはうむる |
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創世記 |
第三六章 |
一 エサウの傳はかくのごとしエサウはすなはちエドムなり |
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二 エサウ、カナンの女の中より妻をめとれり即ちヘテ人エロンの女アダおよびヒビ人ヂベオンの女なるアナの女アホリバマ是なり |
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三 又イシマエルの女ネバヨテの妹バスマテをめとれり |
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四 アダはエリパズをエサウに生みバスマテはリウエルを生み |
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五 アホリバマはヱウシ、ヤラムおよびコラを生り是等はエサウの子にしてカナンの地に於て彼に生れたる者なり |
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六 エサウその妻と子女およびその家のゥの人並に家畜とゥの畜類およびそのカナンの地にて獲たるゥの物を挈へて弟ヤコブをはなれて他の地にゆけり |
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七 其は二人の富有多くして俱にをるあたはざればなり彼らが寄寓しところの地はかれらの家畜のためにかれらを容るをえざりき |
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八 是に於てエサウ、セイル山に住りエサウはすなはちエドムなり |
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九 セイル山にをりしエドミ人の先祖エサウの傳はかくのごとし |
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一〇 エサウの子の名は左のごとしエサウの妻アダの子はエリパズ、エサウの妻バスマテの子はリウエル |
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一一 エリパズの子はテマン、オマル、ゼポ、ガタムおよびケナズなり |
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一二 テムナはエサウの子エリパズの妾にしてアマレクをエリパズに生り是等はエサウの妻アダの子なり |
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一三 リウエルの子は左のごとしナハテ、ゼラ、シヤンマおよびミザ是等はエサウの妻バスマテの子なり |
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一四 ヂベオンの女なるアナの女にしてエサウの妻なるアホリバマの子は左のごとし彼ヱウシ、ヤラムおよびコラをエサウに生り |
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一五 エサウの子孫の侯たる者は左のごとしエサウの冢子エリパズの子にはテマン候オマル侯ゼポ侯ケナズ侯 |
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一六 コラ侯ガタム侯アマレク侯是等はエリパズよりいでたる侯にしてエドムの地にありき是等はアダの子なり |
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一七 エサウの子リウエルの子は左のごとしナハテ侯ゼラ侯シヤンマ侯ミザ侯是等はリウエルよりいでたる侯にしてエドムの地にありき是等はエサウの妻バスマテの子なり |
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一八 エサウの妻アホリバマの子は左のごとしヱウシ侯ヤラム侯コラ侯是等はアナの女にしてエサウの妻なるアホリバマよりいでたる侯なり |
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一九 是等はエサウすなはちエドムの子孫にしてその侯たる者なり |
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二〇 素より此地に住しホリ人セイルの子は左のごとしロタン、シヨバル、ヂベオン、アナ |
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二一 デシヨン、エゼル、デシヤン是等はセイルの子ホリ人の中の侯にしてエドムの地にあり |
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二二 ロタンの子はホリ、ヘマムなりロタンの妹はテムナ |
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二三 シヨバルの子は左のごとしアルワン、マナハテ、エバル、シポ、オナム |
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二四 ヂベオンの子は左のごとし即ちアヤとアナ此アナその父ヂベオンの驢馬を牧をりし時曠野にて溫泉を發見り |
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二五 アナの子は左のごとしデシヨンおよびアホリバマ、アホリバマはアナの女なり |
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二六 デシヨンの子は左のごとしヘムダン、エシバン、イテラン、ケラン |
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二七 エゼルの子は左のごとしビルハン、ザワン、ヤカン |
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二八 デシヤンの子は左のごとしウヅ、アラン |
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二九 ホリ人の侯たる者は左のごとしロタン侯シヨバル侯ヂベオン侯アナ侯 |
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三〇 デシヨン侯エゼル侯デシヤン侯是等はホリ人の侯にしてその所領にしたがひてセイルの地にあり |
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三一 イスラエルの子孫を治むる王いまだあらざる前にエドムの地を治めたる王は左のごとし |
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三二 ベオルの子ベラ、エドムに王たりそのキの名はデナバといふ |
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三三 ベラ薨てボヅラのゼラの子ヨバブ之にかはりて王となる |
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三四 ヨバブ薨てテマン人の地のホシヤムこれにかはりて王となる |
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三五 ホシヤム薨てベダデの子ハダデこれに代て王となる彼モアブの野にてミデアン人を擊しことあり其邑の名はアビテといふ |
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三六 ハダデ薨てマスレカのサムラこれにかはりて王となる |
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三七 サムラ薨て河の旁なるレホボテのサウル之にかはりて王となる |
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三八 サウル薨てアクボルの子バアルハナンこれに代りて王となる |
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三九 アクボルの子バアルハナン薨てハダル之にかはりて王となる其キの名はパウといふその妻の名はメヘタベルといひてマテレデの女なりマテレデはメザハブの女なり |
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四〇 エサウよりいでたる侯の名はその宗族と居處と名に循ひていへば左のごとしテムナ侯アルワ侯エテテ侯 |
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四一 アホリバマ侯エラ侯ピノン侯 |
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四二 ケナズ侯テマン侯ミブザル侯 |
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四三 マグデエル侯イラム侯是等はエドムの侯にして其領地の居處によりて言る者なりエドミ人の先祖はエサウ是なり |
トーラ9部 |
創世記 |
第三七章 |
一 ヤコブはカナンの地に住り即ちその父が寄寓し地なり |
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二 ヤコブの傳は左のごとしヨセフ十七歲にしてその兄弟と偕に羊を牧ふヨセフは童子にしてその父の妻ビルハの子およびジルパの子と侶たりしが彼等の惡き事を父につぐ |
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三 ヨセフは老年子なるが故にイスラエルそのゥの兄弟よりも深くこれを愛しこれがために綵る衣を製れり |
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四 その兄弟等父がそのゥの兄弟よりも深く彼を愛するを見て彼を惡み穩和に彼にものいふことを得せざりき |
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五 玆にヨセフ夢をみてその兄弟に吿ければ彼等愈これを惡めり |
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六 ヨセフ彼等にいひけるは請ふわが夢たる此夢を聽け |
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七 我等田の中に禾束をむすび居たるにわが禾束おき且立り而して汝等の禾束環りたちてわが禾束を拜せり |
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八 その兄弟等之にいひけるは汝眞にわれらの君となるや眞に我等ををさむるにいたるやとその夢とその言のためにuこれを惡めり |
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九 ヨセフ又一の夢をみて之をその兄弟に述ていひけるは我また夢をみたるに日と月と十一の星われを拜せりと |
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一〇 則ちこれをその父と兄弟に述ければ父かれを戒めて彼にいふ汝が夢しこの夢は何ぞや我と汝の母となんぢの兄弟と實にゆきて地に鞠て汝を拜するにいたらんやと |
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一一 斯しかばその兄弟かれを嫉めり然どその父はこの言をおぼえたり |
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一二 玆にその兄弟等シケムにゆきて父の羊を牧ゐたりしかば |
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一三 イスラエル、ヨセフにいひけるは汝の兄弟はシケムにて羊を牧をるにあらずや來れ汝を彼等につかはさんヨセフ父にいふ我こゝにあり |
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一四 父かれにいひけるは請ふ往て汝の兄弟と群の恙なきや否を見てかへりて我につげよと彼をヘブロンの谷より遣はしければ遂にシケムに至る |
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一五 或人かれに遇ふに彼野にさまよひをりしかば其人かれに問て汝何をたづぬるやといひければ |
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一六 彼いふ我はわが兄弟等をたづぬ請ふかれらが羊をかひをる所をわれに吿よ |
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一七 その人いひけるは彼等は此をされり我かれらがドタンにゆかんといふを聞たりと是に於てヨセフその兄弟の後をおひゆきドタンにて之に遇ふ |
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一八 ヨセフの彼等に近かざる前に彼ら之を遙に見てこれを殺さんと謀り |
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一九 互にいひけるは視よ作夢者きたる |
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二〇 去來彼をころして阱に投いれ或惡き獸これを食たりと言ん而して彼の夢の如何になるかを觀るべし |
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二一 ルベン聞てヨセフを彼等の手より拯ひいださんとして言けるは我等これを殺すべからず |
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二二 ルベンまた彼らにいひけるは血をながすなかれ之を曠野の此阱に投いれて手をこれにつくるなかれと是は之を彼等の手よりすくひいだして父に歸んとてなりき |
