四つの福音書による一つのイエス物語95
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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安息日に長患いの女を癒す
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
13;10〜17
第一三章一〇〜一七節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第一三章
十 イエス安息日に或會堂にてしに
十一 十八年鬼に患されたる婦あり傴僂て少も伸ること能ざりき
十二 イエス之を見てよび婦よ爾は其病より釋さると曰て
十三 手を婦に按ければ直に伸て~を讚美たり
十四 會堂の宰イエスの安息日に醫したる事を怒こたへて衆人に曰けるは事を爲べきの日六日あれば其中に來りて醫さるべし安息日に爲ざれ
十五 主かれに答て曰けるは僞善よ爾曹おのおの安息日には其牛や驢をときより牽出して水を飮さる乎
十六 て此婦はアブラハムの裔なり十八年サタンに縛られたる其結を安息日に解べからざらん乎
十七 イエス如此曰ければ敵對しゝ者みなぬ又衆人みな其行し慈惠ことを喜べり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第一三章
 イエス安息日に或る會堂にてヘへたまふ時、
一一 よ、十八年のあひだ、病の靈に憑かれたる女あり、屈まりて少しも伸ぶること能はず。
一二 イエスこの女を見、呼び寄せて『女よ、なんぢは病より解かれたり』と言ひ、
一三 之に手を按きたまへば、立刻に身を直ぐにして~を崇めたり。
一四 會堂司イエスの安息日に病を醫し給ひしことを憤ほり、答へて群衆に言ふ『くべき日は六日あり、その間に來りて醫されよ。安息日には爲ざれ』
一五 主こたへて言ひたまふ『僞善らよ、汝等おのおの安息日には、己が牛または驢馬を小屋より解きいだし、水飼はんとて牽き往かぬか。
一六 さらば長き十八年の間サタンに縛られたるアブラハムの娘なる此の女は、安息日にその繫より解かるべきならずや』
一七 イエス此等のことを言ひ給へば、逆ふはみな恥ぢ、群衆は擧りてその爲し給へる榮光ある凡ての業を喜べり。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第一三章
一〇 安息日に、ある会堂で教えておられると、
一一 そこに十八年間も病気の霊につかれ、かがんだままで、からだを伸ばすことの全くできない女がいた。
一二 イエスはこの女を見て、呼びよせ、「女よ、あなたの病気はなおった」と言って、
一三 手をその上に置かれた。すると立ちどころに、そのからだがまっすぐになり、そして神をたたえはじめた。
一四 ところが会堂司は、イエスが安息日に病気をいやされたことを憤り、群衆にむかって言った、「働くべき日は六日ある。その間に、なおしてもらいにきなさい。安息日にはいけない」。
一五 主はこれに答えて言われた、「偽善者たちよ、あなたがたはだれでも、安息日であっても、自分の牛やろばを家畜小屋から解いて、水を飲ませに引き出してやるではないか。
一六 それなら、十八年間もサタンに縛られていた、アブラハムの娘であるこの女を、安息日であっても、その束縛から解いてやるべきではなかったか」。
一七 こう言われたので、イエスに反対していた人たちはみな恥じ入った。そして群衆はこぞって、イエスがなされたすべてのすばらしいみわざを見て喜んだ。
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