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二三 玆にヨセフ兄弟の許に到りければ彼等ヨセフの衣即ちその着たる綵る衣を褫ぎ |
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二四 彼を執て阱に投いれたり阱は空にしてその中に水あらざりき |
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二五 斯して彼等坐てパンを食ひ目をあげて見しに一群のイシマエル人駱駝に香物と乳香と沒藥をおはせてエジプトにくだりゆかんとてギレアデより來る |
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二六 ユダその兄弟にいひけるは我儕弟をころしてその血を匿すも何のuかあらん |
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二七 去來彼をイシマエル人に賣ん彼は我儕の兄弟われらの肉なればわれらの手をかれにつくべからずと兄弟等これを善とす |
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二八 時にミデアンの商旅經過ければヨセフを阱よりひきあげ銀二十枚にてヨセフをイシマエル人に賣り彼等すなはちヨセフをエジプトにたづさへゆきぬ |
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二九 玆にルベンかへりて阱にいたり見しにヨセフ阱にをらざりしかばその衣を裂き |
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三〇 兄弟の許にかへりて言ふ童子はをらず嗚呼我何處にゆくべきや |
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三一 斯てかれらヨセフの衣をとり牡山羊の羔をころしてその衣を血に濡し |
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三二 その綵る衣を父におくり遣していひけるは我等これを得たりなんぢの子の衣なるや否を知れと |
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三三 父これを知りていふわが子の衣なり惡き獸彼をくらへりヨセフはかならずさかれしならんと |
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三四 ヤコブその衣を裂き麻布を腰にまとひ久くその子のためになげけり |
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三五 その子女みな起てかれを慰むれどもその慰藉をうけずして我は哀きつゝ陰府にくだりて我子のもとにゆかんといふ斯その父かれのために哭ぬ |
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三六 偖ミデアン人はエジプトにてパロの侍衞の長ポテパルにヨセフを賣り |
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創世記 |
第三八章 |
一 當時ユダ兄弟をはなれて下りアドラム人名はヒラといふ者の近邊に天幕をはりしが |
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二 ユダかしこにてカナン人名はシユアといふ者の女子を見これを娶りてその所にいる |
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三 彼はらみて男子を生みければユダその名をエルとなづく |
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四 彼ふたたび孕みて男子を生みその名をオナンとなづけ |
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五 またかさねて孕みて男子を生みてその名をシラとなづく此子をうみける時ユダはクジブにありき |
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六 ユダその長子エルのために妻をむかふその名をタマルといふ |
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七 ユダの長子エル、ヱホバの前に惡をなしたればヱホバこれを死しめたまふ |
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八 玆にユダ、オナンにいひけるは汝の兄の妻の所にいりて之をめとり汝の兄をして子をえせしめよ |
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九 オナンその子の己のものとならざるを知たれば兄の妻の所にいりし時兄に子をえせしめざらんために地に洩したり |
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一〇 斯なせし事ヱホバの目に惡かりければヱホバ彼をも死しめたまふ |
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一一 ユダその媳タマルにいひけるは嫠婦となりて汝の父の家にをりわが子シラの人となるを待てと恐らくはシラも亦その兄弟のごとく死るならんとおもひたればなりタマルすなはち往てその父の家にをる |
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一二 日かさなりて後シユアの女ユダの妻死たりユダ慰をいれてその友アドラム人ヒラとともにテムナにのぼりその羊毛を剪る者の所にいたる |
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一三 玆にタマルにつげて視よなんぢの舅はその羊の毛を剪んとてテムナにのぼるといふ者ありしかば |
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一四 彼その嫠の服を脫すて被衣をもて身をおほひつゝみテムナの途の側にあるエナイムの入口に坐す其はシラ人となりたれども己これが妻にせられざるを見たればなり |
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一五 彼その面を蔽ひゐたりしかばユダこれを見て娼妓ならんとおもひ |
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一六 途の側にて彼に就き請ふ來りて我をして汝の所にいらしめよといふ其はその子の妻なるをしらざればなり彼いひけるは汝何を我にあたへてわが所にいらんとするや |
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一七 ユダいひけるは我群より山羊の羔をおくらん彼いふ汝其をおくるまで質をあたへんか |
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一八 ユダ何の質をなんぢに與ふべきやといふに彼汝の印と綬と汝の手の杖をといひければ則ちこれを與へて彼の所にいりぬ彼ユダに由て妊めり |
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一九 彼起て去りその被衣をぬぎすて嫠婦の服をまとふ |
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二〇 かくてユダ婦の手より質をとらんとてその友アドラム人の手に托して山羊の羔をおくりけるが彼婦を見ざれば |
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二一 その處の人に問て途の側なるエナイムの娼妓は何處にをるやといふに此には娼妓なしといひければ |
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二二 ユダの許にかへりていふ我彼を見いださず亦その處の人此には娼妓なしといへりと |
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二三 ユダいひけるは彼にとらせおけ恐くはわれら笑ネとならん我この山羊の羔をおくりたるに汝かれを見ざるなりと |
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二四 三月ばかりありて後ユダに吿る者ありていふ汝の媳タマル姦淫をなせり亦その姦淫によりて妊めりとユダいひけるは彼を曳いだして焚べし |
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二五 彼ひきいだされし時その舅にいひつかはしけるは是をもてる人によりて我は妊りと彼すなはち請ふこの印と綬と杖は誰の所屬なるかを辨別よといふ |
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二六 ユダこれを見識ていひけるは彼ね我よりも正しわれ彼をわが子シラにあたへざりしによりてなりと再びこれを知らざりき |
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二七 かくて產の時にいたりて見るにその胎に孿あり |
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二八 その產時手出しかば產婆是首にいづといひて綘き線をとりてその手にしばりしが |
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二九 手を引こむるにあたりて兄弟いでたれば汝なんぞ坼いづるやその坼汝に歸せんといへり故にその名はペレヅ(坼)と稱る |
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三〇 その兄弟手に綘線のある者後にいづその名はゼラとよばる |
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創世記 |
第三九章 |
一 ヨセフ挈へられてエジプトにくだりしがエジプト人ボテパル、パロの臣侍衞の長なる者彼を其處にたづさへくだれるイシマエル人の手よりこれを買ふ |
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二 ヱホバ、ヨセフとともに在す彼亨通者となりてその主人なるエジプト人の家にをる |
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三 その主人ヱホバの彼とともにいますを見またヱホバがかれの手の凡てなすところを亨通しめたまふを見たり |
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四 是によりてヨセフかれの心にかなひて其近侍となる彼ヨセフにその家を宰どらしめその所有を盡くその手に委たり |
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五 彼ヨセフにその家とその有る凡の物をつかさどらせし時よりしてヱホバ、ヨセフのために其エジプト人の家を祝みたまふ即ちエホバの祝かれが家と田に有る凡の物におよぶ |
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六 彼その有る物をことごとくヨセフの手にゆだねその食ふパンの外は何をもかへりみざりき夫ヨセフは容貌麗しくして顏美しかりき |
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七 これらの事の後その主人の妻ヨセフに目をつけて我と寢よといふ |
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八 ヨセフ拒みて主人の妻にいひけるは視よわが主人家の中の物をかへりみずその有るものことごとくわが手に委ぬ |
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九 この家には我より大なるものなし又主人何をも我に禁ぜず只汝を除くのみ汝はその妻なればなり然ば我いかで此おほいなる惡をなして~に罪ををかすをえんや |
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一〇 彼日々にヨセフに言よりたれどもヨセフきかずして之といねず亦與にをらざりき |
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一一 當時ヨセフその職をなさんとて家にいりしが家の人一箇もその內にをらざりき |
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一二 時に彼婦その衣を執て我といねよといひければヨセフ衣を彼の手に棄おきて外に遁いでたり |
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一三 彼ヨセフがその衣を己の手に棄おきて遁いでしを見て |
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一四 その家の人々を呼てこれにいふ視よヘブル人を我等の所につれ來て我等にたはむれしむ彼我といねんとて我の所にいり來しかば我大聲によばはれり |
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一五 彼わが聲をあげて呼はるを聞しかばその衣をわが許にすておきて外に遁いでたりと |
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一六 其衣を傍に置て主人の家に歸るを待つ |
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一七 かくて彼是言のごとく主人につげていふ汝が我らに携へきたりしヘブルの僕われにたはむれんとて我許にいりきたりしが |
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一八 我聲をあげてよばはりしかばその衣を我許にすておきて遁いでたり |
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一九 主人その妻が己につげて汝の僕斯のごとく我になせりといふ言を聞て怒を發せり |
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二〇 是に於てヨセフの主人彼を執へて獄にいる其獄は王の囚徒を繫ぐ所なりヨセフ彼處にて獄にをりしが |
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二一 ヱホバ、ヨセフとともに在して之に仁慈を加へ典獄の恩顧をこれにえさせたまひければ |
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二二 典獄獄にある囚人をことごとくヨセフの手に付せたり其處になす所の事は皆ヨセフこれをなすなり |
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二三 典獄そのまかせたる所の事は何をもかへりみざりき其はヱホバ、ヨセフとともにいませばなりヱホバかれのなすところをさかえしめたまふ |
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創世記 |
第四〇章 |
一 これらの事の後エジプト王の酒人と膳夫その主エジプト王に罪ををかす |
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二 パロその二人の臣すなはち酒人の長と膳夫の長を怒りて |
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三 之を侍衞の長の家の中なる獄に幽囚ふヨセフが繫れをる所なり |
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四 侍衞の長ヨセフをして彼等の側に侍しめたればヨセフ之につかふ彼等幽囚れて日を經たり |
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五 玆に獄に繫れたるエジプト王の酒人と膳夫の二人ともに一夜の中に各夢を見たりその夢はおのおのその解明にかなふ |
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六 ヨセフ朝に及びて彼等の所に入て視るに彼等物憂に見ゆ |
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七 是に於てヨセフその主人の家に己とともに幽囚をるパロの臣に問て汝等なにゆゑに今日は顏色あしきやといふに |
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八 彼等これにいふ我等夢を見たれど之を解く者なしとヨセフ彼等にいひけるは解く事は~によるにあらずや請ふ我に述よ |
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九 酒人の長その夢をヨセフに述て之にいふ我夢の中に見しにわが前に一の葡萄樹あり |
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一〇 その樹に三の枝あり芽いで花ひらきて葡萄なり球をなして熟たるがごとくなりき |
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一一 時にパロの爵わが手にあり我葡萄を摘てこれをパロの爵に搾りその爵をパロの手に奉たり |
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一二 ヨセフかれにいひけるはその解明は是のごとし三の枝は三日なり |
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一三 今より三日の中にパロなんぢの首を擧げ汝を故の所にかへさん汝は曩に酒人たりし時になせし如くパロの爵をその手に奉ぐるにいたらん |
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一四 然ば請ふ汝善ならん時に我をおもひて我に恩惠をほどこし吾事をパロにのべてこの家よりわれを出せ |
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一五 我はまことにヘブル人の地より掠れ來しものなればなりまた此にても我は牢にいれらるゝがごとき事はなさざりしなり |
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一六 玆に膳夫の長その解明の善りしを見てヨセフにいふ我も夢を得て見たるに白きパン三筐わが首にありて |
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一七 その上の筐には膳夫がパロのために作りたる各種の饌ありしが鳥わが首の筐の中より之をくらへり |
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一八 ヨセフこたへていひけるはその解明はかくのごとし三の筐は三日なり |
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一九 今より三日の中にパロ汝の首を擧はなして汝を木に懸んしかして鳥汝の肉をくらひとるべしと |
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二〇 第三日はパロの誕辰なればパロそのゥの臣僕に筵席をなし酒人の長と膳夫の長をして首をその臣僕の中に擧しむ |
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二一 即ちバロ酒人の長をその職にかへしければ彼爵をパロの手に奉たり |
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二二 されど膳夫の長は木に懸らるヨセフの彼等に解明せるがごとし |
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二三 然るに酒人の長ヨセフをおぼえずして之を忘れたり |
トーラ10部 |
創世記 |
第四一章 |
一 二年の後パロ夢ることあり即ち河の濱にたちて |
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二 視るに七の美しき肥たる牝牛河よりのぼりて葦を食ふ |
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三 その後また七の醜き瘦たる牛河よりのぼり河の畔にて彼牛の側にたちしが |
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四 その醜き瘦たる牛かの美しき肥たる七の牛を食ひつくせりパロ是にいたりて寤む |
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五 彼また寢て再び夢るに一の莖に七の肥たる佳き穗いできたる |
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六 其のちに又しなびて東風に燒たる七の穗いできたりしが |
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七 その七のしなびたる穗かの七の肥實りたる穗を呑盡せりパロ寤て見に夢なりき |
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八 パロ朝におよびてその心安からず人をつかはしてエジプトの法術士とその博士を皆ことごとく召し之にその夢を述たり然ど之をパロに解うる者なかりき |
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九 時に酒人の長パロに吿ていふ我今日わが過をおもひいづ |
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一〇 甞てパロその僕を怒て我と膳夫の長を侍衞の長の家に幽囚へたまひし時 |
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一一 我と彼ともに一夜のうちに夢み各その解明にかなふ夢をみたりしが |
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一二 彼處に侍衞の長の僕なる若きヘブル人我らと偕にあり我等これにのべたれば彼われらの夢を解その夢にしたがひて各人に解明をなせり |
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一三 しかして其事かれが解たるごとくなりて我はわが職にかへり彼は木に懸らる |
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一四 是に於てパロ人をやりてヨセフを召しければ急ぎてこれを獄より出せりヨセフすなはち鬚を薙り衣をかへてパロの許にいり來る |
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一五 パロ、ヨセフにいひけるは我夢をみたれど之をとく者なし聞に汝は夢をきゝて之を解くことをうると云ふ |
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一六 ヨセフ、パロにこたへていひけるは我によるにあらず~パロの平安を吿たまはん |
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一七 パロ、ヨセフにいふ我夢に河の岸にたちて見るに |
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一八 河より七の肥たる美しき牝牛のぼりて葦を食ふ |
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一九 後また弱く甚だ醜き瘠たる七の牝牛のぼりきたる其惡き事エジプト全國にわが未だ見ざるほどなり |
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二〇 その瘠たる醜き牛初の七の肥たる牛を食ひつくしたりしが |
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二一 已に腹にいりても其腹にいりし事しれず尙前のごとく醜かりき我是にいたりて寤めたり |
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二二 我また夢に見るに七の實たる佳き穗一の莖にいできたる |
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二三 その後にまたいぢけ萎びて東風にやけたる七の穗生じたりしが |
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二四 そのしなびたる穗かの七の佳穗を呑つくせり我これを法術士に吿たれどもわれにこれをしめすものなし |
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二五 ヨセフ、パロにいひけるはパロの夢は一なり~その爲んとする所をパロに示したまへるなり |
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二六 七の美牝牛は七年七の佳穗も七年にして夢は一なり |
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二七 其後にのぼりし七の瘠たる醜き牛は七年にしてその東風にやけたる七の空穗は七年の饑饉なり |
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二八 是はわがパロに申すところなり~そのなさんとするところをパロにしめしたまふ |
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二九 エジプトの全地に七年の大なる豐年あるべし |
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三〇 その後に七年の凶年おこらん而してエジプトの地にありし豐作を皆忘るにいたるべし饑饉國を滅さん |
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三一 後にいたるその饑饉はなはだはげしきにより前の豐作國の中に知れざるにいたらん |
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三二 パロのふたゝび夢をかさね見たまひしは~がこの事をさだめて速に之をなさんとしたまふなり |
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三三 さればパロ慧く賢き人をえらみて之にエジプトの國を治めしめたまふべし |
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三四 パロこれをなし國中に官吏を置てその七年の豐年の中にエジプトの國の五分の一を取たまふべし |
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三五 而して其官吏をして來らんとするその善き年のゥの糧食を斂めてその穀物をパロの手に蓄へしめ糧食を邑々にかこはしめたまふべし |
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三六 その糧食を國のために蓄藏へおきてエジプトの國にのぞむ七年の饑饉に備へ國をして饑饉のために滅ざらしむべし |
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三七 パロとそのゥの臣僕此事を善とす |
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三八 是に於てパロその臣僕にいふ我等~の靈のやどれる是のごとき人を看いだすをえんやと |
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三九 しかしてパロ、ヨセフにいひけるは~是を盡く汝にしめしたまひたれば汝のごとく慧く賢き者なかるべし |
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四〇 汝わが家を宰るべしわが民みな汝の口にしたがはん唯位においてのみ我は汝より大なるべし |
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四一 パロ、ヨセフにいひけるは視よ我汝をエジプト全國の冢宰となすと |
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四二 パロすなはち指環をその手より脫して之をヨセフの手にはめ之に白布を衣せ金の索をその項にかけ |
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四三 之をして己のもてる次の輅に乘しめ下にゐよと其前に呼しむ是彼をエジプト全國の冢宰となせり |
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四四 パロ、ヨセフにいひけるは我はパロなりエジプト全國に汝の允准をえずして手足をあぐる者なかるべしと |
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四五 パロ、ヨセフの名をザフナテパネアと名けまたオンの祭司ポテパルの女アセナテを之にあたへて妻となさしむヨセフいでてエジプトの地をめぐる |
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四六 ヨセフはエジプトの王パロのまへに立し時三十歲なりきヨセフ、パロのまへを出て遍くエジプトの地を巡れり |
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四七 七年の豐年の中に地山なして物を生ず |
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四八 ヨセフすなはちエジプトの地にありしその七年の糧食を斂めてその糧食を邑々に藏む即ち邑の周圍の田圃の糧食を其邑の中に藏む |
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四九 ヨセフ海隅の沙のごとく甚だ多く穀物を儲へ遂に數ふることをやむるに至る其は數かぎり無れぼなり |
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五〇 饑饉の歲のいたらざる前にヨセフに二人の子うまる是はオンの祭司ポテパルの女アセナテの生たる者なり |
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五一 ヨセフその冢子の名をマナセ(忘)となづけて言ふ~我をしてわがゥの苦難とわが父の家の凡の事をわすれしめたまふと |
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五二 又次の子の名をエフライム(多く生る)となづけていふ~われをしてわが艱難の地にて多くの子をえせしめたまふと |
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五三 爰にエジプトの國の七年の豐年をはり |
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五四 ヨセフの言しごとく七年の凶年きたりはじむその饑饉はゥの國にあり然どエジプト全國には食物ありき |
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五五 エジプト全國饑し時民さけびてバロに食物を乞ふパロ、エジプトのゥの人にいひけるはヨセフに往け彼が汝等にいふところをなせと |
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五六 饑饉全地の面にありヨセフすなはちゥの倉廩をひらきてエジプト人に賣わたせり饑饉ますますエジプトの國にはげしくなる |
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五七 饑饉ゥの國にはげしくなりしかばゥ國の人エジプトにきたりヨセフにいたりて穀物を買ふ |
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創世記 |
第四二章 |
一 ヤコブ、エジプトに穀物あるを見しかばその子等にいひけるは汝等なんぞたがひに面を見あはするや |
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二 ヤコブまたいふ我エジプトに穀物ありと聞り彼處にくだりて彼處より我等のために買きたれ然らばわれら生るを得て死をまぬかれんと |
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三 ヨセフの十人の兄弟エジプトにて穀物をかはんとて下りゆけり |
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四 されどヨセフの弟ベニヤミンはヤコブこれをその兄弟とともに遣さざりきおそらくは災難かれの身にのぞむことあらんと思たればなり |
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五 イスラエルの子等穀物を買んとて來る者とともに來る其はカナンの地に饑饉ありたればなり |
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六 時にヨセフは國の總督にして國の凡の人に賣ことをなせりヨセフの兄弟等來りてその前に地に伏て拜す |
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七 ヨセフその兄弟を見てこれを知たれども知ざる者のごとくして荒々しく之にものいふ即ち彼等に汝等は何處より來れるやといへば彼等いふ糧食を買んためにカナンの地より來れりと |
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八 ヨセフはその兄弟をしりたれども彼等はヨセフをしらざりき |
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九 ヨセフその昔に彼等の事を夢たる夢を憶いだし彼等にいひけるは汝等は間者にして此國の隙を窺んとて來れるなり |
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一〇 彼等之にいひけるはわが主よ然らず唯糧食をかはんとて僕等は來れるなり |
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一一 我等はみな一箇の人の子にして篤實なる者なり僕等は間者にあらず |
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一二 ヨセフ彼等にいひけるは否汝等は此地の隙を窺んとて來れるなり |
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一三 彼等いひけるは僕等は十二人の兄弟にしてカナンの地の一箇の人の子なり季子は今日父とともにをる又一人はをらずなりぬ |
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一四 ヨセフかれらにいひけるはわが汝等につげて汝等は間者なりといひしはこの事なり |
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一五 汝等斯してその眞實をあかすべしパロの生命をさして誓ふ汝等の末弟ここに來るにあらざれば汝等は此をいづるをえじ |
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一六 汝等の一人をやりて汝等の弟をつれきたらしめよ汝等をば繫ぎおきて汝等の言をためし汝らの中に眞實あるや否をみんパロの生命をさして誓ふ汝等はかならず間者なりと |
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一七 彼等を皆ともに三日のあひだ幽囚をけり |
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一八 三日におよびてヨセフかれらにいひけるは我~を畏る汝等是なして生命をえよ |
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一九 汝等もし篤實なる者ならば汝らの兄弟の一人をしてこの獄に繫れしめ汝等は穀物をたづさへゆきてなんぢらの家々の饑をすくへ |
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二〇 但し汝らの末弟を我につれきたるべしさすればなんぢらの言の眞實あらはれて汝等死をまぬかるべし彼等すなはち斯なせり |
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二一 玆に彼らたがひに言けるは我等は弟の事によりて信に罪あり我等は彼が我らに只管にねがひし時にその心の苦を見ながら之を聽ざりき故にこの苦われらにのぞめるなり |
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二二 ルベンかれらに對ていひけるは我なんぢらにいひて童子に罪ををかすなかれといひしにあらずや然るに汝等きかざりき是故に視よ亦彼の血をながせし罪をたゞさると |
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二三 彼等はヨセフが之を解するをしらざりき其は互に通辯をもちひたればなり |
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二四 ヨセフ彼等を離れゆきて哭き復かれらにかへりて之とかたり遂にシメオンを彼らの中より取りその目のまへにて之を縛れり |
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二五 而してヨセフ命じてその器に穀物をみたしめ其人々の金を囊に返さしめ又途の食を之にあたへしむヨセフ斯かれらになせり |
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二六 彼等すなはち穀物を驢馬におはせて其處をさりしが |
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二七 其一人旅邸にて驢馬に糧を與んとて囊をひらき其金を見たり其は囊の口にありければなり |
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二八 彼その兄弟にいひけるは吾金は返してあり視よ囊の中にありと是において彼等膽を消し懼れてたがひに~の我らになしたまふ此事は何ぞやといへり |
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二九 かくて彼等カナンの地にかへりて父ヤコブの所にいたり其身にありし事等を悉く之につげていひけるは |
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三〇 彼國の主荒々しく我等にものいひ我らをもて國を偵ふ者となせり |
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三一 我ら彼にいふ我等は篤實なる者なり間者にあらず |
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三二 我らは十二人の兄弟にして同じ父の子なり一人はをらずなり季のは今日父とともにカナンの地にありと |
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三三 國の主なるその人われらにいひけるは我かくして汝等の篤實なるをしらん汝等の兄弟の一人を吾もとにのこし糧食をたづさへゆきて汝らの家々の饑をすくへ |
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三四 而して汝らの季の弟をわが許につれきたれ然れば我なんぢらが間者にあらずして篤實なる者たるをしらん我なんぢらの兄弟を汝等に返し汝等をしてこの國にて交易をなさしむべしと |
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三五 玆に彼等その囊を傾たるに視よ各人の金包その囊のなかにあり彼等とその父金包を見ておそれたり |
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三六 その父ヤコブ彼等にいひけるは汝等は我をして子を喪はしむヨセフはをらずなりシメオンもをらずなりたるにまたベニヤミンを取んとす是みなわが身にかゝるなり |
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三七 ルベン父に吿ていふ我もし彼を汝につれかへらずば吾ふたりの子を殺せ彼をわが手にわたせ我之をなんぢにつれかへらん |
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三八 ヤコブいひけるはわが子はなんぢらとともに下るべからず彼の兄は死て彼ひとり遺たればなり若なんぢらが行ところの途にて災難かれの身におよばゞ汝等はわが白髪をして悲みて墓にくだらしむるにいたらん |
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創世記 |
第四三章 |
一 饑饉その地にはげしかりき |
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二 玆に彼等エジプトよりもちきたりし穀物を食つくせし時父かれらに再びゆきて少許の糧食を買きたれといひけれぽ |
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三 ユダ父にかたりていひけるは彼人かたく我等をいましめていふ汝らの弟汝らとともにあるにあらざれば汝らはわが面をみるべからずと |
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四 汝もし弟をわれらとともに遣さば我等下て汝のために糧食を買ふべし |
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五 されど汝もし彼をつかはさずば我等くだらざるべし其はかの人われらにむかひ汝等の弟なんぢらとともにあるにあらざれば汝ら吾面をみるべからずといひたればなりと |
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六 イスラエルいひけるは汝等なにゆゑに汝等に尙弟のあることを彼人につげて我を惡くなすや |
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七 彼等いふ其人われらの模樣とわれらの親族を問たゞして汝らの父は尙生存へをるや汝等は弟をもつやといひしにより其言の條々にしたがひて彼につげたるなり我等いかでか彼が汝等の弟をつれくだれといふならんとしるをえん |
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八 ユダ父イスラエルにいひけるは童子をわれとともに遣はせ我等たちて往ん然らば我儕と汝およびわれらの子女生ることを得て死をまぬかるべし |
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九 我彼の身を保はん汝わが手にかれを問へ我もし彼を汝につれかへりて汝のまへに置ずば我永遠に罪をおはん |
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一〇 我儕もし濡滯ことなかりしならば必ずすでにゆきて再びかへりしならん |
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一一 父イスエテル彼等にいひけるは然ば斯なせ汝等國の名物を器にいれ携へくだりて彼人に禮物とせよ乳香少許、蜜少許、香物、沒藥、胡桃および巴旦杏 |
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一二 又手に一倍の金を取りゆけ汝等の囊の口に返してありし彼金を再び手にたづさへ行べし恐くは差謬にてありしならん |
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一三 且また汝らの弟を挈へ起てふたゝび其人の所にゆけ |
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一四 ねがはくは全能の~その人のまへにて汝等を矜恤みその人をして汝等の他の兄弟とベニヤミンを放ちかへさしめたまはんことを若われ子に別るべくあらば別れんと |
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一五 是に於てかの人々その禮物を執り一倍の金を手に執りベニヤミンを携へて起てエジプトにくだりヨセフの前に立つ |
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一六 ヨセフ、ベニヤミンの彼らと偕なるを見てその家宰にいひけるはこの人々を家に導き畜を屠て備へよこの人々卓午に我とともに食をなすべければなり |
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一七 其人ヨセフのいひしごとくなし其人この人々をヨセフの家に導けり |
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一八 人々ヨセフの家に導かれたるによりて懼れいひけるは初めにわれらの囊にかへりてありし金の事のために我等はひきいれらる是われらを抑留へて我等にせまり執へて奴隷となし且われらの驢馬を取んとするなりと |
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一九 彼等すなはちヨセフの家宰に進みよりて家の入口にて之にかたりて |
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二〇 いひけるは主よ我等實に最初くだりて糧食を買たり |
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二一 しかるに我等旅邸に至りて囊を啓き見るに各人の金その囊の口にありて其金の量全かりし然ば我等これを手にもちかへれり |
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二二 又糧食を買ふ他の金をも手にもちくだる我等の金を囊にいれたる者は誰なるかわれらは知ざるなり |
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二三 彼いひけるは汝ら安ぜよ懼るなかれ汝らの~汝らの父の~財寳を汝等の囊におきて汝らに賜ひしなり汝らの金は我にとゞけりと遂にシメオンを彼等の所にたづさへいだせり |
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二四 かくて其人この人々をヨセフの家に導き水をあたへてその足を濯はしめ又その驢馬に草をあたふ |
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二五 彼等其處にて食をなすなりと聞しかば禮物を調へてヨセフの日午に來るをまつ |
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二六 玆にヨセフ家にかへりしかば彼等その手の禮物を家にもちきたりてヨセフの許にいたり地に伏てこれを拜す |
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二七 ヨセフかれらの安否をとふていふ汝等の父汝らが初にかたりしその老人は恙なきや尙いきながらへをるや |
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二八 彼等こたへてわれらの父汝の僕は恙なくしてなほ生ながらへをるといひ身をかゞめ禮をなす |
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二九 ヨセフ目をあげてその母の子なる己の弟ベニヤミンを見ていひけるは是は汝らが初に我にかたりし汝らの若き兄弟なるや又いふわが子よ願はくは~汝をめぐみたまはんことをと |
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三〇 ヨセフその弟のために心焚るがごとくなりしかば急ぎてその泣べきところを尋ね室にいりて其處に泣り |
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三一 而して面をあらひて出で自から抑へて食をそなへよといふ |
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三二 すなはちヲセフはヨセフ彼等は彼等陪食するエジプト人はエジプト人と別々に之を供ふ是はエジプト人ヘブル人と共に食することをえざるによる其事エジプト人の穢はしとするところなればなり |
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三三 かくて彼等ヨセフの前に坐るに長子をばその長たるにしたがひて坐らせ若き者をばその幼少にしたがひてすわらせければその人々駭きあへり |
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三四 ヨセフ己のまへより皿を彼等に供ふベニヤミンの皿は他の人のよりも五倍おほかりきかれら飮てヨセフとともに樂めり |
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創世記 |
第四四章 |
一 爰にヨセフその家宰に命じていふこの人々の囊にその負うるほど糧食を充せ各人の金をその囊の口に置れ |
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二 またわが杯すなはち銀の杯を彼の少き者の囊の口に置てその穀物の金子とともにあらしめよと彼ヨセフがいひし言のごとくなせり |
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三 かくて夜のあくるにおよびてその人々と驢馬をかへしけるが |
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四 かれら城邑をいでてなほ程とほからぬにヨセフ家宰にいひけるは起てかの人々の後を迫ひおひつきし時之にいふべし汝らなんぞ惡をもて善にむくゆるや |
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五 其はわが主がもちひて飮み又用ひて常に卜ふ者にあらずや汝らかくなすは惡しと |
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六 是に於て家宰かれらにおひつきてこの言をかれらにいひければ |
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七 かれら之にいふ主なにゆゑに是事をいひたまふや僕等きはめてこの事をなさず |
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八 視よ我らの囊の口にありし金はカナンの地より汝の所にもちかへれり然ば我等いかで汝の主の家より金銀をぬすまんや |
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九 僕等の中誰の手に見あたるも其者は死べし我等またわが主の奴隷となるべし |
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一〇 彼いひけるはさらば汝らの言のごとくせん其の見あたりし者はわが奴隷となるべし汝等は咎なしと |
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一一 是において彼等急ぎて各その囊を地におろし各その囊をひらきしかば |
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一二 彼すなはち索し長者よりはじめて少者にをはるに杯はベニヤミンの囊にありき |
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一三 斯有しかば彼等その衣を裂きおのおのその驢馬に荷を負せて邑にかへる |
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一四 しかしてユダとその兄弟等ヨセフの家にいたるにヨセフなほ其處にをりしかばその前に地に伏す |
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一五 ヨセフかれらにいひけるは汝等がなしたるこの事は何ぞや我のごとき人は善く卜ひうる者なるをしらざるや |
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一六 ユダいひけるは我等主に何をいはんや何をのべんや如何にしてわれらの正直をあらはさんや~僕等の罪を摘發したまへり然ば我等およびこの杯の見あたりし者俱に主の奴隷となるべし |
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一七 ヨセフいひけるはきはめて然せじ杯の手に見あたりし人はわが奴隷となるべし汝等は安然に父にかへりのぼるべし |
トーラ11部 |
一八 時にユダかれに近よりていひけるはわが主よ請ふ僕をして主の耳に一言いふをえせしめよ僕にむかひて怒を發したまふなかれ汝はパロのごとくにいますなり |
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一九 昔にわが主僕等に問て汝等は父あるや弟あるやといひたまひしかば |
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二〇 我等主にいへり我等にわが父あり老人なり又その老年子なる少者ありその兄は死てその母の遺せるは只是のみ故に父これを愛すと |
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二一 汝また僕等にいひたまはく彼を我許につれくだり我をして之に目をつくることをえせしめよと |
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二二 われら主にいへり童子父を離るをえず若父をはなるゝならば父死べしと |
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二三 汝また僕等にいひたまはく汝らの季の弟汝等とともに下るにあらざれば汝等ふたゝびわが面を見るべからずと |
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二四 我等すなはちなんぢの僕わが父の所にかへりのぼりて主の言をこれに吿たり |
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二五 我らの父再びゆきて小許の糧食を買きたれといひければ |
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二六 我らいふ我らくだりゆくことをえずわれらの季の弟われらと共にあらば下りゆくべし其は季の弟われらと共にあるにあらざれば彼人の面をみるをえざればなりと |
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二七 なんぢの僕わが父われらにいふ汝らのしるごとく吾妻われに二人を生しが |
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二八 その一人出てわれをはなれたれば必ず裂ころされしならんと思へり我今にいたるまで彼を見ず |
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二九 なんぢら是をも我側より取ゆかんに若災害是の身におよぶあらば遂にわが白髪をして悲みて墓にくだらしむるにいたらんと |
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三〇 抑父の生命と童子の生命とは相結びてあれば我なんぢの僕わが父に歸りいたらん時に童子もしわれらと共に在ずば如何ぞや |
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三一 父童子の在ざるを見ば死るにいたらん然れば僕等なんぢの僕われらの父の白髪をして悲みて墓にくだらしむるなり |
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三二 僕わが父に童子の事を保ひて我もし是を汝につれかへらずば永久に罪を父に負んといへり |
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三三 されば請ふ僕をして童子にかはりをりて主の奴隷とならしめ童子をしてその兄弟とともに歸りのぼらしめたまへ |
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三四 我いかでか童子を伴はずして父の許に上りゆくべけん恐くは災害の父におよぶを見ん |
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創世記 |
第四五章 |
一 玆にヨセフその側にたてる人々のまへにて自ら禁ぶあたはざるに至りければ人皆われを離ていでよと呼はれり是をもてヨセフが己を兄弟にあかしたる時一人も之とともにたつものなかりき |
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二 ヨセフ聲をあげて泣りエジプト人これを聞きパロの家またこれを聞く |
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三 ヨセフすなはちその兄弟にいひけるは我はヨセフなりわが父はなほ生ながらへをるやと兄弟等その前に愕き懼れて之にこたふるをえざりき |
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四 ヨセフ兄弟にいひけるは請ふ我にちかよれとかれらすなはち近よりければ言ふ我はなんぢらの弟ヨセフなんぢらがエジプトにうりたる者なり |
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五 されど汝等我をこゝに賣しをもて憂ふるなかれ身を恨るなかれ~生命をすくはしめんとて我を汝等の前につかはしたまへるなり |
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六 この二年のあひだ饑饉國の中にありしが尙五年の間耕すととも穫こともなかるべし |
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七 ~汝等の後を地につたへんため又大なる救をもて汝らの生命を救はんために我を汝等の前に遣したまへり |
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八 然ば我を此につかはしたる者は汝等にはあらず~なり~われをもてパロの父となしその全家の主となしエジプト全國の宰となしたまへり |
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九 汝等いそぎ父の許にのぼりゆきて之にいへ汝の子ヨセフかく言ふ~われをエジプト全國の主となしたまへりわが所にくだれ遲疑なかれ |
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一〇 汝ゴセソの地に住べし斯汝と汝の子と汝の子の子およびなんぢの羊と牛並に汝のすべて有ところの者われの近方にあるべし |
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一一 なほ五年の饑饉あるにより我其處にてなんぢを養はん恐くは汝となんぢの家族およびなんぢの凡て有ところの者匱乏ならん |
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一二 汝等の目とわが弟ベニヤミンの目の覩るごとく汝等にこれをいふ者はわが口なり |
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一三 汝等わがエジプトにて亨る顯榮となんぢらが見たる所とを皆悉く父につげよ汝ら急ぎて父を此にみちびき下るべし |
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一四 而してヨセフその弟ベニヤミンの頸を抱へて哭にベニヤミンもヨセフの頸をかゝへて哭く |
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一五 ヨセフ亦そのゥの兄弟に接吻し之をいだきて哭く是のち兄弟等ヨセフと言ふ |
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一六 爰にヨセフの兄弟等きたれりといふ聲パロの家にきこえければパロとその臣僕これをスぶ |
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一七 パロすなはちヨセフにいひけるは汝の兄弟に言べし汝等かく爲せ汝等の畜に物を負せ往てカナンの地に至り |
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一八 なんぢらの父となんぢらの家族を携へて我にきたれ我なんぢらにエジプトの地の嘉物をあたへん汝等國の膏腴を食ふことをうべしと |
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一九 今汝命をうく汝等かく爲せ汝等エジプトの地より車を取ゆきてなんぢらの子女と妻等を載せ汝等の父を導きて來れ |
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二〇 また汝等の器を惜み視るなかれエジプト全國の嘉物は汝らの所屬なればなり |
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二一 イスラエルの子等すなはち斯なせりヨセフ、パロの命にしたがひて彼等に車をあたへかつ途の餱糧をかれらにあたへたり |
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二二 又かれらに皆おのおの衣一襲を與へたりしがベニヤミンには銀三百と衣五襲をあたへたり |
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二三 彼また斯のごとく父に餽れり即ち驢馬十疋にエジプトの嘉物をおはせ牝の驢馬十疋に父の途の用に供ふる糓物と糧と肉をおはせて餽れり |
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二四 斯して兄弟をかへして去しめ之にいふ汝等途にて相あらそふなかれと |
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二五 かれらエジプトより上りてカナンの地にゆきその父ヤコブにいたり |
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二六 之につげてヨセフは尙いきてをりエジプト全國の宰となりをるといふしかるにヤコブの心なは寒冷なりき其はこれを信ぜざればなり |
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二七 彼等またヨセフの己にいひたる言をことごとく之につげたりその父ヤコブ、ヨセフがおのれを載んとておくりし車をみるにおよびて其氣おのれにかへれり |
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二八 イスラエルすなはちいふ足りわが子ヨセフなほ生をるわれ死ざるまへに往て之を視ん |
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創世記 |
第四六章 |
一 イスラエルその己につけるゥの者とともに出たちベエルシバにいたりてその父イサクの~に犧牲をさゝぐ |
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二 ~夜の異象にイスラエルにかたりてヤコブよヤコブよといひたまふ |
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三 ヤコブわれ此にありといひければ~いひたまふ我は~なり汝の父の~なりエジプトにくだることを懼るなかれわれ彼處にて汝を大なる國民となさん |
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四 我汝とともにエジプトに下るべし亦かならず汝を導のぼるべしヨセフ手をなんぢの目の上におかんと |
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五 かくてヤコブ、ベエルシバをたちいでたりイスラエルの子等すなはちパロの載んとておくりたる車に父ヤコブと己の子女と妻等を載せ |
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六 その家畜とカナンの地にてえたる貨財をたづさへ斯してヤコブとその子孫皆ともにエジプトにいたれり |
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七 ヤコブかくその子と子の子およびその女と子の女すなはちその子孫を皆ともなひてエジプトにつれゆけり |
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八 イスラエルの子のエジプトにくだれる者の名は左のごとしヤコブとその子等ヤコブの長子はルベン |
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九 ルベンの子はヘノク、パル、ヘヅロン、カルミ |
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一〇 シメオンの子はヱムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ゾハルおよびカナンの婦のうめる子シヤウル |
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一一 レビの子はゲルシヨン、コハテ、メラリ |
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一二 ユダの子はエル、オナン、シラ、ペレヅ、ゼラ但しエルとオナンはカナンの地に死たりペレヅの子はヘヅロンおよびハムルなり |
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一三 イツサカルの子はトラ、プワ、ヨブ、シムロン |
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一四 ゼブルンの子はセレデ、エロン、ヤリエルなり |
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一五 是等および女子デナはレアがパダンアラムにてヤコブにうみたる者なりその男子女子あはせて三十三人なりき |
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一六 ガドの子はゼポン、ハギ、シユニ、エヅボン、エリ、アロデ、アレリ |
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一七 アセルの子はヱムナ、イシワ、イスイ、ベリアおよびその妹サラ並にベリアの子ヘベルとマルキエルなり |
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一八 是等はラバンがその女レアにあたへたるジルパの子なり彼是等をヤコブにうめりキ合十六人 |
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一九 ヤコブの妻ラケルの子はヨセフとベニヤミンなり |
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二〇 エジプトの國にてヨセフにマナセとエフライムうまれたり是はオンの祭司ポテパルの女アセナテが生たる者なり |
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二一 ベニヤミンの子はベラ、ベケル、アシベル、ゲラ、ナアマン、エヒ、ロシ、ムツピム、ホパム、アルデ |
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二二 是等はラケルの子にしてヤコブにうまれたる者なりキ合十四人 |
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二三 ダンの子はホシム |
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二四 ナフタリの子はヤジエル、グニ、ヱゼル、シレム |
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二五 是等はラバンがその女ラケルにあたへたるビルハの子なり彼これらをヤコブにうめりキ合七人 |
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二六 ヤコブとともにエジプトにいたりし者はヤコブの子の妻をのぞきて六十六人なりき是皆ヤコブの身よりいでたる者なり |
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二七 エジプトにてヨセフにうまれたる子二人ありヤコブの家の人のエジプトにいたりし者はあはせて七十人なりき |
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二八 ヤコブ預じめユダをヨセフにつかはしおのれをゴセンにみちびかしむ而して皆ゴセンの地にいたる |
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二九 ヨセフその車を整へゴセンにのぼりて父イスラエルを迓へ之にまみえてその頸を抱き頸をかゝへて久く啼く |
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三〇 イスラエル、ヨセフにいふ汝なほ生てをり我汝の面を見ることをえたれば今は死るも可しと |
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三一 ヨセフその兄弟等と父の家族とにいひけるは我のぼりてパロにつげて之にいふべしわが兄弟等とわが父の家族カナンの地にをりし者我のところに來れり |
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三二 その人々は牧者にして牧畜の人なり彼等をの羊と牛およびその有るゥの物をたづさへ來れりと |
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三三 パロもし汝等を召て汝等の業は何なるやと問ことあらば |
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三四 僕等は幼少より今にいたるまで牧畜の人なり我儕も先祖等もともにしかりといへしからばなんぢらゴセンの地にすむことをえん牧者は皆エジプト人の穢はしとするものなればなり |
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創世記 |
第四七章 |
一 玆にヨセフゆきてパロにつげていひけるはわが父と兄弟およびその羊と牛とゥの所有物カナンの地よりいたれり彼らはゴセンの地にをると |
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二 その兄弟の中より五人をとりてこれをパロにまみえしむ |
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三 パロ、ヨセフの兄弟等にいひけるは汝らの業は何なるか彼等パロにいふ僕等は牧者なりわれらも先祖等もともにしかりと |
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四 かれら又パロにいひけるは此國に寓らんとて我等はきたる其はカナンの地に饑饉はげしくして僕等の群をやしなふ牧場なければなりされば請ふ僕等をしてゴセンの地にすましめたまへ |
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五 パロ、ヨセフにかたりていふ汝の父と兄弟汝の所にきたれり |
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六 エジプトの地はなんぢの前にあり地の善き處に汝の父と兄弟をすましめよすなはちゴセンの地にかれらをすましめよ汝もし彼等の中に才能ある者あるをしらば其人々をしてわが家畜をつかさどらしめよ |
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七 ヨセフまた父ヤコブを引ていりパロの前にたゝしむヤコブ、パロを祝す |
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八 パロ、ヤコブにいふ汝の齡の日は幾何なるか |
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九 ヤコブ、パロにいひけるはわが旅路の年月は百三十年にいたる我が齡の日は僅少にして且惡かり未だわが先祖等の齡の日と旅路の日にはおよばざるなり |
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一〇 ヤコブ、パロを祝しパロのまへよりいでさりぬ |
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一一 ヨセフ、パロの命ぜしごとくその父と兄弟に居所を與へエジプトの國の中の善き地即ちラメセスの地をかれらにあたへて所有となさしむ |
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一二 ヨセフその父と兄弟と父の全家にその子の數にしたがひて食物をあたへて養へり |
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一三 却說饑饉はなはだはげしくして全國に食物なくエジプトの國とカナンの國饑饉のために弱れり |
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一四 ヨセフ糓物を賣あたへてエジプトの地とカナンの地にありし金をことごとく斂む而してヨセフその金をパロの家にもちきたる |
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一五 エジプトの國とカナンの國に金つきたればエジプト人みなヨセフにいたりていふ我等に食物をあたへよ如何ぞなんぢの前に死べけんや金すでにたえたり |
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一六 ヨセフいひけるは汝等の家畜をいだせ金もしたえたらば我なんぢらの家畜にかへて與ふべしと |
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一七 かれら乃ちその家畜をヨセフにひききたりければヨセフその馬と羊の群と牛の群および驢馬にかへて食物をかれらにあたへそのすべての家畜のために其年のあひだ食物をあたへてこれをやしなふ |
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一八 かくてその年暮けるが明年にいたりて人衆またヨセフにきたりて之にいふ我等主に隱すところなしわれらの金は竭たりまたわれらの畜の群は主に皈す主のまへにいだすべき者は何ものこりをらず唯われらの身体と田地あるのみ |
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一九 われらいかんぞわれらの田地とともに汝の目のまへに死亡ぶべけんや我等とわれらの田地を食物に易て買とれ我等田地とともにパロの僕とならんまた我等に種をあたへよ然ばわれら生るをえて死るにいたらず田地も荒蕪にいたらじ |
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二〇 是に於てヨセフ、エジプトの田地をことごとく購とりてパロに納る其はエジプト人饑饉にせまりて各人その田圃を賣たればなり是によりて地はパロの所有となれり |
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二一 また民はエジプトのこの境の極よりかの境の極の者までヨセフこれを邑々にうつせり |
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二二 但祭司の田地は購とらざりき祭司はパロより祿をたまはりをればパロの與る祿を食たるによりてその田地を賣ざればなり |
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二三 玆にヨセフ民にいひけるは視よ我今日汝等となんぢらの田地をかひてパロに納る視よこの種子を汝らに與ふ地に播べし |
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二四 しかして收穫の五分の一をパロに輸し四分をなんぢらに取て田圃の種としなんぢらの食としなんぢらの家族と子女の食とせよ |
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二五 人衆いひけるは汝われらの生命を拯ひたまへりわれら主のまへに恩をえんことをねがふ我等パロの僕となるべしと |
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二六 ヨセフ、エジプトの田地に法をたてその五分の一をパロにをさめしむその事今日にいたる唯祭司の田地のみパロの有とならざりき |
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二七 イスラエル、エジプトの國に於てゴセンの地にすみ彼處に產業を獲その數揩ト大に殖たり |
トーラ12部 |
二八 ヤコブ、エジプトの國に十七年いきながらへたりヤコブの年齒の日は合て百四十七年なりき |
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二九 イスラエル死る日ちかよりければその子ヨセフをよびて之にいひけるは我もし汝のまへに恩を得るならば請ふなんぢの手をわが髀の下にいれ懇に眞實をもて我をあつかへ我をエジプトに葬るなかれ |
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三〇 我は先祖等とともに偃んことをねがふ汝われをエジプトより舁いだして先祖等の墓場にはうむれヨセフいふ我なんぢが言るごとくなすべしと |
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三一 ヤコブまた我に誓へといひければすなはち誓へりイスラエル床の頭にて拜をなせり |
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創世記 |
第四八章 |
一 是等の事の後汝の父病にかゝるとヨセフに吿る者ありければヨセフ二人の子マナセとエフライムをともなひて至る |
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二 人ヤコブに吿て汝の子ヨセフなんぢの許にきたるといひければイスラエル强て床に坐す |
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三 しかしてヤコブ、ヨセフにいひけるは昔に全能の~カナンの地のルズにて我にあらはれて我を祝し |
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四 我にいひたまひけらく我なんぢをして多く子をえせしめ汝をふやし汝を衆多の民となさん我この地を汝の後の子孫にあたへて永久の所有となさしめんと |
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五 わがエジプトにきたりて汝に就まへにエジプトにて汝に生れたる二人の子エフライムとマナセ是等はわが子となるべしルベンとシメオンのごとく是等はわが子とならん |
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六 是等の後になんぢが得たる子は汝のものとすべし又その產業はその兄弟の名をもて稱らるべし |
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七 我事をいはんに我昔パダンより來れる時ラケル我にしたがひをりて途にてカナンの地に死り其處はエフラタまで尙途の隔あるところなりわれ彼處にてかれをエフラタの途にはうむれり(エフラタはすなはちベテレヘムなり) |
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八 斯てイスラエル、ヨセフの子等を見て是等は誰なるやといひければ |
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九 ヨセフ父にいふ是は~の此にて我にたまひし子等なりと父すなはちいふ請ふ彼らを我所につれきたれ我これを祝せんと |
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一〇 イスラエルの目は年壽のために眯て見るをえざりしがヨセフかれらをその許につれきたりければ之に接吻してこれを抱けり |
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一一 しかしてイスラエル、ヨセフにいひけるは我なんぢの面を見るあらんとは思はざりしに視よ~なんぢの子をもわれにしめしたまふと |
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一二 ヨセフかれらをその膝の間よりいだし地に俯て拜せり |
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一三 しかしてヨセフ、エフライムを右の手に執てヤコブの左の手にむかはしめマナセを左の手に執てヤコブの右の手にむかはしめ二人をみちびきてかれに就ければ |
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一四 イスラエル右の手をのべて季子エフライムの頭に按き左の手をのべてマナセの頭におけりマナセは長子なれども故にかくその手をおけるなり |
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一五 斯してヨセフを祝していふわが父アブラハム、イサクの事へし~わが生れてより今日まで我をやしなひたまひし~ |
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一六 我をしてゥの災禍を贖はしめたまひし天使ねがはくは是童子等を祝たまへねがはくは是等の者わが名とわが父アブラハム、イサクの名をもて稱られんことをねがはくは是等地の中に繁殖がるにいたれ |
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一七 ヨセフ父が右の手をエフライムの頭に按るを見てよろこばず父の手をあげてこれをエフライムの頭よりマナセの頭にうつさんとす |
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一八 ヨセフすなはち父にいひけるは然にあらず父よ是長子なれば右の手をその頭に按たまへ |
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一九 父こばみていひけるは我知るわが子よわれしる彼も一の民となり彼も大なる者とならん然どもその弟は彼よりも大なる者となりてその子孫は多衆の國民となるべしと |
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二〇 此日彼等を祝していふイスラエル汝を指て人を祝し願くは~汝をしてエフライムのごとくマナセのごとくならしめたまへといふにいたらんとすなはちエフライムをマナセの先にたてたり |
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二一 イスラエルまたヨセフにいひけるは視よわれは死んされど~なんぢらとともにいまして汝等を先祖等の國にみちびきかへりたまふべし |
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二二 且われ一の分をなんぢの兄弟よりもおはく汝にあたふ是わが刀と弓を以てアモリ人の手より取たる者なり |
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創世記 |
第四九章 |
一 ヤコブその子等を呼ていひけるは汝らあつまれ我後の日に汝らが遇んところの事を汝等につげん |
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二 汝等つどひて聽けヤコブの子等よ汝らの父イスラエルに聽け |
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三 ルベン汝はわが冢子わが勢わが力の始威光の卓越たる者權威の卓越たる者なり |
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四 汝は水の沸あがるがごとき者なれば卓越を得ざるべし汝父の床にのぼりて浼したればなり嗚呼彼はわが寢牀にのぼれり |
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五 シメオン、レビは兄弟なりその劍は暴逆の器なり |
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六 我魂よかれらの席にのぞむなかれ我寳よかれらの集會につらなるなかれ其は彼等その怒にまかせて人をころしその意にまかせて牛を筋截たればなり |
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七 その怒は烈かれば詛ふべしその憤は暴あれば詛ふべし我彼らをヤコブの中に分ちイスラエルの中に散さん |
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八 ユダよ汝は兄弟の讚る者なり汝の手はなんぢの敵の頸を抑へんなんぢの父の子等なんぢの前に鞠ん |
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九 ユダは獅子の子の如しわが子よ汝は所掠物をさきてかへりのぼる彼は牡獅子のごとく伏し牝獅のごとく蹲まる誰か之をおこすことをせん |
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一〇 杖ユダを離れず法を立る者その足の間をはなるゝことなくしてシロの來る時にまでおよばん彼にゥの民したがふべし |
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一一 彼その驢馬を葡萄の樹に繫ぎその牝驢馬の子を葡萄の蔓に繫がん又その衣を酒にあらひ其服を葡萄の汁にあらふべし |
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一二 その目は酒によりて紅くその齒は乳によりて白し |
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一三 ゼブルンは海邊にすみ舟の泊る海邊に住はんその界はシドンにおよぶべし |
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一四 イツサカルは羊の牢の間に伏す健き驢馬の如し |
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一五 彼みて安泰を善としその國を樂とし肩をさげて負ひ租稅をいだして僕となるべし |
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一六 ダンはイスラエルの他の支派の如く其民を鞫かん |
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一七 ダンは路の旁の蛇のごとく途邊にある蝮のごとし馬の踵を嚙てその騎者をして後に落しむ |
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一八 ヱホバよわれ汝の拯救を待り |
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一九 ガドは軍勢これにせまらんされど彼反てその後にせまらん |
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二〇 アセルよりいづる食物は美るべし彼王の食ふ美味をいださん |
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二一 ナフタリは釋れたる麀のごとし紋美言をいだすなり |
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二二 ヨセフは實を結ぶ樹の芽のごとし即ち泉の傍にある實をむすぶ樹の芽のごとしその枝つひに垣を踰ゆ |
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二三 射者彼をなやまし彼を射かれを惡めり |
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二四 然どかれの弓はなほ勁くあり彼の手の臂は力あり是ヤコブの全能者の手によりてなり某よりイスラエルの磐なる牧者いづ |
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二五 汝の父の~による彼なんぢを助けん全能者による彼なんぢを祝まん上なる天の、下によこたはる淵の、乳哺の、胎の、汝にきたるべし |
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二六 父の汝を祝することはわが父祖の祝したる所に勝て恒久の山の限極にまでおよばん是等の祝はヨセフの首に歸しその兄弟と別になりたる者の頭頂に歸すべし |
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二七 ベニヤミンは物を嚙む狼なり朝にその所掠物を啖ひ夕にその所攫物をわかたん |
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二八 是等はイスラエルの十二の支派なり斯その父彼らに語り彼等を祝せりすなはちその祝すべき所にしたがひて彼等ゥ人を祝せり |
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二九 ヤコブまた彼等に命じて之にいひけるは我はわが民にくはゝらんとすヘテ人エフロンの田にある洞穴にわが先祖等とともに我をはうむれ |
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三〇 その洞穴はカナンの地にてマムレのまへなるマクペラの田にあり是はアブラハムがヘテ人エフロンより田とともに購て所有の墓所となせし者なり |
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三一 アブラハムとその妻サラ彼處にはうむられイサクとその妻リベカ彼處に葬られたり我またかしこにレアを葬れり |
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三二 彼田とその中の洞穴はヘテの子孫より購たる者なり |
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三三 ヤコブその子に命ずることを終し時足を床に斂めて氣たえてその民にくはゝる |
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創世記 |
第五〇章 |
一 ヨセフ父の面に俯し之をいだきて哭き之に接吻す |
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二 而してヨセラその僕なる醫者に命じてその父に釁らしむ醫者イスラエルに釁れり |
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三 すなはち之がために四十日を用ふ其は尸に釁るにはこの日數を用ふべければなりエジプト人七十日の間之がために哭けり |
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四 哀哭の日すぎし時ヨセフ、パロの家にかたりていひけるは我もし汝等の前に恩惠を得るならば請ふパロの耳にまうして言へ |
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五 わが父我死ばカナンの地にわが掘おきたる墓に我をはうむれといひて我を誓はしめたり然ば請ふわれをして上りて父を葬らしめたまへまた歸りきたらんと |
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六 パロいひけるは汝の父汝をちかはせしごとくのぼりて之を葬るべし |
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七 是に於てヨセフ父を葬らんとて上るパロのゥの臣パロの家の長老等エジプトの地の長老等 |
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八 およびヨセフの全家とその兄弟等および其父の家之とともに上る只その子女と羊と牛はゴセンの地にのこせり |
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九 また車と騎兵ヨセフにしたがひてのぼり其隊はなはだ大なりき |
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一〇 彼等つひにヨルダンの外なるアタデの禾場に到り彼にて大に泣き痛く哀しむヨセフすなはち七日父のために哭きぬ |
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一一 その國の居人なるカナン人等アタデの禾場の哀哭を見て是はエジプト人の痛くなげくなりといへり是によりて其處の各をアベルミツライム(エジプト人の哀哭)と稱ふヨルダンの外にあり |
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一二 ヤコブの子等その命ぜられたるごとく之になせり |
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一三 すなはちヤコブの子等彼をカナンの地に舁ゆきて之をマクペラの田の洞穴にはうむれり是はアブラハムがヘテ人エフロンより田とともに購とりて所有の墓所となせし者にてマムレの前にあり |
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一四 ヨセフ父を葬りてのち其兄弟および凡て己とともにのぼりて父をはうむれる者とともにエジプトにかへりぬ |
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一五 ヨセフの兄弟等その父の死たるを見ていひけるはヨセフあるひはわれらを恨むることあらん又かならずわれらが彼になしたるゥの惡にむくゆるならんと |
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一六 すなはちヨセフにいひおくりけるはなんぢの父死るまへに命じて言けらく |
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一七 汝ら斯ヨセフにいふべし汝の兄弟汝に惡をなしたれども冀はくはその罪咎をゆるせと然ば請ふ汝の父の~の僕等の咎をゆるせとヨセフその言を聞て啼泣り |
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一八 兄弟等もまた自らきたりヨセフの面のまへに俯し我儕は汝の僕とならんといふ |
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一九 ヨセフかれらに曰けるは懼るなかれ我あに~にかはらんや |
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二〇 汝等は我を害せんとおもひたれども~はそれを善にかはらせ今日のごとく多の民の生命を救ふにいたらしめんとおもひたまへり |
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二一 故に汝らおそるゝなかれ我なんぢらと汝らの子女をやしなはんと彼等をなぐさめ懇に之にかたれり |
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二二 ヨセフ父の家族とともにエジプトにすめりヨセフは百十歲いきながらへたり |
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二三 ヨセフ、エフライムの三世の子女をみるにいたれりマナセの子マキルの子女もうまれてヨセフの膝にありき |
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二四 ヨセフその兄弟等にいひけるは我死ん~がならず汝等を眷顧みなんぢらを此地よりいだしてそのアブラハム、イサク、ヤコブに誓ひし地にいたらしめたまはんと |
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二五 ヨセフ~かならず汝等をかへりみたまはん汝らわが骨をこゝよりたづさへのぼるべしといひてイスラエルの子孫を誓はしむ |
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二六 ヨセフ百十歲にして死たれば之に釁りて櫃にをさめてエジプトにおけり |
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Office Murakami |